凍えた体を温めてくれと願ったのは、あたいの罪
躊躇なく温めてくれたのは、あなたの罪

そんな罪を、微妙なあたいたちは愛とよんだ


 
 だれかが来たのかもしれない。わたしはイチローのあとを追いかけて、玄関のドアを開けてみたけれどだれもいなかった。イチローは玄関の前のしろい郵便ポストのうえに、すばやく飛び乗ると、ほそくて長いしっぽをま .... はざかいの風が
わたしの季節を
灯し忘れて経ってしまった
とりのこされて

きょうも
おとなりの芝は
あおく
まばゆく

中途半端な雨降りばかり
こんな夜にも
手ばかり冷える
 ....
空をあおいでも
それでも足りない日には
年輪を刻んだ自販機に
たずねればいい
コインの用意はいいかい?
きっと応えてくれるから
躊躇わずに
それ、
買いなよ
いのちが潤うよ
どんな ....
町々を飛びこえてゆく雲の上からは、今日もまばらな民家の屋根の連なりが見渡せる。かすみに透けた淡い屋根瓦の下を、身支度をはじめる人々の息づかいが流れている。その民家の屋根の上、暁の酸化光につややかにの .... 靴底を裏返してみる
均等に減っている
癖のない人が
うらやましい
愛用すればするほど
そこに紛れもない自分の足跡が刻まれる

靴底なんてどうでもいいぢぁありませぬか
それでもうらやんで ....
シュウシュウとやさしげな音がして
白い息
スチームアイロンにしわをのばされて
白いシャツ
出来立てみたいに ほんのりあたたかい

いくども
生まれ変われる
そんなことが幻想だと
わか ....
ドウダン ツツジの森は小春日和が好き
根元にからみつく風が友達

山ひとつ越えた里はすでに埋もれ

西の山にかかる雪雲
低くはぐれて ひとつ ふたつ


森の中を散策するには

 ....
今宵は 天空の星々の祭典
光年の彼方で 流星たちは 
煌く矢となり 地上に降り注ぐ

宇宙は あまりにも無限で 
人類の知己では 推し量れない
その神秘を 解き明かしたい

いつかあ ....
「吐きたかったら 吐いちゃった方がいいよ。
その方が気分が良くなるからね。
吐くと 体の中の悪いものが一緒に出るんだよ。
だから吐いた方がいいんだよ。

そう、上手に吐けたね!
偉い、偉い ....
「あずきー、ねぇ、あずきー。」
 おかあさんがわたしを呼んでいる。
 わたしはいま、絵本を描いているところだから、おかあさんの用事はなにもできないことを知っているはずなのに……。
 ぱた、ぱた、 ....
 木立からうまれた
 馬たちは渓谷の水を
 跳ねて
 氷の粒のような
 白い息を吐いていた
 
 やさしさからうぶ声を
 晩秋の空にあげた
 手のひらの沈黙を
 コートのポケ ....
葱のねっこを捨てずに水に挿しておく

数日のちにその断面からあおい芽が現われて
明日にむかって伸びていく

これは生きている{ルビ証=あかし}
多くのものは要らないという
水と
空気と ....
きみが写真のなかで笑う
だけの日日になって
きょうも散歩道には
影法師が一つ
靴音も一人分

でも炊飯器は相変わらず一回に
四合を炊いているよ
楽をしたくって

バックグラウンドノ ....
僕はだれにもあいたくはなかった
きみいがいのだれにも

僕にはうたさえなかった
でもちんもくにもたえきれずに
ことばをさがしていた

絶望なんてぜいたくななやみだった
くうきょよりはま ....
首都高に陽は沈み
滞りのなく済んだきょう
帰り道にも屈託のなく
靴を脱ぎ捨てようなんて思わずに
橋を渡ることができた

今は部屋にくつろいでいる
五畳のわたしの聖域は
しっかりと夜の帳 ....
風が色を脱いで
凪と転生したのでようやく
息をつける嵐のあとの
藍色の雨のなか

隣に誰の無く
歩く傘を持つ手がそ
っとふるえるのは
これは

弱さじゃないよ
、と聞くものも無く ....
知ってた
みたことある
ここは春
夕日の庭に
すみれが俯いている
きょうの
最後の陽光は
わかっているよ
とうなずいて
わたしの誕生花を
すべらかな
風のてのひらで
撫ぜて
 ....
寝そびれた夜は
色の濃い記憶が押し寄せる。
色の濃い記憶は私を蝕む。

暑い夏の日、緑と黒のコントラストと、
目が開けられないくらいの
つよい光に包まれた景色

『ここは世界で一番幸せ ....
今が 日付を一歩跨いだのか
時が 向かい風のようなのか

昨夜から
     今朝へ
        光が溢れ

新雪積もって白紙に戻り
一文字人文字人間が
寒い眠いと起き出して
 ....
 
