頸を傾げ
游ぐ白鳥の
鉤括弧を孵化させる


言葉を寄せれば頬が温もる。そうしていくつもの冬を乗り越えてきた。
正義と正義と欲はきっと同じ意味であり、他人のものであるとは到底言い難い。しか ....
ふわふわ
ふわわん ふわりんりん あはは
くすぐったいよう-

夏の温度がさがって ほら
クッキリした青い夏のうしろ姿は 日焼けした子たちの笑い声
あの眩しい光にあたりながら歩いたんだね走 ....
ふわりとしたエメラルドグリーンのワンピースが
雨上がりで蒸し暑い灰色の 川辺に映え 道化師が
その様子を写した
ワンピースに茶色の髪の毛が、あんまり優しく垂れさがっていたので。

たくさんの ....
〇一日目
お盆には帰ってくる? と聞けば
コロナ次第かな、と答える息子
じゃあね、と手を振る
新幹線の改札口
人はこんなにもさみしくなれる
胃袋までさみしさでいっぱい

白薔薇
花言 ....
その蜜をかけて
わたしのすきなバニラの
エッセルスーパーカップに
全部にかけたいけれど
大きいので
内の蓋を少し開けて
半分ね


地面を舐めている
落とした自分のを
命にな ....
「春の紅」

…ト、トトトトト…

春の花らが
ひさしぶりの雨に打たれ
お化粧されて
艶めいてるよ

指にとり
頬紅や口紅にできたらな

そしたら
歩くたんびに
春の香りを ....
切り立った
山の岩場に転がった
死体の色した茜に空燃え

夢は夢、叶う月夜に散歩路
夢しぐれに泣く
瓦斯灯の街
御空につながる
血けぶる鷹の眼

霧けぶる
枯野に棄て去 ....
北向きの窓から
ふいに
秋の
風が産んだ子が走り抜けていく
本のすきまから伸びた
栞のしっぽが揺れ
亡くした猫のしっぽも揺れ
過去が
耳なかでちりりんと揺れる

寝転がると
窓い ....
メガネ外して
泣きそうなのです

まばたきの
かずだけ心に蝶がいて

夜空がこわくてじぶんを抱きます
真昼のまぶしさの下
水中眼鏡で世界をのぞく
あらゆるものがここでしかない自由をまとい
わたしだけが不自由だった
にせもののひれを誰も笑わない
ゆるされていた夏
さよなら、まりも
ひんやり ....
君の幸せは、もう、静かな心臓へ帰るといい。

夜間飛行のともしびが、
寒い砂漠の夜空に灯るといい。

君の笑顔は、もう、私の部屋から出て行けばいい。

そこで砂漠の闇のような心と ....
犬が
風に毛をなびかせている
冬毛はやわらかな鎧
夏毛はワーカホリックな諜報員
さっぱりと生まれ変わった夏毛たちは
世界を傍受する

遠い国のミツバチの羽音
湖でおぼれたアリがもがく音 ....
たぶんね、
死ぬってことは
とても簡単なことなんだ

私は
3歳で父を亡くし
出産と同時に母を亡くし
兄も早くに亡くした

日常的に
熱意や努力や恋愛が
終わりの雨を待 ....
きらきらと
波に
浮かんでいる

パラソルは
遠浅に
沈められて
いく
ぬるくなった缶コーラ
汗をかいてギラギラ
照り返し
身をよじる

のように
探している
 ....
手のひらの小鳥が
命を使い果たしていくとき
呼んだら
返事をした

それは
声にならない声
音を失った声は
振動だけになって
手のひらをかすかに震わせた

あれはやっぱり声だった ....
あの犬の鳴き声が哀しみをいや増して
どの街まで逃げても逃げられないような
死にたいって感情が邪魔で吠えられない夜なら
白々と明ける朝をそのまま凍って待つつもりさ

空白の静けさが ....
あの時の理解は宇宙に染み渡ってゆくのだ。

ほかのまぜものを食べてみようか
黎明の貧困のうち商売が成り立たないから
廃墟に廃棄される、ロボットの哀しみの夜を知れば
凍てつく空気を ....
【さかくだり】
     
あの懐かしい橋を渡れば
蛙のひしめく道がある
いきものを ころさないように
体が傾むく川下にむかって
足をゆっくりと あるく 

あの懐かしい橋を見下ろせば ....
長い連休、借りてきたDVDも底をついた。祖母の家を訪ねる。といっても同じ敷地内にあるので、徒歩三十歩くらいの旅だ。
祖母は祖父が亡くなって、三十数年未亡人だ。未亡人はモテるのよ、と、八十歳になった今 ....
給湯室で、連休はどうするの? と聞かれた。A先輩は彼氏とハワイへ行くらしい。A先輩の「彼氏」の発音は末尾が下がっていて、真面目そうな彼氏だと思う。
予定はまっしろだったが、かわいそうな後輩だと同情さ ....
この忌々しい
憎しみに満ちた
いつも苛立っている
人生を棄てたい夜もある。

