公園のベンチに腰掛けて
柔らかな緑の叢の中で笑う人々

胸が締め付けられて
頭の先からズンと錘が落ちる
軽やかに舞うような話し声も微笑も
幸せを纏っている

男も女も子どもも赤ん坊も
 ....
ギターの歪みと伸びる歌声に
今ならパッと散ってしまってもいいと思えた
ベースとドラムが腹の底を突いてくる
鼓動と重ねて飛び跳ねる
狂おしさで吐息が漏れた
一緒に歌って胸の内を曝け出し
切な ....
足許の明かりを響かせたなら
独りの私が新たな家に還るだろうか

あゝこの天空を仰ぎ見ればただただ青 、
貴女たちの住処は真ん中に
まぁるく黄金に輝き燃え盛り
地上の生も死もあまねく照らし出 ....
シンギュラリティ前夜に、、、

あ、マイナの進んだ現代社会では遺伝子も相続も第三者の前に曝け出されて兄弟は他人の始まりのさらに先に進んでしまって親子も他人 か

*

確かに、現代社会では ....
 付き合いはじめて間もないころに 
可愛い女の子を家に連れてきたら
           (あのお嬢さんはやめときなさい)って言われたよ
よけいなお世話だよね。

ロシア人のお嬢が働くお ....
どんな卑劣なストーカーや犯罪者でもお茶お華、書道
俳諧、舞踏、絵画をやるように、どんなならず者でも
詩を書くことができる。なぜならお茶お華、書道俳諧
舞踏と同じく詩は表現でしかないからだ。

 ....
 腰を落とすと左右に揺れる

 落ち着かせようと左足

 立ち直ろうと右足に

 バランス取ろうと

 慌てふためく自分の体

 思い通りにはならない

 あなたの心

 ....
きみ、
夏でも秋でもスノーマン、
おさげ頭のスノーマン、
白いましゅまろみたいなほっぺたを、
ふたつの手のひらでおさえながら、
首をすこぉーしだけ斜めに傾げて、
笑うと、目が細くなる、
 ....
{引用=さりゆく夢のなかに
           きっと待っていたはずの

   いなくなってしまった景色に、

 あの朝、       
      見透かされたような。 束の間の 揺れ ....
外界で異性の手を握った時
前頭葉の司令塔が崩壊した
要員たちは酒を飲んでいたから
司令塔の修復に向かったが
足取りは怪しく手元も覚束ない
司令塔は瓦礫と化したままだ
外界で唇が唇を塞いだ
 ....
わたし実はあのフィギュアを作る会社海洋堂さんの
下請けで働いていたことがあって まあそうだったん
ですかグリコのおまけとかチョコエッグ作ってたんで
すよ素晴らしいお仕事ですね ほんとにあのう  ....
ふしあなから
花と人の裏腹を
垣間見る

ふしあなから
空と嘘の寸劇を
盗み見る

ふしあなだから
肝心なものは
何も見えない

ふしあななんだから
見えていると言う
 ....
昔もらった
ポケットティッシュが
引き出しから出て来た

あの頃はしあわせだったけど
今はそうでもない
ふと思ってスマホで
「しあわせ」を検索してみる

奈良時代は
為の文字の「為 ....
いやな詩人が出る季節になってきましたね、プシューッとひと噴き!
これで、あなたのいやな詩人を完全撃退できます。

この詩人は
ほかの詩人とはほとんど付き合いがなかったので
ほかの詩人ほど ....
 
 鈍色の民家の瓦と重なって見えた
 黒味帯びる朱をのこすだけの
 散り落ちぬ大輪のバラ

 秋立つ日
 貴女はうつむいて想いに耽り
 天蓋の星たちが数回瞬く間の短い夜を
 すごして ....
その場所は
晩秋でかなり寒かったのだが
蚊がブンブンと勢い良く飛び回り
木槿が満開で
{ルビ秋桜=コスモス}も乱れ咲いていた

ロストワールドに紛れ込んだみたい

その不思議な空間で流 ....
夢にずっと浸っていたかって
眠ると夢に行けるから眠りたい

運が良ければ前来た光景へもう一度行ける
そう願って、
日中ずっと
また、早く行きたいと
思っていて
目の前の事なんてどうでも ....
冷蔵庫のフリーザーのところにある
あの白いプラスチックでできた
板チョコレートをくり抜いたような形をした容器に
お茶を入れて凍らせて
それをふつうの氷のようにコップに入れて
そこに冷たい ....
ことばは不思議だ
受け止められかたによって
深く傷ついたり
深く響いたりする

ことばは不思議だ
人によって
鋭いナイフともなり
時にはこころの拠り所にもなる

滔々と流れる川の水 ....
磨かれた廊下に深海魚たちがゆらり
ゆらゆらとゆっくり泳ぐ
深い眠りに就いているのか
夢をみているのかわからない
天気予報では明日は雷雨
深海魚には予報も関係なくて
廊下をゆらゆらと泳いでる ....
台所の窓のところに
蜘蛛の巣がかかっていた。
蝉の死骸がぶら下がっている
何日か観察してたら
蝉が半分くらいになって、
ポトリと下に落ちていた。
あくる日、それもなくなっていた
たぶんネ ....
きみの言葉が僕のひかり
きみの声音が僕の音楽
きみの眼差しが僕にほほえみを与える

きみの愛しさが 僕の詩になる
小さな引き出しがたくさんあり
ひとつひとつ開けてみると
よく知ってるものが入っている
探しているものはそのどれでもない
どこへしまったのだっけ
そもそもしまったのかどうかも怪しい
引き出し ....
なんせすべてが朽ちてしまうのに、(――手をあげて。)柔らかいまばたきが 非情な拍手を熾していた。とぷんとくれた凪に、過ぎた谷間の火蓋も日当たりは欲、痩せた風もなく、あらゆる臭い そして、揃えた色もなく .... 白銀の輝き無数
漆黒から浮き立ち
魂のそれぞれの
深い懊悩を携え
不規則に円周辿り巡り
打ち叩きながら息し生き

この夜を前に佇む静かさに

意識視界の深き処に
自らの在るを創造ス ....
ゆりかごは揺れて、
赤ん坊は空に行ったんだよ。
ゆりかごは揺れて、
母親は涙を流した。
父親は、出稼ぎで都会へと出向いていた。
ゆりかごは揺れて、
亡き子はいずこに?
そして今、あの世で ....
腹水が溜まって
入退院を繰り返してためぐちゃん
北方派五分楽団の
解散さよならコンサートにも
参加できなかったから
五日前に会いに行って
初めてご両親とも会えたのに

今朝早く亡くなり ....
あたしんちの横断歩道では
いつも
ナオミが
間違った文法で
ごろごろ寝っころがっています。
まわりでは
あたしたちのことを
レズだとか
イモだとか
好き言ってます。  ....
この街の住人は
みな個性の固まりを持っていて
手のひらをこじ開ければ
様々な結晶が握られている

世間では狂気に満ちた街だという
ただ 
それを人に見られるのが恥ずかしいのか
面倒なの ....
急激に季節が変わった
狂ったように暴食した
食べ過ぎ警報発令
ゲップ ゲップ
胃酸が大量に滲出
食道を遡上しようとする
油断できない
ゲップ ゲップ
喉元に上がってきたものを
慌てて ....
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