ねえ、知ってる?
氷河期はまだ終わっていないって

たとえば
冷凍庫の扉を
誰かが開けて
昼飯は冷凍パスタかそれともピザか
焼きおにぎりも捨てがたい
うーん、どうしようと
うっかり長 ....
等間隔で並んだハードル
一定のリズムで走り抜けながら
傍から見れば軽々と
それを飛び越えていく
到底私には太刀打ちできないと思わせる
人生が凝縮されたような
すばらしく難しい競技
もちろ ....
漠然とした不安に
暑苦しいくらい重ね着させて
頼りない平気に
大袈裟な添え木をして
大丈夫という
お題目を唱えながら
見て見ぬふりの
巡礼の列は果てしなく続く

弓なりに反りかえ ....
いいえおじさん心の
じゃなく
心は闇なんですおばさん
そこに光は射すでしょう
頭蓋骨の中
風さえ入って来るでしょう
明るい気分が領します
色彩がこぼれ温度がながれ
音声がはずみ意味がお ....
胸に巣食った小さな影が
あなたの時を刻み続ける
砂時計のオリフィスを
いつの間にか歪めていたのかもしれないと
あなた自身が気づいてから
あなたはきっと違う風景を見ている

そう、残酷な告 ....
水溶性キネマ


記憶の階段を一段一段昇るたびに
潮のように満ちてくる

おじぃちゃんの机のうえには
馬の毛
たぬきの毛
頬にやわらかいリスの毛
お米にも描けそな ....
何かが見えたような気になる



空は空の色
水は水の色
あの花はあの花の色
その人はその人の色

青と透明と赤と頑固者
決めてしまえば
安心だし便利だ

でもそうは思 ....
ひとつだけ私の肩に舞い降りて小鳥になるよ今日は雨降り

  こんなにたくさんの雨粒があるのなら
  ひとつくらい雨粒になってしまう魔法に
  かかっている小鳥がいるのかもしれないと
  思 ....
 あのひとを
 
想うことは

 あのひとの

闇を おもうこと
夜更けのキッチンの窓辺に置いてあるクロッカスの白いふさふさな根っこが揺れた

ボイルしていたエビが跳ねた

ハードボイルドな銃声に

星もわたしもたじろがない

それはフィクシ ....
「皆殺し」

眠れないので改造しておりました
極彩色のペンチで
灰色をたくさんつくったのです
死んでいるみたいな街が
ついに
本当に死ぬ
夜の反対側で
針金みたいな警察官が
ド ....
凍てついた夜道で
640年前のベテルギウスの光を見上げながら
今日は星が綺麗だね
って僕のポケットに手を突っ込んでくる

見えないサソリから
ただ逃げ回ってばかりいるとても臆病な僕を
 ....
着ぐるみの人の世に生きて熊さんは今年定年なんだという 

嫁の半ばっちゴムが弛んで履き頃とゆずってもらって二年

2032年まで予約でいっぱい死に切れません団塊のひとは

親指赤切れてギタ ....
テーブルクロスが
一瞬にして失せたけれど
食卓の上に置かれた
皿やグラスは
微動だにしなかったので
私たちは
それについて話すこともせず
もちろん
見つめ合うこともせず
そのまま
 ....
丸ごとの白菜は
野菜というよりは
赤子のような
生きている重量があって
大切な預かり物のように
抱きかかえれば
ここは冬の入り口

ひと皮むくごとに葉は
正しく小さくなる
まるで
 ....
横殴りのことば
ひ び 割れた
       音 階

吹きっさらしのあなたの庭で
  浮浪者のよう
わたしは 火を焚いて 鍋をかけ
  煮ても焼いても喰えやしない
     虹色の肝 ....
わたしはわたしの詩の中から
書いているわたしを見つめていた
ある日それは贅肉を削ぎ落とす行為
やがて臓器を切り売りして
かつて愛したものの首を絞め
部屋中に灯油を撒いた
見限ることにしたの ....
ものごころがついた頃から
僕はどこまでも透明に近い
風船だった

鳩時計式の心臓から伸びる
静脈と動脈が一番こんがらがったあたりに
震えながら潜んでいる僕自身を
誰もがたやすく見つけ ....
  朝礼


フロアの中心に固めた事務机の島を囲むようにして立ち
輪番制の司会者のもとに
一人ひとり何事かを発声することが期待されていた
しかし外線が鳴ると朝礼も一時中断して
近くのだれ ....
黄と橙色は
とてもよく似ていて
それはおそらく
同じ季節を生きているからだ、と
ふと思う
遠い山並みを眺めれば
それは混色されて
日び
上書きされていく
油絵のようだ
厚塗りされた ....
久しぶりに息継ぎしたら
歯磨き粉みたいな
ノスタルジイが
喉に染み渡った

