黄昏色の空の果て
ひとりっきりの帰り道
誰を待っていたのだろう
誰を探していたのだろう
電信柱の長い影
淋しいようと風の吹く

黄昏色の空の果て
家路をいそぐ鳥の群れ
どこへ行くとい ....
「明日また暑くなるんだって」
そう聞いて
軽くため息

あれ
名残惜しかったはずなのに

夏の夜風を懐かしみ
秋の彩を待っている

身勝手で欲張りな私に
渡してく ....
憎しみはとうに消えた…


生まれたときからずっと一緒だった
風は今も冷気をたたえ、凍えそうにして
私は待つ あなたを待っている

かつて野を覆った炎の残骸
黒く、さらに黒く焼け焦げた ....
いつものことだ
水色が果てしないどこまでもいくひろがり
それを俺たちは空と呼びます
焦燥感に腹を蹴られ
挫折に身を切られながら両腕をのばし
手のひらをひらく
真実はいつだって指 ....
わたしはね 
あなたの見方なんて 決めたじゃない?

わたしはね
あなたを信じるって 決めたじゃない?

あなたは 
色んな場所から言葉を見つけ出し
色んな色や模様を付けて ....
秋を潤わす金色の木立は
この時季、配色に惑うのです

茜色に染まった夕陽は
黄熟した稲穂を金色に光らせ
時を刻む砂時計に全てを託した

ざわめきと胸の鼓動は止まらない

 ....
君へ手紙を書く

タマムシから君へ
君は人で、わたしは虫だから
君にとってわたしは虫以上でも以下でもない
けれどわたしのからだは虫とは思えないほどきれいだって
君は知ってしまったから、わた ....
{引用=玉子の親じゃ、ぴよこちゃんじゃ、ぴっぴっぴよこちゃんじゃ、アヒルじゃぐぁーぐぁー。}


(一)

「兄ちゃん、コイツをくんねぇ」

カーバイトランプに照らされた
みか ....
たまゆらぐ
あきのひとみで
草のなかにかくれた
君をきいている

何かにすがりつきたいふうな君は
細い、ほそい線になって
なまみの月を仰ぎ
永いときを抱え
ふるえる

{引用=
 ....
純粋ではない動機
から始まって
純粋な気持ちが
後からやっと追いついた
そんな愛のカタチは
すでに複雑に捩じれ
その崩壊を
待つだけになっていて

暗闇に少しずつ
オレンジを敷き詰 ....
渚のざわめきは
ナトリウム灯のオレンジに溶けて消え
九月の海が
わたしの名を呼んだ

絹を広げたように
滑らかな水面が
夜の底へと続くしろい道を見せる

爪先からそっと水を侵すと
 ....
窓辺の四角い夜に うなだれた手をかざすと
しずかに風は 
終わりの夏を打ちつけてくる

部屋中を駆け巡る息づかいは
いつもそこに置き忘れてあるから
死をつつましく夢の先に灯して
ただ耳を ....
紙に書く言葉を選び
心の住む所を明かす
季節の中 暦に書ききれない
熱と冷気がある

何度も歩いた生家前の道
しだいにその回数が追いつく
婚家前の道

道すがら挨拶をかわした人々
 ....
砂に埋もれ
沈みそうに生きて
手の届く範囲の幸せを
ただただ全うする
あたりまえに生きることが

どうして
美しくないと
思っていたのだろう

  みんなの中に居るか
  「だれ ....
粗雑な人生の

粗雑な吹き溜まり

サヨナラ出来ない

このサヨナラ


茫々とした

ひかりと雲が

茫々とした

前途をてらす


粗雑な人生の

粗雑な吹 ....
なぜ傘など持っているのですか
こんなにも晴れた日に
あなたのことは分かっているつもりです
被害者だと思えばなんでもできます
私はあなたに何もしていないつもりですが
お前らの中に含ま ....
夜道に光る自動販売機の横に 
「TRASH」と黒字で書かれた白いゴミ箱が 
暗闇の丸い口を開けていた  

空っぽのペットボトルは棄ててもいいが 
棄ててはいけないものもある 

旅人の ....
湯船に浸かり
うつらうつらしていたら
突然誰かが部屋に入ってきた気配を感じ
バスタオル胸元に巻いて飛び出すと

消したはずのルームライトに薫る
わたしの大好きな秋桜のアレンジメントに
添 ....
夏の余した最後の赤で
サルビアが燃える

風が湿気を掃い
柿の実がひっそりと
みどりの果実を隠していても
項を焦がす陽射しや
散水栓の向こうに出来る虹
そういう夏の名残りに守られて ....
しめった風が頬をなでるのをやめ、
埃のような雲霧が二人の呼吸を失わせていく
白くかすんだ記憶の中で
街灯だけは飴玉のように赤く潤んでいたが
  
  私はそこにいるはずなのか
  そうでな ....
そんなこともあったっけ…
あれは息子と歩んだ道
四谷大塚の教本や模試の受験票が
ジグゾーパズルのように
断片となってパラパラこぼれていく


うまくつながらないのは
終わってしまったも ....
地球を飼いたい
掌に乗るくらいの
小さな小さな地球があったら
わたしはそれを飼って
今度こそ
大事に大事に育てたい
毎日、綺麗な水をあげて
毎日、空気の綺麗なところで散歩をさせて
熱が ....
片手で空中にまるをつくる
親指をくちびるにもってゆき
その場の空気を吸い込む
恐怖も限界も肺にためつつ
決して傾かず真っすぐに息を吐き出す
履き心地の悪い靴なんて捨てちまいな  ....
疲れ果てて
色褪せた
繁華街の朝を通り抜け

ガラガラの電車の
ドアのすぐ側の席に座り
手すりに頭を預けたまま
揺られる

 満員電車とすれ違うたび
 何かが足りないような
 そ ....
いまは
ちっぽけな木の枝も
十年、二十年の歳月をゆけば
おおきく生長を
とげる

その、
生長をとげた木の枝のもと
だれもが心地よく
風に吹かれるような
あかるい午後が
 ....
私は大変な気分屋だが
きみの前では落ち着き払いたい
顔が保護色ならば完璧なのに

私は大変な詭弁屋だが
きみとの討論を望まない上に
出会った人の数だけ私がいるため
本当の私とは身 ....
友達と二人で
山でキャンプをした
山といっても中腹まで車で登って
キャンプ場にテントを張っただけ

晩飯はカレー
キャンプといえばカレーで
これを食べるためにキャンプするようなもの
か ....
深夜
帰宅。

部屋に入ると

机の上に
白い封筒

手に取ろうとすれば

それは
カーテンの隙間から
こぼれた いたずら

月光の封筒

苦笑しながら
ベットに瞳を ....
お前を水族館に連れてってやる
そしてお前の性根を叩き直してやる
水槽をよく見ろ くまなく見ろ
いろんな魚がいるぞ 種々雑多な魚が同居してるぞ
でもどの魚も悠々と泳いでるぞ
お前はどうだ? お ....
「 よいしょぉ・・・! 」 

どしゃぶりの雨の中 
三人の男は 
橋の欄干にぶら下がり 
川へ落ちそうな独りの女を 
心を一つに、引き上げた。 

(ソノ時彼ハ、ジーンズノ腰縁ヲグィ ....
atsuchan69さんのおすすめリスト(10797)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
黄昏色の空の果て- 未有花自由詩27*08-9-16
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サンドペーパー- モリマサ ...自由詩29*08-9-14
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水族館の教え- 新守山ダ ...自由詩408-9-2
いのちの綱_- 服部 剛自由詩908-9-1

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