ペットボトルの口が開いて
水蒸気舞い上がればイルカが波に乗ってやってくる
街のカラスが餌を探す
幼虫は産声を上げるその時をじっと待っている
怪しくもない人々が夜を擽るのは 塵
....
二〇一六年七月一日 「ヴィーナスの腕」
コンクリート・鉄筋・ボルト・ナットなどなど
構造物の物質的な素材と
温度や重力や圧力や時間といった物理的な条件や
組み立てる技術や出来上がりの見 ....
両祖母は国後島、樺太出身である。
現在国後島は北方領土としてロシア実効支配下にあり、
樺太は正式なロシア領土である。
戦時は幼少期ということもあり、両祖母の当時の記憶は非常に断片的である。
し ....
越冬のことはなにもいえない
あれから僕の身体には青空が広がっていて
雲もない
なにもない
誰にもなにも
いいたくなくなってから
人の言葉が
まるで湖のようにきこえる
僕は両手を
....
頭の中で過去色の鐘の音が鳴る
腕の内で君が教えてくれた響き
二度と味わえない若さの季節
隣り合う心臓が熔けて震えた
置場所が無いことすら知らない
街の光を求めたさ迷う痛み
呪わなければ ....
青竹や潜るパンセの空ふ紘
僕のぽけっとの紙片には
最新のもっとも無駄な解答が記されている
人生に必要なものの殆どが木箱にしまわれて
博物館の収蔵庫の奥深くにおさめられているとしたら
菫や蓬の花のように路傍にさり ....
二〇一六年六月一日 「隣の部屋の男たち」
お隣。男同士で住んでらっしゃるのだけれど、会話がゲイじゃないのだ。なんなのだろう。二人で部屋代を折半する節約家だろうか。香港だったか、台湾では、同 ....
猫のように見上げる
空のまだらを
鳥に擬態した
ひとつの叫びが
紙のように顔もなく
虚空をかきむしる
骨の海から引き揚げた
もつれた糸のかたまりを
自分の鼓膜にしか響かない声を持つ ....
森は茫然と立っている
差し込む陽射しに年老いた裸身を晒す
来る日来る日は雑然と降り積もるもの
過ぎ去った日々だけが温かい寝床だ
森に佇む独りぼっちの木々たち
無表情に見合いながら黙り ....
マシン 短くて気が遠くなる
長雨の季節には藍藻入りのスープで夜をやり過ごす ことになる
不 ....
そこの誰でもが背びれや尾びれをもっている
幼年時さかなだっただけなのだけれどね
そこの誰でもが哀しみを抱いている
それは
すでに干物になるまで
のこるのものかもしれないんだが
....
光がすぱっと切れるのを見る、閉ざされている。咄嗟の思考を掻い潜るように鳥の影が横切っていく。
摩天楼、
さよならの仕方も忘れてしまうような僕たちの頭上、四角い世界。枠外から枝が葉を揺らしては風の証 ....
高台から遠浅の浜を眺めると波の照り返しには目が眩む。
鰯の群れを追いかけて飛沫をあげるスナメリが、
ハセイルカの一団を連れてやって来た。
小屋の喜三 ....
二〇一六年五月一日 「叛逆航路」
お昼から夕方まで、『The Wasteless Land.』の決定版の編集を大谷良太くんとしていて、そして、大谷くんと韓国料理店に行って、居酒屋に行って、 ....
二〇一六年四月一日 「愛のある生」
愛のある生
それが、ぼくのテーマだ。
「生」とは
いのちの輝きのことだ。
しかし、嘘は、すばらしい。
人生を生き生きとしたもの ....
夫が「コロナ感染者濃厚接触者」になって帰宅した
お相手とお互いマスクはしていたけれど
数時間対面で事情を聞いていたので
後からわかったのだけれど
「コロナ感染者」との濃厚接触者と認定された ....
我が息子スカンダよ
今によみがえるオリンピアの地を
駆けるがよい
かつてかの地では
聖なる競技会が行われていた
すべての競技は神々を讃えるため
そして神々に捧げるため
人々はそのために走 ....
白夜はいつも寝不足になる。
夜になっても沈まない太陽のせいだ。こんなあたしでも人類の、はしくれ。太陽の光に含まれる活動エネルギーが、自律神経を乱れさせてしまうのだろう。
「おはよう、リン ....
水しぶきをやり過ごせよ
虹の架け橋
背負わない傷跡を見せたくないから下着も脱がないわ
お尻の大きい外国人のお姉さん
牛さん牛さん、ダッシュダッシュ! ああ腕が回らないお年寄りな実態把 ....
二〇一六年三月一日 「ブロッコリー」
いま、阪急西院駅の前のビルに自転車をとめたら
めっちゃタイプの男の子が近づいてきて
わ~
さいきん、ぼく、めっちゃ、もてるわ~
ってなこと ....
