パンツが脱げない

言葉からパンツが脱げない

たった一枚なのに



 
たとえばラテン語だったなら
誰にでもなく君たちだけに
伝わるだろうか
さよなら、と
ひと言のこしたいひとの数は
片方の手で足りる
それはさびしいことではないと思う
「妻の庭」

温かい光が
いっぱい,紅、桃、イエロウ
さーつと、蝶々が
訪れて、あいさつして
去った
風が吹いて
五月、青い空
お花は
沢山、沢山
今日は幸せです。
 
ほんとなんてものがないなら

うそをついて

うそがほんとになるまで



 
「私」として生きてて背負うかなしさをたとえる形容詞がみつからない


生きることに疲れて橋に向かいつつ靴は脱げないことは知ってた


春の暮れもしくは初夏への道すがら黒い縁取り一通拾う
 ....
ふと想う
一生懸命な趣味とは
道楽などと云う
ものではないのだけれども
きっと最初は
お金を使ってしまうだろう

どんなジャンルでも
ワールドカップのような
競技があるように
世界 ....
 
赤い糸

ほっとくとだんだん透きとおって見えんようになります

そやからときどき紅を差します



 
ロウソクの数は去年と同じ数また新しい春が来ました 拝啓、冷蔵庫様

長い間ご苦労さま
十六年間、寝食を共にした
おまえが逝ってしまい
わたしはとても寂しいよ

突然のお別れだった
何だか、冷えが悪いと思っていたら
冷凍食品が自然解凍 ....
{ルビ処女=おとめ}はその森に入ってはならない
森に入ればきっと出会ってしまうだろう

そして血よりも紅いその薔薇を手折ってはいけない
薔薇を手折ればきっと恋に落ちてしまうだろう

それは ....
君は一杯着飾っていたね
着けるだけ飾るだけ幸せになれると

友達も言っていた

君には複雑な鮮やかな柄が似合う
肌着はもっと暖かい真っ赤が良いよ
もっともっと着飾った方が

君はいつ ....
まだ若い老人であったころ
同僚と紅葉の山麓へドライブ旅行にでかけた
秋空のもと 静かな集落を抜けるとき
前方遙かに 背をかがめた人が横切るのを見た
同僚はスピードをやや落として言う
「老人は ....
ドライアイスの冷たさが

置いた手の感覚を奪ってゆく。

触れていれば・暖めていれば

父は目を覚ますと考えた。

指先の感覚が無くなった手を離してタオルで包み

霜で覆われた父の ....
 
あなたは、今もあなたで

わたしは、今もわたしで

それでいいんだけどね、でもなんだか、なんだかね


 
モザイクのかかる鼻だ オレの歌がカラス避けCDにされている 日々のおおまかな動線や微細な素描に
こころの絵の具の淡彩で色をちらしてほっとする

ビュッフェのようなリトグラフの陰翳の鋭い世界も良いが
ちょっと太陽のぬくもりをもらったような
なにげない淡 ....
 
花見の客もいなくなった公園に

八重桜が ぽつり

月夜に ぽつり



 
八重よ、八重、
お前はどこからやってきた?
海の向こうの和の国の
家族がお前も恋しいか?

八重よ、八重、
お前はいつからそこにいる?
出逢った時からお互いに
白髪も相当溜めてきた
 ....
ビルが朝陽にかじられて
吐き出された陽光は窓をすり抜け
昨夜の恥部を暴き出す

人々は慌ててカーテンを閉じ
ベッドを隠し
朝を始める

わたしと来たら
病室のカーテンを開け放ち
 ....
ときどき、神さまについて
考えてみることがある
私は無宗教だが
神さまを侮ったりはしない

イメージは漠然として
先祖の霊だったり
大自然の力だったり
稲荷大社の狐だったり

見え ....
ダンサー

ダンスィング・パートナーと
しての男性
女子が安心して
身をゆだねる
ダンサー

この人なら
大丈夫、安定してるは
そんな思いで
抱かれて踊る
そんなテレビの一場 ....
金属探知機が首を傾げている ビュツフェ


ビュッフェの絵
左右に見て
4月の長閑な日

テレビに映る
婦人いとよし
庭の植物いきいきと

今日も明日も
ビュッフェと
テレビの婦人

床に散る
花 ....
心と身体が離れている
その隙間に不安が滑り込む

いちいち手足に呼びかけないと
動作しない人間型ロボットみたいで

いろんなものを詰め込んだ
底の抜けた南京袋

唇から直腸まで
排 ....
真新しいパンプスを
履きながら歩く
晴れわたる春の路地裏
靴づれはひりひりとして
ドラッグストアに立ち寄る
店員へ傷跡に貼る
ばんそうこうを下さいと云う

    *

少し無愛想 ....
梅俺杏桃桜の順で君から遠い 風のあどけないそこは
ほんとうにすぐ、そこで
わたしは目を細めて手を振るしかし
わたしを 過ぎても わたしを
透かすように 行ってしまった一群の

残像を抱きしめて やがて
いつものよう ....
差し出されたその檸檬を皮ごと齧ると
予想していた強烈な……味はなく
心底ほっとして わたしは
手招きにも素直に従いそちらをみた
、夢と 悟り なみだは 途方に 暮れて

西側の窓から合図の ....
 
月夜かな

宴の後の

八重桜



 
乱太郎さんのおすすめリスト(8217)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
書けない- 殿上 童自由詩23*15-5-25
北西風- もっぷ自由詩8*15-5-22
「妻の庭」- 生田 稔自由詩915-5-21
うそ- 殿上 童自由詩16*15-5-18
「すみれいろそら、あかねいろそら」_2015.05.16_( ...- もっぷ短歌315-5-16
一生懸命な趣味- りゅうの ...自由詩9*15-5-14
- 殿上 童自由詩21*15-5-11
ロウソクの数は去年と同じ数また新しい春が来ました- 北大路京 ...短歌315-5-7
【_拝啓、冷蔵庫様_】- 泡沫恋歌自由詩20+*15-5-7
妖精の森- 未有花自由詩11*15-5-7
幸せは物足りない- 宣井龍人自由詩16*15-5-6
年を取る取るとはこういうことかー振り返るー- イナエ自由詩11*15-5-5
枯れ枝。- 梓ゆい自由詩515-5-4
なんだか- 殿上 童自由詩11*15-5-4
モザイクのかかる鼻だ- 北大路京 ...自由詩415-4-30
オレの歌がカラス避けCDにされている- 北大路京 ...自由詩915-4-30
迷子のうた- 梅昆布茶自由詩15*15-4-29
八重桜- 殿上 童自由詩14*15-4-26
八重よ、八重- 夏美かを ...自由詩24+*15-4-26
ビルが朝陽に囓られるとき- イナエ自由詩17*15-4-25
【_ときどき、神さま_】- 泡沫恋歌自由詩21*15-4-24
_ダンサー- 生田 稔自由詩215-4-24
金属探知機が首を傾げている- 北大路京 ...自由詩1015-4-23
ビュッフェ- 生田 稔自由詩315-4-22
地図- 梅昆布茶自由詩1215-4-22
傷跡は春に包まれて- りゅうの ...自由詩9*15-4-22
梅俺杏桃桜の順で君から遠い- 北大路京 ...自由詩715-4-21
一群- もっぷ自由詩415-4-20
檸檬- もっぷ自由詩515-4-20
八重桜- 殿上 童俳句6*15-4-19

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