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水甘しご飯も甘し祝禁煙
初夏のきみの窓にはいま何が
逝く春を巻き戻したし蕾まで
死に真似の遊び似合いし部屋の春
透明な風羽ばたける春の海
吾もまた雑草として春時雨
雲の上でも降っており冬帰る
砂光る一人二月の島に立つ
ふらここや東海汽船イルカ来る
ふるさとに晴海 ....
東京湾から夢の島桜貝
春霖を今日も潜りて友のふみ
神々の手持ちは瑠璃色だけでした
冬すずめ棺の道に轢かれおり
冬の夜ペンキ塗り立て触りたし
冬日向ページは確か二十八
英国の風景画家の海の冬
十二月渡る世間のBの面
上手ねと褒められ餅を焼くこども
コロッケと名乗るぬくもり八十円
炬燵から出ないミーコを確かめる
小春日の汽笛が遠ざかってゆく
待ち合いのストーブぽぽと音立ちて
くちびるをなめて駅舎の鳳仙花
ため息の数だけ捨てる衣替え
帰る人帰らぬ人と秋の夕
首都高に沈む夕日や秋彼岸
秋風に走るさわさわ耳の奥 /微子(ほほこ)
田舎から毬栗の毬だけ届く
秋乾くハンカチーフの十一枚
敗荷や味噌をまぶせる白き飯
付き合って初めてふたりで観る花
花樒わたしは歩くまた歩く
城址からもしもし父さん三宝柑
残る花いつか歩いた河川敷
灯される頃を選んでさくらさく
愛される理由なくして山桜
夢よりも夢ら ....
春一つにっぽんの目と耳が待つ
子と母とその母と会う春の川
春の風父さん遺すバーバリー
ライラック同じ匂いの母子連れ
パリ行きのチケットリラの花薫る
い ....
父さんと二歳のわたし春落ち葉
独り居が友の名を呼ぶ春の星
君宛てに投函した日しゃぼん玉
猫と居た十七年余春の川
人生の往路復路に花林檎
前髪の一ミリ思 ....
吾が生に菫と名づけ風の歌
父さんと二歳のわたし春落ち葉
第九聴く隣の財布は鈴持ちぬ
十二月博徒走りてジャンジャカジャン
ふれえぬも
ちりん、と鳴るは 分けし絃
花影と
ラストワルツを踊る夜
楠花の
ゆかしき馨り かぜ洗い
寒くない?
手をつなぎたい口実で
紙吹雪
....
見送りの駅のホームや金魚玉
朝顔や
しおれて告げる
夕餉かな
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