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のばした爪に 皮をゆだねても
みかんは 指を求めていないのです
力ですか 許しですか
欲しいものを求めていますか

甘い実にも捨てる場所がある
どうしても受け入れられない
どこか ままな ....
唇には唇の 開き方があって
花ならば散るのに
風にでも なびくのに

喉がかすれて
目にしたくなくて
声が くぐれず

いつもの いついつ
指を唇に あててみる

静かに 沈黙が ....
ネットでできた詩友さんは いつも消えていくので
あまり深追いはしない いつも
忙しくなったんだな 飽きたんだな
ひとときのやりとりが 良い思い出になるように
なんて 気を使っているわけでもない ....
山すそに嫁いで間もない頃は
会社から帰って玄関を開ける前に
そっと結婚指輪をみつめた
関所を越える前の通行手形
新姓と共に 自分で選んだ道
でも まったくなじみのない夫の家族達
ただいま  ....
飾り部に出入りされている木の
皮をはがせば しらじらと 
預けられていた夜中が
てっぺんから ひるがえり
白い髪を吐き まるまり落ちる

梳いていた指達
歩いていた足達
口づたいに行く ....
良かった とたくさん書いてある手紙
挫折した私にあてた 亡き先生の言葉

都会の勤めを一年で辞め地元に再就職した
仕事を覚えたての私に

あなたの事だから きっと会社の利益になる
早く決 ....
用事で呼び出されて実家に行くと
車を外に出して 車庫に雪を入れている

雪の階段を五段 降りて玄関に入る
家の前のパイプとトタンでできた車庫は
軒下の雪を登って 屋根に登れる

家の ....
三年は居ると思ったのに一年で帰ってきて

高校を卒業して都会で寮生活をしながら働いて
帰りたくて故郷に帰ったけど 親は怒った

だからお前には無理だから行くなと言ったのに
どこまでも行くと ....
届かなかったと
落ちた空 みつめて
眠りこむ 雪を
春が 起こして連れて行く

ここにも そこにも
次の夜が朝から待っている

影で隠している
風の遊び道具

石に座っていた凍り ....
向こうの外にある空から
根を切られて絶えた花達が
小川のように 流れてくる

一本ずつだった者が
根を捜して彷徨って流れ歩く

土を忘れるように
水を与えられ
雨の届かない屋根の下
 ....
センスが凄いんだよ と嬉々として言う
十九歳の甥は トロンボーンに夢中
目標にしている人もいるらしい
学校時代は吹奏音楽一色で
働きながら地元の楽団で演奏するという道を
まっしぐらに歩んでい ....
わくを滑り こめられてた隙間を
さらして 含んでいた ガラス落下

飛んでいけない底から
落ちるというのに 

割れない
まだ 割られない

居場所に残る 時間
落ちるというのに
 ....
色使いが上手じゃないし
ぬると濃くなり はげると驚く
でも 素ッピンというわけにもいかず

無駄にタップリとクリームをつけて
ちまちまとリップなどで装い
他人様にはコードネームのような
 ....
廊下に立っていなさいと怒鳴られ
私と隣りの席のこんちゃんは
はっと青ざめ しーんとした教室を出た

社会の授業で地図張をひく練習中
いろんな場所を見ていた私達は
すっかり楽しくなって
あ ....
日陰に咲く木蓮の種子
春に咲かせた花は過ぎて
朱色の珠がもたれている

白い月が 青い空にかすむ頃
がさがさと荒く 深緑の大きな葉に
一羽の鴉が忍ぶ

落とされた さやの朝露ごと
く ....
ただいま と思いながら両手を下に広げる
林檎畑は収穫のための作業で忙しい
陽があたるように実の回りの葉を取るため
晴天の日曜日 実家に帰る

草を分ける土の道 人の歩いた道
風にそれる 緑 ....
ナギと呼んで空に心をのばす
心は手になり私になり
ナギに届くと思うのだ

思うのだと思うほど信じてはいない
チチチ と鳴きながら近くを飛ぶのは
警戒の意味もあるのだと
私は警戒にあたいす ....
下降していくカラスが
田んぼの土手を
はいあがる虫を食べている

田植えの前に掘りおこされ
苗が植わるように綺麗にならされる土

地中から 土と共に掘り起こされた虫が
待ち構え ....
風と分かれて山の頂きを下った
雲に揺られて浮かんでた
ぬくもりに隠れた姿でも
いられなくて

根雪にひそりと 響く
足跡から溶けていく

風は海から共に
重ならないから指をのばし
 ....
春風の吹く中 洗濯物を表にかける
ポールを二本立たせて
横の棒には鎖を巻いている
ハンガーの丸い先を 鎖の輪にかける
強い風に さらわれてしまわないように

