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南の風に風景はとけこんで
流れていくみたいにゆれてる
つぼみたち

空はあおい
どうしようもないくらい
あおい

白い香りがくる
偽りが新しい偽りを連れてくる
細い糸を曳くみたいに ....
ちいさな舟が夜の海をゆく
破れた帆にわずかな風をうけて

帆柱には古ぼけたカンテラ
光はにぶいが少しあたたかい

月のない夜だから
真っ暗の水面は永遠みたい

とじこめられているのか ....
無限遠に目を細めれば
縮尺の都合上
ちいさな羽虫の亡骸も
ぼくのこの身体も
だいたい同じくらいの大きさです

土に還るための段階は
どうにも煩わしいから
いくつか端折ってみる
飛ばな ....
あなたにとってのひと刹那が
わたしにとっての100光年かもしれません
わたしの声がとどいていますか
あなたの風景の一小節として

夜はきらいです
たくさんのことを思いだすから
恥ずかしく ....
かすかな気体が母音をまねて
つつましく
遠くの空をながめる子
瞳に映る季節、また季節
繰り返される慈しみ

陽射し
向こう側へ手をふる
帰れないと知っても
魂は旅をするかしら
平行 ....
ずっとむかしの
波しぶきの化石を並べて
もう聞こえない声の数々は
糸を曳くように飛び交う

白く露出した骨は
もう痛みを感じないから
少しずつ折り取っていく
日記みたいな作業

遠 ....
石ころになりたかったんです
道のはしっこで
誰の目にもとまらないように
ときどき蹴飛ばされても
誰のことも恨まないような
ちいさな石ころになりたかったんです

たいせつな物は思い出の中に ....
午後の風がきみの髪をなぜる
ああ、とてもいいにおい
ぼくは小さな蜂になって
きみの、ひまわりの笑顔にとびこみたい

甘ったるく歌ったり
背伸びして空をかじったり
きみの気まぐれな野性に
 ....
青い星の表面の、いちばん青いあたりに
ただよっているたまゆら、
暑さのせいでだいぶひしゃげて
じくじく、いじけた音を出してる

真昼の夢がさめやらぬまま、
うとうと動いてごろごろ働いて、
 ....
麦の穂がりいりい、とゆれる
すみれ色をした空想の
行き着くあたりで
番犬みたいにとびまわってる
ぼくは忠実なひばりでありたい

かなしみをかなしむとき
いつくしみをいつくしむとき
太陽 ....
夜中にひとり食パンをかじる
バターをつけないで
ジャムをつけないで
電気もつけない

冷蔵庫の前にしゃがんで
はみはみ
虫みたいに食べる


どこか外国から船に乗せられて
海をこ ....
風がつんざいて
熱量をうつして
新しい季節がやってくる
しがみつく指を
切り落としながら

方角をなくして
こごえる鳥
さみしがりの
喉いっぱいに悼む
星をめざして進む歌が
 ....
空の頂に月のない夜
まなざしは
同じようにはやってこない
待ちぼうけの子どもたちが
眠ったふりをして
息をこらすように
取り巻いて包んで
進行する世界に
オクターブごとに反響する
数 ....
泣きやんだ空のゆううつ
雲のまにまに
トタン葺きの屋根屋根からとびたった
まっしろい小鳥たちのまっくろい足、足、

鎮守の丘をみあげては
向こうがわを夢見る
臥せりがちの少年の
履きつ ....
道端に 雪をかぶって
うち捨てられた人形は
さぞや寒かろ さみしかろ


あの日も
おなじくかがやいて 
うなる風に 耳をすませたら
ぼくがぼくであるための
拍動の 確からしさが
 ....
いっぴきの蝉が
務めを終えたように 
仰向けに落ちて
空をひっかいている
親しんだ木々の幹に
戻る力はもう無い

おまえの瞳が
磨きたての宝玉のように
くろぐろと光をたたえるのが
 ....
くもをたべる透明ないきものが
空に住んでいます
優しいナイフで切り開いて


あの日  歓声をあげて
逃げ水を追いかける
おさな子はぼくですね
ちっともつかまえられないのに
追 ....
虫取りの子たちが
アジサイの茂みに見え隠れする
夢の色を追いかけて

おおきくなってしまった
ぼくは
その動きをなぞることができない
思い出して叫んでみても

ブランコの揺れと ....
瑠璃色 空がはぜる
祈る子の贖罪がおわって
世界に太陽を取り戻した


水面に満ち足りて
みなぎる光を
トンボたちが拾っていく
きらめいて
またふりまいて
運びきれない
 ....
雨を欲する街が
コンクリートのサバンナだとしたら
ぼくは群れからはがれた
いっぴきのガゼルになって
待ち伏せていた風に食われる


舐めてもいいよ、と
赤い花々のうつわがひらき
惹か ....
雨を聴くひと
土を嗅ぐひと

奏でられる調べには限りがある
奏でられない調べを夢にみすぎて
からだを置いてきた場所を
遠ざかってしまう

胸の奥には想像上の内臓があって
白いバラ線に ....
朝の訪れるたび
切り離されたからだを思う
昨日との交信が途絶えて
寄る辺ない
なまぬるい風に
輪郭を確かめる


季節がしみこんでくるのと
季節に染み出していくのが似ている ....
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