もしもあなたが詩人になるというのなら
その時点で未来はすべて捨てなさい
あわよくば名を上げて、などと
考えるのならはじめからやめておきなさい
もしもあなたが詩人になるというのな ....
春の約束
永遠に叶わない約束
散るときを知って
失墜しながらそれでも
対の自分をさがす
さがし逢えたら手を繋ぐよ
ひとのまばたきより短い時間を使って
もしも一対になれたら
空へはば ....
二〇一六年二月一日 「アルファベットの形しかないんかいな、笑。」
何日かまえに、FBフレンドの映像を見て、いつも画像で、ストップ画像だから、ああ、素朴な感じでいいなあと思っていたら、映像で ....
二〇一六年一月一日 「20世紀アメリカ短篇選」
『20世紀アメリカ短篇選』は、むかし上下巻読んだんだった。でも、ひとつも憶えていない。きのう、スピンラッドの短篇集だと思っていた『星々からの歌 ....
十四歳のある日
ぼくは
あらゆるものが
きっとこのままなのだ、ということに
気がついた
ひとは、ある種の
限られたコミュニテイは
このまま
もう
どこにも
行くことはないの ....
風のにおいがする、花の音がする。逃げてゆく春の背だ。
だれかをこころの底から愛したことがあったかどうか、ふと、八重桜のうすひとひらに触れそうにして胸苦しくなるんです。あなたもです、私もです、お互 ....
二〇一五年十三月一日 「芸術は自己表現はない」
自己の表現と、自己表現は違う。2015年9月29日のメモ「いまだに芸術を自己表現だと思っている連中がいる。きょう、職場で哲学の先生たちがお話 ....
朝、皆さんと交わす
おはようございますが
大好きでした
だから最後に
おはようございます
そして
さようなら
誰かの風に乗り 誰かの声をきく
そうしたくないもの そうなりたくはないもの
覚えているかい
小学校の夏休み みんなで寝泊まりした教室の匂い 擦り切れた廊下の窓ガラスの向こう
お ....
atsuchan69さんのおすすめリスト
(8396)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
かけひき
-
アラガイ ...
自由詩
14*
21-6-3
詩の日めくり_二〇一六年七月一日─三十一日
-
田中宏輔
自由詩
13*
21-5-31
ロスケ
-
TwoRivers
散文(批評 ...
8*
21-5-30
越冬
-
コーリャ
自由詩
12+
21-5-30
佇み
-
静
自由詩
2
21-5-26
_青竹や潜(くぐ)るパンセの空ふ紘(いと)
-
アラガイ ...
俳句
8*
21-5-25
ゆっくりと解凍する日々のうた
-
梅昆布茶
自由詩
13
21-5-25
詩の日めくり_二〇一六年六月一日─三十一日
-
田中宏輔
自由詩
13*
21-5-24
安息日に詩を書くことは許されるか
-
ただのみ ...
自由詩
10*
21-5-22
不可逆の森
-
宣井龍人
自由詩
10*
21-5-19
勤労感謝Love208
-
アラガイ ...
自由詩
5*
21-5-19
えくぼ
-
梅昆布茶
自由詩
16
21-5-18
美しい世界
-
鳴神夭花
自由詩
3
21-5-17
底のない浜から
-
アラガイ ...
自由詩
12*
21-5-17
詩の日めくり_二〇一六年五月一日─三十一日
-
田中宏輔
自由詩
13*
21-5-17
詩の日めくり_二〇一六年四月一日─三十一日
-
田中宏輔
自由詩
14*
21-5-10
「コロナ感染者濃厚接触者」ですって
-
鵜飼千代 ...
自由詩
20*
21-5-10
オリンピア
-
紀ノ川つ ...
自由詩
1
21-4-27
明日、世界が終わる
-
そらの珊 ...
散文(批評 ...
4
21-4-27
下げちゃいなさいよ
-
アラガイ ...
自由詩
8*
21-4-27
詩の日めくり_二〇一六年三月一日─三十一日
-
田中宏輔
自由詩
14*
21-4-24
もしもあなたが詩人になるというのなら
-
ホロウ・ ...
自由詩
11*
21-4-19
対の羽
-
そらの珊 ...
自由詩
15*
21-4-17
詩の日めくり_二〇一六年二月一日─三十一日
-
田中宏輔
自由詩
13*
21-4-17
詩の日めくり_二〇一六年一月一日─三十一日
-
田中宏輔
自由詩
14*
21-4-10
十四歳で死んでいったやつらに
-
ホロウ・ ...
自由詩
16*
21-4-6
春提灯と咳緋鯉
-
田中修子
自由詩
11*
21-4-4
詩の日めくり_二〇一五年十三月一日─三十一日
-
田中宏輔
自由詩
15*
21-4-3
退職
-
たもつ
自由詩
6*
21-3-31
夜ネ_風に
-
アラガイ ...
自由詩
14*
21-3-30
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