わたしのさみしい骨のゆくえは
乾いた風吹く荒涼とした地
どの生き物にすら踏みつけられることもなく
ただひたすらに転がってるだけ
あしたなら抱えきれないほどあって
きのうのひとっつも無い寂寞
 ....
「梅雨は嫌い」と言ったら
おまえはそうでも
俺たちは雨が降らないと困るんだ
紫陽花の葉っぱに隠れていた
一匹のカタツムリに
小さな声で抗議された

「洗濯物が乾かない」と嘆く
なにを言 ....
深い霧のように
飛沫をあげる
たくさんの雨粒は
花柄の傘が雨をはじく
音が聴こえるあいだに
仕事帰り乙女の
世界を群青色へと
静かに揺らぎながら
変える

遅めの夕食を終えて
す ....
醗酵することは発行されたものをもたないこと
あるいは発光する冷たい微熱をかかえた昆虫の夜を生きること
あるいは薄幸な女の身の上話にあいづちをうつ場末の安酒場の空気

欲望は醗酵し発熱し自分の足 ....
{画像=140605223459.jpg}



人は他人無しには存在できない
自分だけで自立しているように見えて
他人の評価を気にして生きている


自分の生き方も定まらず自信を失 ....
唐突な話なんですがね
最近 魚になりたいって思うんです
いえ 泳ぎは得意じゃありません
なんか太陽とか土とか風とか
面倒臭いなあーって感じるから

海の中はいいだろうなあー
何処までも
 ....
愛して欲しいと嘆く
私は淋しい薔薇の花
きっと嫉妬で燃えたぎる
炎のような黄色い薔薇

本当は清楚にたたずむ
白い薔薇になりたかった
やわらかくはにかむ
ピンクの薔薇の花でもいい

 ....
今年友達になった人が
フウセン蔓の種をくれた
うちの庭に咲いたの
私が種を採ったのだから
春になったら撒いてねと言った

フウセン蔓の花というものを
私は見たことが無い
二十年も前に
 ....
 
風呂で屁をこいでみた

すべてからの自由を約束する泡が破裂する

諸君! 解放だ! 解放だ!!



 
{画像=140531162934.jpg}



時間は無いと考えている?

でも時間はいっぱいあるのだ

日頃の所作の大半は無駄な時間潰しで
大事なものは何も無いのだ
マネキンが ....
裏から表までの30メートルに世界があった


国道1号線を命かけて 一目散に横切るのだ


安楽の幅2メートルは ユートピアへの出入り口


たった20センチメートル背中の側をかすめ ....
断片を思い出しては吐息が悲鳴を上げる
痛みの記憶ばかりが鮮やかに焼き付いて
彼岸花に託せば常世に流してくれるだろうか
けれどかなしみで形作られた私もまた消えるだろう

つまりあなたが愛してい ....
気紛れお月さま
願いを聴いて
十七夜月に囁いてみる
星が流れぬ晩だから
お月さまに縋ってみたくなる
ここは深閑とした或る湖畔
周りに誰もいないはず
わたしはそっと手のひらを
クリスチャ ....
雨のふる海岸に住むプチトマトあおいあいだがしゅんだそうです


林檎県林檎林檎区林檎町四丁目まで来てくれますか


空に雲泣かないで君もう一度みあげてごらん異国からの風


砂の城な ....
ジョウロを持って
庭先に立っていると
植木鉢の間から
ヒョイと小さな顔を覗かせる
私と目が合った瞬間に固まった

キミと出会うのは
今日で何回目だろうか
植木鉢の森の住人さん

太 ....
辛抱しても我慢はできない人

おばさんのぼやきはエンドレス・リピート

地図が読めない

食べ過ぎた〜食べた後で言うんじゃない

旦那以外の男が好き!

無知は博学よりも武器になる ....
{画像=140526015311.jpg}



サラリーマンとして
骨を埋めるところを探していた
降り積もった雪の中から
首を出す古木のように
少しの隙間を残して
雪に埋まり
冷 ....
 
あたいは泣かない

全身全霊をもって感情を押し殺す

空が泣くまで、ぜったい泣いてやらない



 
永遠にえいえんということですか{ルビ私=わたくし}の名の下につく子は


空をみる目を失っていたようですきみが燃えているあいだの{ルビ時間=とき}


寄せる波帰ってゆく波知っていますきみ ....
コーヒーカップを持ち上げただけで走る衝撃
要はこんな時にも陰で働いていたのか?

