奏で、見えず。
てんがねこ


ゆるり、騙るのは手垢のついた
殴り書きの思い出で
なにかをしながら
ふわふわと
溶けていくのを
見守っています。

到底感じられないなんて
遠い日の花の香り。
間違ったまま
過ぎ去っていくのは
きっともう二度はないからでしょう。

口にするもの全てが
痛みを伴っているような、
ぐるぐると廻る真夜中、
蛍光灯を割ってしまって。

ひとつひとつ数えていたら
そのまま固まった。

これでいいのか、
何でなのか、
そんなことすら解らないなんて
どうして?

嫌いなままでいたいんだよ、
親知らずが軋む時みたいに。
じゃあ、終わろうぜ。

晴れた街、白い月。


自由詩 奏で、見えず。 Copyright てんがねこ 2014-07-12 23:51:10
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