檸檬
もっぷ

差し出されたその檸檬を皮ごと齧ると
予想していた強烈な……味はなく
心底ほっとして わたしは
手招きにも素直に従いそちらをみた
、夢と 悟り なみだは 途方に 暮れて

西側の窓から合図のように
仕送りのように
雁行が それとわかったので
滲んで、しまうほどにと瞼をきつく
まぶたを わたしは



自由詩 檸檬 Copyright もっぷ 2015-04-20 00:57:38
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