あっちゃむいて、ほい! あっちゃむいて、ほい!

たまには向きおうてもええんちゃうん?

こっちゃむいて、ほい!



 
ひとつ ひとつの
哀しみと

ひとつ ひとつの
喜びを

透明の結晶にして

華のように
星のように

この躯に降り注げ

言葉にならないコトバを
小さく折り畳んで
胸の ....
人気の無い埠頭から望んだ街はただ灯ばかりが無機の光を放ち

まるで人間の営みとは無関係な顔をしているみたいで

かすかな海の匂いを抱いてそれでもふと
人を遠い空間にいざなって行く

僕に ....
空から落ちてくるものたちで
世界が成り立つとしたならば

わたしたちはみな一部なのだ

遠い昔
かたわれを探し歩いた
海に続くこの道に
冷たい魂が落ちてくる
やっと逢えたと思ったら
 ....
己が一番美しい時に
化粧を覚えた少女は
素の顔を誰にも見せぬまま
女となり
老女となり
やがて
横たわる冷たい屍となる

その顔に
再び恭しく施される
化の粧

唇に置かれた紅 ....
私は道についてよく考える
別にどうってこともないような
つまらないことをいろいろと……

フェリーニの「道」という映画を
レンタルビデオで観たことがある

ジェルソミーナという 頭は弱い ....
繋がりなんて無いと思っていた
見えないものは信じないと
決め込んでいた

飛び交うのは
想像したくないものだと
決め込んでいた

見えないものは
ふれあえないものだと
勝手に案じて ....
カップがソラだとしたら
コーヒーが注がれて
夜が来る

苦い夜がニガテであれば
ひとすじのミルクが注がれる
銀の匙は使わない
やがて白い雲は 時間に溶けてゆく 

どこかに月が隠れて ....
○月○日
日記を書いている。

*月*日
日記として、刻まれなかったあの時間、あの日について。
三食きちんと食べ、寝る時間、起きる時間も申し分なし。規則正しい健康的な日々。こんな毎日について ....
吐く息が部屋のなかでも白を語る
かじかんだ爪先に靴下を与えるでもなく

窓の外
早すぎた目覚めがかなしく
ひとりを悟る

{ルビ時間=とき}に負けて
遠のいてゆくあなたの微笑みは
ま ....
乱太郎さんのおすすめリスト(8217)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
愛とよんだ- 殿上 童自由詩22*12-12-16
あずきの恋人_(連載②)- たま散文(批評 ...11*12-12-16
暖冬未満- もっぷ自由詩612-12-16
効くよ!- もっぷ自由詩712-12-15
アンテナ_(高三のころ)- 鈴置友也自由詩4*12-12-15
靴底- そらの珊 ...自由詩24*12-12-14
スチームアイロン- そらの珊 ...自由詩19*12-12-14
散歩道- ぎへいじ自由詩19*12-12-14
【_流星群_】- 泡沫恋歌自由詩11*12-12-14
吐く- 夏美かを ...自由詩24*12-12-14
あずきの恋人_(連載①)- たま散文(批評 ...13*12-12-13
河の匂い- 古代 透自由詩4*12-12-12
- そらの珊 ...自由詩14*12-12-12
慟哭- もっぷ自由詩512-12-12
あいびき- 梅昆布茶自由詩1312-12-12
サンクチュアリでの夜の、- もっぷ自由詩1012-12-11
夜ひとつ- もっぷ自由詩512-12-10
くれるまえに- もっぷ自由詩312-12-10
うつむせになったら_ねむれるかもしれない。- そよ風自由詩312-12-10
人間詩- ただのみ ...自由詩19*12-12-9
あっちゃむいて、ほい!- 殿上 童自由詩20*12-12-9
【_結晶_】- 泡沫恋歌自由詩10*12-12-9
夜の埠頭にて- 梅昆布茶携帯写真+ ...1212-12-8
はつゆき- そらの珊 ...自由詩1512-12-8
化の粧- 夏美かを ...自由詩22*12-12-8
【_雑記_道について_】- 泡沫恋歌自由詩17*12-12-7
無線- subaru★自由詩17*12-12-6
朔_或いは静かな底で- そらの珊 ...自由詩2612-12-6
日記- 空丸ゆら ...自由詩812-12-5
- もっぷ自由詩1712-12-5

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