垣間見た空は遠すぎて
その場限りの
センチメンタルなんて
届きそうになかった

きっぱりと反転して
 ....
うるむゆきのはざま
ぬれ落ち葉にそっと載せた瞳の過食
遠く翳る今を汲む オト ノ
のたうつ沈黙
噛み締められた貧困が小走りで吹き渡る
さざなみのような オト ヘ
欹てては刎ねられたこの両耳 ....
焼焦げた詩に辺りが拒まれる朝

幾つもの数字を突き立てられ
中東事情から抜粋された
金の卵を産むカラクリを
羽の生えた大らかさで
目ざとく 錯覚する

机上の空論も
過剰な言論も
 ....
NUE(鵺)


猿の
  小賢しさと
狸の
  強かさと
虎の
  素早さと
蛇の
  執念深さが
艮の
  夜空で出逢う時
人の
  内の矛盾は
闇の
  中に ....
僕の感性はあなたを非常に魅力的に感じ、欲していますが、
僕の理性は沢山の証拠を持ち出して、遠ざけようとします。

深く関わり合った事を消す事はできませんが、
思いと現実が違うように、そう、それ ....
僕において、「主体」「他者」とはなんだろうと考えることがある
他者を成り立たせているものの前提には主体があり、他者により到来するもの
としての主体がある
でも、この主体は何によって獲得した ....
コストを如何に抑えて、良いものをつくる、その成果が商品として、私たちの前に並べられます。その商品としての特質として、人命尊重は、何番目なのでしょうか。それというのは、私たちは、人命尊重第一主義の社会に .... 【あたらしい一日】

ところで
どこともなく金木犀の香りがして
新しい季節の梢で すずむしが
昨日より すこしスローな音色の 今日を謳う

ところてんしきに
としごろてきに ....
新米を握る母の手は
燃え始めたかえでのように色づき
かぐわしい湯気を蹴散らしながら
踊ってみせる
熱いうちに握らないと
美味しくないのよと
まつわりつく子に言いながら

端をほんのわず ....
強烈な風雨を受けて
折れてしまった月下美人の葉を
何気なく水に差しておいたら

根が出た

その後も根は伸び続け
葉のくぼみに蕾をふたつつけた

さすがに花を咲かせることはなく
 ....
atsuchan69さんのおすすめリスト(7816)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
冷凍金魚はいつか解凍される日を待っている- そらの珊 ...自由詩16*14-12-26
十二月の疼痛- そらの珊 ...自由詩15*14-12-24
三日月の国- nonya自由詩16*14-12-23
アノミーちゃん- salco自由詩1114-12-19
隣に住む人- 夏美かを ...自由詩28*14-12-18
水溶性キネマ- るるりら自由詩15*14-12-12
SISAKU- nonya自由詩19*14-12-11
あなたは誰ですか- そらの珊 ...短歌15*14-12-11
純愛- Wasabi 自由詩214-12-10
重星のこすれる音 - 阿ト理恵自由詩8*14-12-9
いつかみんな死ぬよ/3つの下書き- 左屋百色自由詩1114-12-8
<はるか>- nonya自由詩16*14-12-6
母八十二- たま短歌1114-12-5
魔法使いになりたかった- そらの珊 ...自由詩1514-12-5
白菜白書- そらの珊 ...自由詩21*14-12-4
愛はくちびるから零れ腐る水- ただのみ ...自由詩17*14-12-3
乖離の音- ただのみ ...自由詩17*14-11-29
風船- nonya自由詩17*14-11-29
オフィスワーカーの情景(四作)- 乾 加津 ...自由詩9*14-11-28
秋のフレイム- そらの珊 ...自由詩20*14-11-28
- nonya自由詩15*14-11-22
安全地帯の変死体- ただのみ ...自由詩14*14-11-22
人肉鍋- ただのみ ...自由詩17*14-11-9
百鬼繚乱_<_4_>- nonya自由詩18*14-11-9
存在への挑戦- 狩心自由詩1*14-10-8
主体と他者__mixi日記より_2010年12月- 前田ふむ ...散文(批評 ...114-10-4
零戦の思想_mixi日記より_2008年7月- 前田ふむ ...散文(批評 ...1+*14-10-4
ぷれぜんと_三篇のオムニバス- るるりら携帯写真+ ...16*14-9-29
秋の抽斗- そらの珊 ...自由詩1814-9-28
生きるためになんか生きられない- nonya自由詩25+*14-9-27

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261