そっと、だ。

人も、仔猫も、眠るコタツで
ここからはじまる春の風に寂しさが
青ざめていくのだと ....
答えを探している

答えは至る所に
極めてさりげなく
あるいはこれ見よがしに
散りばめられているのに

コインを拾うように
極めてなにげなく
自分のものにしてしまえば
楽になれ ....
誰にも見ることのない深淵で
それは気づくこともない隠された場所で
寿命を終えた星の残骸を探すと言うことだ
望遠鏡をのぞくものには
とても美しく、そして寂しく思えても
それはとっても遠くにあっ ....
朝日は夕日

生き物の気配のない夕日だ

でも夕日は

ちっとも朝日ではないのだ


影が長くのびるよ

ビルからひかりの後光さす

朝から立ち止まってるひと

誰も待っ ....
ゆるすからゆるされるのだ

ゆるさないからゆるされないのだ

あたしをひきちぎる

あなたのひとみ

にんげんみたいなぬいぐるみ


悲しみのピアノ

短調の和音

ゆび ....
浮き輪を
投げてあげたい無数の暗い努力の腕
アデューって挨拶を
輝く笑顔で友のためにする
好きなだけ
好きだから。


一番最初のまだ青い石榴の実は
眠るための大人の詩に
し ....
りんごを
横にスライスしていくと
星の形が現れた
こんなところに
ひっそりと
神様がいたことを
初めて知った
冬の日

湯気みたいな嬉しさを
胸であたためて
いっとき
死を忘れ ....
いとしいといわない
愛しさ
さみしいといわない
寂しさ

祖母と行く畦道
ふゆたんぽぽを摘みながら

手は
手とつながれる

枯れ野には
命の気配がして

墓所には
命だ ....
砂嵐
まさかの街に吹き荒れる
そうかこの名を砂漠も嫌うか


マフラーの
手編みにこだわるわけではない
言葉にできれば、それで良いのに


どんぐりも
黄昏の森哀しみも
 ....
晴れた港の
防波堤を歩いた

コンクリートのひび割れから
小さな花は灯る
テトラポットは
夜ごと
組み替えられている
それらが
いつか砂粒になるまで
続いていくとしても
さかなの ....
atsuchan69さんのおすすめリスト(8387)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
違語- すいせい自由詩420-9-27
にくじう- 田中修子自由詩9*20-9-5
桜姫- 田中修子自由詩6*20-8-13
花言葉ダイアリー- そらの珊 ...自由詩15*20-6-15
グッバイ、バニラ- 唐草フウ自由詩9*20-5-25
はしりがきの春- 田中修子自由詩5*20-5-13
霧の葬送- 秋葉竹自由詩819-9-18
秋はそこから- そらの珊 ...自由詩14*19-9-16
夜空がこわい蝶- 秋葉竹自由詩819-8-27
まりも- そらの珊 ...自由詩1019-8-18
砂漠のともしび- 秋葉竹自由詩1419-8-12
アンテナ\ネバーランドはどこにもない- そらの珊 ...自由詩919-7-17
あいたい笑- 秋葉竹自由詩819-6-22
過ぎて、夏- 秋葉竹自由詩1119-6-20
梅雨空に- そらの珊 ...自由詩23*19-6-8
悲しみの絵の具で描くたそがれ- 秋葉竹自由詩919-5-30
ただ世界はひまわりでできているべきである- 秋葉竹自由詩819-5-28
くだる- るるりら自由詩16*19-5-8
まにまにダイアリー②サザーランド切手- そらの珊 ...自由詩719-4-20
まにまにダイアリー①いつまでも、どこまでも- そらの珊 ...自由詩319-4-17
ありえない、くそったれの夜にも- 秋葉竹自由詩1219-3-7
答え- nonya自由詩10*19-2-21
隠された、かくされた- たりぽん ...自由詩219-2-10
朝日は夕日- ペペロ自由詩919-2-7
シグナル―ゆるし―- ペペロ自由詩1119-1-27
サヨナラは、好きだから- 秋葉竹自由詩1019-1-25
りんごの神様- そらの珊 ...自由詩13*19-1-25
小さな散歩- そらの珊 ...自由詩2019-1-18
毒愛- 秋葉竹短歌1019-1-8
冬のパズル- そらの珊 ...自由詩17*19-1-7

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