ポールの立つ前には 鯉の泳ぐ池 ....
こうこうと燃えている白い道に
飲んでたむける傾きの宵戸口
ねかせておいた木漏れ日 影の上
指に重なり ぽつん すさませない

ひめくりにつられてつぎたし
のどもとにつきつけついばみ
よそ ....
若いうちに頑張らなければと
四十も後半になった夫が言う

うむうむと うやむやに
どことなく頷く

言いたいことも言わなければ
いけない事も
お互いあるはずだけど

なぜか若い事に ....
赤メロンに つららみたいにシタたル
籠もれ陽ふかした 浴びる月香をタくル

むろん 黒眼がしめきったのどかな風には
違いなく 色を歌う無実の草の
なじみの春が ころころと 吹雪いて

横 ....
いつもよりはやい積雪に
枝ごと晒された 紅葉

雪と呼ばれるものが
灯る頃までには
枯れているはずだったのに

白くあつい力が強くかかる
やさしく包まれても 落ちるのは
雪と呼ばれる ....
歯が痛くて痛み止めを飲んだ
いつも飲みなれている市販の薬
しかし 全然きかない
夜中にあまりの痛さにとうとう
救急医療に電話をしてみる
ええ もっと強い薬を出すことはできます
ああ でも歯 ....
いらないんだろうか 私
と言う 不安げな顔
いるもいらないも 元がね
無くなるかもしれないんだし
と から元気全開で労働

誰にも言わないで
言っちゃいけないよ
そう言ったのに
どこ ....
掛け軸の後ろにあるものは
じっとしている

いらないと仕切られた上に
何がかけられたのだろう

絵は語るのだろう
字は話すのだろう

ただ外と中を区切り
支えるだけでは
満たされ ....
背中会わせた粒に分け入り
壊さぬように水を汲み上げるため
細く柔らかい根が
灯りもつけず 土を進む

折られる季節
軽い音先に連れ去られる
綺麗なところを
好いて微笑む指

見知ら ....
実家の外に片付けられていた
三十年近く前 他界した祖母の鉢植えの鉢達
捨てようと思っているが
欲しいか と母に聞かれ
年々 花作りに目覚めていく夫へ
古いものだが 洗って綺麗にすれば
買わ ....
冬の寒さと共に降り積もった雪が
通り道から寄せられて 
田畑や山のすそに高く圧せられている

春の陽射しは明るく雪に反射して
溶けて滲んだ水の粒がキラキラ
やがて沁み込んで行く雫が
空の ....
atsuchan69さんの砂木さんおすすめリスト(103)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ミ_カン- 砂木自由詩15*15-8-23
ここ_とまれ- 砂木自由詩23*11-11-3
ぬくもり- 砂木自由詩21*11-10-25
縁族- 砂木自由詩23*11-7-31
渡る部- 砂木自由詩10*11-7-24
日本画家の先生へ- 砂木自由詩22+*11-6-3
雪の居場所- 砂木自由詩9*11-1-30
十九歳- 砂木自由詩23*11-1-16
捧げる- 砂木自由詩15*11-1-3
ほんとの土- 砂木自由詩11*10-12-19
今宵_演奏会- 砂木自由詩12+*10-12-5
ポケットに_両手を- 砂木自由詩5+*10-12-2
スピンアウト- 砂木自由詩4+*10-11-11
たて_と_よこ- 砂木自由詩10+*10-10-24
朱色の記憶- 砂木自由詩3+*10-10-11
生まれる所- 砂木自由詩17+*10-10-3
ヒキナギへ- 砂木自由詩13*10-6-19
土と虫- 砂木自由詩15*10-5-16
葉水- 砂木自由詩7*10-5-1
風と_洗濯棒- 砂木自由詩4*10-4-25
白いリズム- 砂木自由詩8*10-2-14
有無- 砂木自由詩5*10-1-10
メロン- 砂木自由詩5*09-10-15
黄色と赤- 砂木自由詩5*09-9-6
呪いと- 砂木自由詩5*09-8-9
コントロール- 砂木自由詩7*09-7-19
家、巣- 砂木自由詩6*09-6-22
地の海- 砂木自由詩6*09-5-24
捨てられないもの_鉢植え- 砂木自由詩7*09-4-25
- 砂木自由詩10*09-4-11

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