くしゃみでもしようものなら
まるで電気ショック
要は体中に回線を這わせて
あらゆる身体活動を統率していたの ....
上手にネズミ描いて消さされている いやさなくて
いいよと
それはいう

かなしみは
いやされることなど
のぞんでやいないさと
筆先でなでていく

涙の成分は
瞳に必要なものだという

いわさきちひろの描く
こ ....
 上手く折れない
 紙飛行機が
 放り込んだ屑籠の
 縁から顔を覗かせている

 拾い上げて
 半開きの窓に向けて
 今一度、飛ばしてみるが

 盲の鳥のように
 あさっての方向へ ....
遠い国で内戦があった

銃弾に倒れた人
爆弾に吹き飛ばされた人
炎に巻かれて焼かれた人々や

たくさんの人間が血を流し死んだ

勝利者は誇らしげに
殺した人の数を発表する
その中に ....
  席はあったが
  わたしは座らなかった
  銀いろの月によく似た
  さみしい言葉だけ胸の奥に置いて
  けれども誰にむけたものかわからず
  きまり悪い笑みをうかべて わたしは ....
先生、
私はめだかを飼っています。
卵から孵化させました。
毎日餌をすりつぶしてあげています。
ぱくぱくぱくぱく
みんな美味しそうに食べます。
おいかっけこはしょっちゅうです。
お母さん ....
今日も誰とも口をきかなかった
一日が終わるころ
帰宅したあなたが
ささくれの出来た指に唇を寄せ
舐めてくれる

チクチクした少しの痛みと
往復する濡れた舌のやわらかさ

やがてふやけ ....
 
燕 空をきりとり

風 わたる


空騒ぎの春は、とうに昔


 
{画像=140517224248.jpg}


その人の手は
ほっそりとして
冷たい手だった


いや冷やかな手だった


上手く想いが伝わらないが
こちらの熱を冷ましてくれ ....
帰りたいふゆの陽向の命日へ本当はいま骨はどこなの


ちょっと待って。何をですか? パソコンです、ハードディスクが呼んでいますよ。


立ち返る里を持ってはいないから何を捨ててものこしても ....
乱太郎さんのおすすめリスト(8217)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
骨のゆくえ- もっぷ自由詩1714-6-7
【_慈雨_】- 泡沫恋歌自由詩19*14-6-7
群青色の乙女- りゅうの ...自由詩9*14-6-6
ただしい醗酵のてびき- 梅昆布茶自由詩1914-6-6
人間の弱さ__/__コロンと転がった石になりたい- beebee自由詩28*14-6-5
【_妄想を泳ぐ_】- 泡沫恋歌自由詩19*14-6-4
私は美しい薔薇の花- 未有花自由詩25*14-6-3
ふうせんかずら- Lucy自由詩20*14-6-1
こく- 殿上 童自由詩18*14-6-1
時間は無いと考えている_/_君は時間を止めている- beebee自由詩24+*14-5-31
突き抜けるまでの秒針- 芦沢 恵自由詩22*14-5-31
「痛みのコラージュ」- 桐ヶ谷忍自由詩12+*14-5-29
- もっぷ自由詩414-5-27
「四丁目の時間」2014.05.26_(一〇首)- もっぷ短歌314-5-26
【_シッポ_】- 泡沫恋歌自由詩18*14-5-26
自由律_【_おばさんの流儀_】_其の十_終了- 泡沫恋歌俳句7*14-5-26
雪に埋れた古木のように- beebee自由詩21*14-5-26
泣かない- 殿上 童自由詩15*14-5-25
「わたしと本と服たちは」2014.05.25_(一〇首)- もっぷ短歌514-5-25
私の要- 夏美かを ...自由詩32*14-5-25
上手にネズミ描いて消さされている- 北大路京 ...自由詩314-5-24
水彩- そらの珊 ...自由詩22*14-5-24
飛べない翼- まーつん自由詩23*14-5-22
【_数字_】- 泡沫恋歌自由詩15*14-5-22
- 草野春心自由詩1014-5-21
生き物係- ららばい自由詩7*14-5-20
「ささくれ」- 桐ヶ谷忍自由詩8*14-5-20
- 殿上 童自由詩13*14-5-19
白い手の感触_/_憧れ- beebee自由詩23*14-5-18
「かおるのおと」2014.05.17_(一〇首)- もっぷ短歌3*14-5-17

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