「三元素」
月乃助



悲しむことなどいつでもできるのです 

とどかない想いは、手にあまるほどなのに
あきらめない
今という日をすごす 今日

           透明な引き潮は、
小さな入り江の水底みなそこ
うちよせては、光のしじまを
らくがきよろしく 描きます

           賢人の教えを
枝のワライカワセミがさとすにまかせ、
愛情エロスは、三元素からなるのだと
 ■欲望■混沌■暴力 
あふれだす水の流れの乱れが、おさまらない
それがうまく混交しながら
人は想いをかけ、生きているのです

どれがなくても、存在価値をうしなってしまい
それがゆえに、一つは他の二つを常に必要としている
月が潮の満ち干を作り出すように  ―○―
知らぬ間 どこからともなく
遠くにありながらも、まったく異質のそれが、
力をふるって いざないます
なにかへ向けていつも、どこまでも、

波にのまれようとも
体だけは、それに従う

              地球がぽってりとはらもうと、
静まった水の動きからは、到底その力をしることもないのに
砂浜に描かれた波形に、確かに潮は落ちつきを失っているのです
永久運動の 波がうちよせる【 》》》》》》》》》 】

            心を奪われながら、
おさまらない欲望ばかりが今日はどうしても
大きくなるばかりで、
恍惚の奔流へ導かれる混沌にナルマエニ ハヤク カエラナケレバ

そんな日にしたくはないのですから、
その後にやってくる 鎮静する時までは
どうやらかなりな時間が掛かるようで
それは、きっと



想いの 透明な水の深さかも ∵…・・▼


…・しれません







自由詩 「三元素」 Copyright 月乃助 2009-11-18 16:07:01
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