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あなたが手紙をくれたから
日々が春へと向かっていることに
気がつきました

いつの間にか
硬く
冷たく
難しくなっていたわたしを
あなたはどこで笑ってくれますか

わたしの返信を
 ....
銀河のほとりには
ため息たちが花開いて

湖面は
ゆらめく



つかの間の風のなかに
つかの間の風のそとに
言葉の実る予感、が
色づいて

瞳の奥を波が走る

 ....
目をとじて
しずかにとじて
名前を思い出しなさい

あなたが
その目をあけたとき
そこにいてほしいひとの
名前を思い出しなさい

それが出来たら
独りぼっちはもう終わり
 ....
受けとめきれない言葉が在るのは
なんら不思議ではなく
すべての言葉を
受けとめきれるつもりで
自らを削ぎ落としてしまう行為こそが
とても不思議で
ただ哀しい

それなのに
まったく等 ....
指のさき
雪がひとひら、消えました

わたしの熱を、あら熱を
かくまうように
消えました

うなずくべきことなど
何もないけれど、
わたしは確かに
うなずきました

す ....
言いたい放題
言われてしまった

でも、
自分は
たしかに
大した器じゃない

けれど、
大した関わりもない人が
たぶんに狭い了見で
よくもまあ
あんなに細々
あんな ....
わたしたちを彩る
おもいでの確かさは
星座のそれと
とても似ていて
必ず
遠くで
きれいに滅する

届き過ぎたら
きっとわたしたち
狂ってしまうから
ほんのわずかな
痛みも ....
さざなみは
優しい顔して
ぼくらをつかまえる

数え足りるくらいしか
ぼくらは夏を
めぐっていない
それなのに、
ぼくらは
もう
夏のなかでしか
生きられないような
生 ....
忘れ去られることは
滅び去ることと同義ではなく

ときに月夜の雨のなか
朱色の花の
面影が咲く



雲を織りなす風たちは
水の巨像を築き上げ

やわらかな片目の
や ....
赤い夕日を浴びたのに
かげだけ黒い、
そのふしぎ。


草木も花も野も山も
おなじくみどりと
呼ばれる、
ふしぎ。



 波の青さにあらわれて
 透きとおってゆく、 ....
ひよこを食べる猫がいて
あるときひよこが
噛みついた

それからひよこは
猫を食べたり
ときどき親を
食べたりも
する



ひよこをだます猫がいて
おかげでひよこ ....
氷の川を
停められるのは
時の流れにせせらぐ命


 つめたさを
 うたう刹那が底にあり、

 静けさを
 砕く車輪が
 渡りゆくから、

 氷の川は
 停まらない
 ....
しずかな雪のあいだから
わずかに土が
見えるとき

わたしは灰の
そらを見あげる


 まだそこに
 凍えるものはありますか、


小さな呼吸は
ぽつり、と白く
あ ....
冬の辞書には
牙が満ちている

燃えようとして
生きようと、
して

裏も表もなく
ただ、それゆえに
いたわりがたい
鋭さが
ある

つめたさに似た
熱量、として
 ....
毛布になついた匂いをかぐと
やさしくおもえる十二月

ふゆという名のまぼろしが
ふたりのあいだに
許される



 つめたい風のひとひらは
 ぬくもりひらく
 手のための ....
欠点はね、
やさしく撫でられたら
十分なのです

無理をして語らないでください

いろいろな角度から
見つめないでください

寄りそうだけで
よいのです


見渡せば ....
吐息が
しろく曇るのを見ると
少し、安心できる

わたしの日々は
ほぼ偽りかも知れないけれど
熱だけは、進もうとする熱だけは
たしかに思えて
安心できる



いつだっ ....
わたしに幸福を、と
願えることの その幸福を
わたしは いくつも
置いてきた


 たぶん、わたしたち
 水槽のなかに
 生きている

 そこは程よく窮屈だから、
 ぬく ....
いつかわたしも
潮風になる

いいえ、
それよりもっと目立たない
砂の声かもしれません

潮風が
きびしいながらも心地よいのは
おそらくそんな
匂いのせい



わ ....
つまずきなさい、
何度でも

ほんとの意味のつまずきに
出会うときまで
何度でも



傷つきなさい、
何度でも

深手のつもり、で
いられるうちに
癒しのすべが
 ....
カレンダーをめくると
またひとつ昨日がふえる
そうして明日が
ひとつ減る


わたしに数えられる
昨日と明日には
限りがある

なぜならわたしは
消えていくから


こ ....
雨よ降れ
ざんざん降れ
と、こいねがう村がある


たった
ひとつぶの雨だれにも
没してしまいそうな
舟がある



 めぐみや恐れや
 あれこれは

 ありえぬ ....
終わりは
すべて哀しいものだと
いつかあなたは
示したけれど

確かにわたしは
時刻をひとつなくしたけれど、

なくさなければ
始まることのなかった
時刻のなかで
わたし ....
蟻が
わらじの死骸を
運んでいく

気持ち悪い、とか
すごいちからだ、とか
そのさまに向ける言葉は
まったくの自由だ

だがそれは
彼らにとって
とても重要な生命の営みで ....
いまは
ちっぽけな木の枝も
十年、二十年の歳月をゆけば
おおきく生長を
とげる

その、
生長をとげた木の枝のもと
だれもが心地よく
風に吹かれるような
あかるい午後が
 ....
空から
落ちた日のことを
おぼえていない


海を
ながめることを海として
その浅きをのがれる
すべにおぼれる


太陽はもう
ことばではないけれど
確かにぬくもる
 ....
鎖骨の
においが
こぼれ落ちたら、

さかなのゆめに朝がくる



ことば未満の愛を交わして、
ゆっくりとたしかめる
てあしの記憶

水の
においの
シーツを背中に
 ....
散らばりながら 宝石は

その名を きれいに 
縁取って

なお美しく
ひとの手を とる



散らばって ゆく
こころのそとで

おどりはいつも
鮮やか だ

 ....
つめたい手には
ひとのこころのぬくみが宿ると
いつかだれかに聞いたから
わたしはこの手の
ぬくさを
恥じる



 あこがれや
 ねがいはなぜに
 こころをつめたく
  ....
ありのまま、
あるがままの姿であれと
ひとは口々にいうけれど


 途方もない約束を
 捨てたくなくて
 潰れてみたり

 飾りのつもりが
 汚れてみたり

 だれかが ....
atsuchan69さんの千波 一也さんおすすめリスト(85)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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奏でるよりも聞き惚れて- 千波 一 ...自由詩914-8-1
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結婚- 千波 一 ...自由詩4*10-5-6
ロスト- 千波 一 ...自由詩21*10-1-6
戦友- 千波 一 ...自由詩6*09-11-8
八月の降る頃に- 千波 一 ...自由詩6*09-11-7
さざなみ- 千波 一 ...自由詩8*09-8-29
王族- 千波 一 ...自由詩3*09-6-25
ふしぎ- 千波 一 ...自由詩11*09-2-20
ひよこ- 千波 一 ...自由詩8*09-2-18
氷の川- 千波 一 ...自由詩5*09-2-16
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冬の辞書- 千波 一 ...自由詩8*08-12-25
予告篇- 千波 一 ...自由詩6*08-12-10
同心円- 千波 一 ...自由詩8+*08-12-8
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潮風- 千波 一 ...自由詩7*08-11-24
つまずきなさい- 千波 一 ...自由詩21*08-11-19
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