敗荷や味噌をまぶせる白き飯 生まれたばかりの九月はとても静かで穏やかで
風は凪ぎ 梢に寛ぎ
秋の願いがその隣で翼を休め
あるいは風はまた立ち
願いなら 早熟の実を選び定めては安堵して
どこかへと帰り、持ち帰る
木の実 ....
秋の海
秋の湖
秋の雨
秋の朝

遠い遠い遥かな
ふるさとへ
帰る
そんないつかを持っているから
だからいいのかもしれない
いつかは所詮はいつか、に過ぎないけれど
確実に訪れるこ ....
わたしはあきらめています
わたしはあきらめました
でも そんなわたしの
この生との諸恋を
一瞬でも 感じたなら
あなたの足許をみてください
まるで「踏んでください」とでも言いたげな
そん ....
君の翼が飛べるだけでも
私より(ずっと)分がいいね
気持ちがみえるわけもないのにごめんね
もしかして鷹を羨んでいたりする?
そしたらすこしだけは似ているのだけど
そしたらすこしだけは安心もで ....
巴里倫敦英吉利仏蘭西葡萄牙衣食冷蔵庫より礼節


倫敦の路上でバイトSaraという{ルビ娘=こ}に沙羅でなく皿で血を見る


「ジャップだぜ」バレてた{ルビ十一=といち}はじゅういちでここ ....
道道いろいろ耐えました だから
わたしは不意に死にたいです
だけどかなしい気持ちで
つらい気持ちで
さびしくてたまらなくて そして
空腹を抱えて途方に暮れている
そんな時の不意打ちはいやだ ....
朝の散歩道で石っころと出会い
しばらく親しく話し込んだのちに私は
いきなり思いっきり蹴っ飛ばした
石っころが飛んでゆく そして
「きっと今夜の宙をみあげて
 とっても綺麗でまばゆいよ
 と ....
午前三時は翼通貨の時間
懐かしいあの歌がほしくて けれど
私は帰りたいから 売るに売れないこの翼
もう一度、聴いてから 明日に行きたいのだけれど
三叉路が現れて そのうち一つは「昨日方面」
 ....
決まった額面の配分に狼狽えて
冷や汗が出て来た から
雑貨のコーナーを見て頭を冷やそうと
綺麗な舶来のポストカード とか
大好きな粉引の器とか
アンティークのあるいはヴィンテージの
あるい ....
詩は創作じゃないよと路傍の花がかなしげに言った おはよう世界
おはよう世界
ってもう歌わない去年の一年草たち
いまはどこに
わたしはそのどこかに行きたい
生きていることをふざけたくはない
君は骨になった
わたしの父さんとおんなじの白い
割れ物の壺に閉じ込められて
息もできない骨骨骨
木の箱のなか
もしか布で包まれて
もしか素のままばら撒か ....
あの日 子守唄を歌ってくれたのは大好きなキリンだった
泣き止まない私にすっかり困った末の
ほんとはお父さん
遠いあの日

あの日 子守唄を歌ってくれたのはやさしいライオンだった
ふざけて眠 ....
風見鶏が風を懐かしむ
正気の証し
私は午前九時に
靴の消滅に気づき
足の寛解を望めぬまま
五月は終わらずに
立ち竦むための
言い訳と
木香薔薇の
繁茂がかなう
塀を求めて
愚図り ....
シロツメクサは冷たかったよ
首飾りにも冠にもなってくれなかったよ
あたしは摘んで摘んでいくども
あきらめて撒いて
風に吹かれて飛んで行ったよ
あたしのお願いは、ついに
どこかの他処へと飛ん ....
八月も終わる
随分忍んできたし
終わる、との約束も
懺悔とともに乞うてもいて
赦されて
けれど
その{ルビ件=くだん}の神は属さない
どこにも椅子を持たない
朱のはずだった捺印が
今 ....
覚えているの 二歳の頃を
趣味が公園探しで バケツとシャベル持ってふらふらと
帰る、ってことを知らなくて
お母さんを信じていました

覚えているの 四歳の頃を
幼稚園で初めての絵を 先生に ....
演奏会の時には一番後ろの椅子のままで私は終わりました
この白髪はさぞ目立ったことでしょう
家族たちはいったいこのみすぼらしさをどう見ていたことでしょう
最後の日、それなのに新しい靴を私にプレゼン ....
初秋の朝、風が窓辺に腰掛けて静かに凪いでいる
彼の故郷のみずうみは人知れず朝陽に煌く
みずうみの近くで 野葡萄の黒い実が艶めきを増す
いまだみどりの樹に 帰る渡りが「ありがとう」を告げている
 ....
演奏会の時には一番後ろの椅子のままで私は終わりました
初秋の朝、風が窓辺に腰掛けて静かに凪いでいる
この白髪はさぞ目立ったことでしょう
彼の故郷のみずうみは人知れず朝陽に煌く
家族たちはいった ....
夕方に駅を一つ分歩く
川が二つ並んであってその一つ目の橋の真ん中に
新品ってわかる綺麗な赤いヒールが一足
だんだん辺りが騒がしくなってきて
赤い靴を見てるのは私だけじゃないって 我に返る
そ ....
どうして「ネギよりもキャベツ」なのか
という問題を論じあっていたキュウリたちのうちの哀れな一つは
熱心に考えすぎて周りから意識が逸れるほどだったので
気がつくと食卓への梯子はすっかりと片づけられ ....
さよなら自分
こんにちは自分
歌っているのは夕空の下の
いまだあの頃 雁行を見上げながら
誰に向かって いつに向かって
泣いているのはやっぱり自分
忘れられない
忘れないから
そう言い ....
詩人たちよ
詩を書くな
風になれ
このコートのポケットにはまだ
約束をたくさんのこしてるの
果たすべきありがとうたち
それは深呼吸のしあわせ
狗尾草の季節に立って
金の風のさざなみを聴く
東京の空は世界一のあおさ
こんな ....
オレンジ色のままでもよかったのにいつからか
あかね色になったあたしの空
いまでは茜音色と
私はたぶん気取っている
毎日想うあの夕空をもう一度見たいだけの
未練でしょうか
誰か何かに謝りなが ....
毛糸を無心した
小母さんに
なんにつかうの
あやとり
やさしく笑って毛糸玉
手に取って切ってしっかりと結んで
はい、って
六歳が一番ほしかった
あかい色の毛糸でくれた
いいよ
傷ついたことないし
生まれつき鈍感で
たぶんバカでね
だから一度くらいは傷ついておかなくちゃ

だからいいよ
傷つけてもいいよ
好きなだけ傷つけなよ
それであなたの役に立てる ....
生きる理由をかぞえている東京の部屋で
だけどつらいと泣いてる独りに
ふと友人からの一通のメール
一枚の花の写真に、添える言葉はなく でも
君はこのさびしい堂堂巡りに句点を届けてくれたんだよ
 ....
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