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空が灼け落ちた跡に残る鳥影は
もはや輪郭ではなく黒曜石の断面であった

そこに指をあてると微かに温度があり
それを痛みと呼んでも差し支えないと思った
喉奥に残る違和感は
言葉の幼生が死に絶え ....
山羊の鞣した皮で喉を塞いだ

煙を満たした甲状腺から溢れるホルモン

止める術を知らない

零れていく気概を

必死に受け止めようとする粘膜は

決して何らの暗喩ではない

ありありと起こ ....
ひとひらの
    羽音が、
        —— 冷たい空を
           縫う。

雲は
  言葉を持たず、
       ただ、

        漂う
       ....
とことこと
歩いていた
振り返ると
泥濘の跡を
声に変換し
嬉しいなと
満足した顔
凍る水脈
音をほどく
崩れた喉に
真昼の鈴
風化の指を
軋み鳴る
虹彩の奥
気泡は揺れ
 ....
風が撫でる葦原の先に
影が落ちる
夜明けの燈を孕んだ
鳥の瞳は
まだ濁っていない
羽音は
梵鐘の余韻に似て
打ち寄せる波間に滲む

彼方で鴉が啼く

誰の名を呼ぶ声か
一羽、また一 ....
赫赫たる蒼穹に舞う翡翠の影、 羽摶き一閃、風を裂く翮の響。 風韻濃密なる虚空に、その声は如き翡翠琴の奏。 哢声は黄鐘調に流れ、 万象の縫い目を紡ぎ、永劫の詩篇を描く。蒼茫たる雲海を翔けるそれは、 神霊 .... 口腔から溢れた針金が行き交う夜の天井
模られる雄牛、大犬、鳩、オリオンの面々
例えば、
任意の雪塊を視線で繋いだ線分は、
ふたご座になりきることができるだろうか
死んだセミが凍っている排水溝 ....
煉瓦壁を登る小虫の
到達できる小さな、或いは巨きな星に
憧憬を保てる子の畏怖
もし、
砂壁に渦巻く蟻地獄に
もろとも強奪されてしまっても
柔和な眼光が孕む不条理を
喜劇、と笑うように
 ....
The wind leaps from branch to branch,
In bright summer and again on dark days,
Shaking the boughs  ....
晴れた空
16℃の外気がちょうど過ごしやすい
道明寺を丁寧に黒文字で切って
食べる私は春疾風
光を浴びた樹々の緑が
憂鬱の裏付けとなるにはまだ早い

サンフラワー

お前はもう一度そ ....
反芻する燦き
一瞬に繁茂する刺の立体に
軟い平面を見つけたと喜ぶが
巨視による立体構造の発見に
落胆する背中をみて育った子
ゴーフレットを手に取って
割れる音に音階を
割れた形に幾何学を ....
水泡ひとつ
コ|ヒ|カップの上にみる
向かい合う顔の間の空間は
隙間なく埋められている

水蒸気が凝結
水滴が付着したグラスには
水が鎮座する
口に運ばれるのはあまりに容易で
喉越し ....
爆散する
流れ星が青いなんて知らなかった
一瞬の朝をもたらすなんて知らなかった
願い事は明るいところでしか叶わないという疑念が
確信に変わってしまった
ある極夜が明けることは
反対側の誰か ....
あの山の稜線と
想像の痕跡が等しい
山頂付近に着せられた雨量
養分となって
発芽する竜胆は
どれひとつとっても
車内のラジオに届くことはない
それなりの高層ビルに裁断される形
は補完さ ....
火のついた煙草の先端
溢れる煙の螺旋構造が
玄関扉を背に
本当は青白く
極光に匹敵する
美を備えて

部屋の隅にしまわれた
竹牌は腐食している
まだ禁煙がなかった頃
和菓子屋をやっ ....
靄の籠る水面に
深緑の影が霧散する
確かに脈打つ枝と枝
不確かな夜の梟が
泣いている

曖昧な景色と
あなたが目を合わせた時
悲しくも
あなたの望みは
煙りとなって
梢の間に薄ま ....
照り返しの熾烈な光線に
プリズムを当てて

と喜ぶ声を捕まえようと
駆け出すが
蜃気楼に溶ける
その先に本当は水溜りがあるのだろうが
鼓膜は破れている

湿度の高い畳の上で唱える
 ....
「自分の熱情を貫徹することと、幸せのどちらが大事かな」
と問うて
「幸せ」と即答する君







寂しい を知った私。
紙が細やかに振動している
撥水性はない
雫が落ちる
水滴は容易に染み込むが
少し弾き出される
風が吹く
枝垂れ柳よりも軽く碧い風
少しの水の重みと粘り気が
紙を飛ばさせない

まだ ....
atsuchan69さんの中沢人鳥さんおすすめリスト(19)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
喉痕- 中沢人鳥自由詩125-4-15
喉をほどく- 中沢人鳥自由詩1*25-3-17
空隙- 中沢人鳥自由詩625-2-22
とことこと- 中沢人鳥自由詩425-2-13
梵鳥- 中沢人鳥自由詩325-1-29
衒学鳥- 中沢人鳥自由詩3*25-1-28
雪虫図- 中沢人鳥自由詩124-12-7
仮設- 中沢人鳥自由詩124-10-19
_- 中沢人鳥自由詩224-10-10
わが老犬果てる前- 中沢人鳥自由詩2*24-9-12
子供- 中沢人鳥自由詩224-7-26
水と- 中沢人鳥自由詩4*24-6-8
祈り- 中沢人鳥自由詩4*24-5-22
稜線- 中沢人鳥自由詩1*24-5-1
煙草- 中沢人鳥自由詩3*24-4-30
夜の梟- 中沢人鳥自由詩6*24-4-9
空色- 中沢人鳥自由詩6*24-3-24
- 中沢人鳥自由詩5*24-3-22
夏鳥- 中沢人鳥自由詩8*24-3-20

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