回る理由もわからないまま母体は回り
僕を孕み生み、落とした
知らないよこんなところは

なんだ、 この鉤裂きは


ある朝目を覚ました
父親が死んだ

ひとしきり遊んで帰った
 ....
?.

この絵、あんたにそっくりね
そういっておまえが笑った絵は
リオハのお城みたいなワイン美術館にあって
おまえが指差して笑った絵は
赤ん坊のバッカスが
ワインをラッパ ....
壊れちゃったあたしのココロ

ギザギザのトゲトゲだったから

どこをどうくっ付けていいか分かんないの


?どこで買って来たの接着剤??


必死に直し始めたあなたに呆れ顔
 ....
ぼくの
ひげをゆらして
風がすぎていきます
おだやかなはるの
やさしい風
今日ともだちと
たくさん遊んだ
とても
たのしかった
みんな
立派なネコになれるといいね
そらはいつも
 ....
仕事に行く
ぎりぎりのところ
足を一歩踏み出すだけで息が苦しい

外の世界とつながらない
伸ばした手はいつも空気を掴んだ
あたたかい手はない
足を踏み出すだけで疲れていく一歩一歩
 ....
大切なモノを大切にするほど 壊れてゆくのは何故?

ただ・・・愛したいだけなのに 愛してはいけないのでしょうか・・・


愛すれば愛するほど 嫌われて

大切にすればするほど 壊れてゆく ....
{引用=木の芽を幾つ数えた頃に
木の芽を幾つ摘んだ日に

想い晴れないこの空で
幾度の晩を越したのか

ひとつ小さな結びの手
時には木漏れ日うたたね木

姿変われど弓張り月の
野原 ....
鳥かごを作った
鳥は空にいるので
それで良かった
代わりに魚を入れると
苦しそうに跳ねた
花や玩具を入れても
どうということはなかった
鳥かごは
誰のものでもなかった
鳥は空にいた
 ....
 置いてきぼりをくった事も判らずに
      自我の尻尾を振りながら
   manualを金科玉条としていた昔

    なのに今や うつろな自分と
まぼろしの他人とが鬼ごっこしている
 ....
3月のつぼみをほどかぬよう
小さく軽くノックする
唇をつけるほどにのぞきこむ
私のこころ乱すほどその姿美しく
手の平で包んで奪い去ってしまいたいと言ったのなら
快活にあははと笑うだろう
君 ....
 
見上げる空に
星は無い
町の空は
寂しさを忘れる為に
いつまでも いつまでも
見える範囲を
照らし続ける

照り続ける事が優しさで
見えなくなると
その優しさも届かなくなる
 ....
澱んだ町にいる

それは川底だっていい

俺は黒い汚らしい鯉の鱗でいい

どろりとしたみずのなかから輝く鏡の水面を覗く

そこに汚れた気泡を吐きちいさなとてもちいさな波紋だけを浮かべる ....
 市民は怒り狂った
 王の度重なる重税と圧政の為に
 反乱を起こす為に武器を持ち立ち上がった
 市民は宮殿に乗り込み
 立ち塞がる兵士達を押し倒し
 王の前にやって来た
 王は言う
「ほ ....
 地下の森の匂い
なんともみずみずしい匂いがするものだ
 地上は砂漠化で植物は一本も生えていない
 北極と南極は温暖化で溶け海抜が上がり大陸は大幅に縮小した
 地球は青と白と黄色の世界にな ....
若い 日より
私に 心の叫びが あった

『臨終 只今』・・・

若き日の 嵐のような 感情の 起伏
暗い 濁流に 流れる 一枚の木の葉

焦燥し まんじりともせず 眠る
暗くした  ....
京都にて一人歩きの僕だった安い映画「別れの一本杉」

思い出のメロディーよ一刻一刻が大切なこの日この夜
 

授業が終わって隅っこで今日の給料を待つ絵の先生は

夕暮れも間近一人机に座し ....
ブロック塀の向こう側から
笑い声が聞こえてきたので
穴からこっそり覗いてみたら
子ども達がビー玉で遊んでいた

その笑顔は輝いていて
太陽よりも眩しかった

あれはもう10 ....
みんなに忘れられ
でも咲いている
ひとりぼっちの
青いムスカリ

小さいけれど
顔をあげ
通り過ぎる君に
話しかける

ぼくはここにいるよ
春がやってきたよ
あなたから逃れるように
発車間際の列車に飛び乗れば
涙が後から飛び散って行く
誰かここから連れ出して
あなたのいないところへ

愛を確かめるたび悲しくなるの
あなたのやさしさ愛さえも
 ....
透き通る石が相手なら
わたしの瞳もまもられそうで、
こころゆくまで
あずけて
うるむ

そんな夜には
ゆびも優しくなれるから
ゆめをすなおに飲み干して
爪は爪のまま


 ....
(また、お出かけなんだって、つまんない
保育園で唯一娘のことを
好き
と言って遊んでくれた友達は
先月突然、家庭の事情で引っ越してしまった

この町にも
あの町にも
ひしめく家並み
 ....
君と二人
笑顔で又
踊り合う
嬉しいな

ちょっとチュして
また踊るニヤつく
外は雨が降ってる
窓は曇りガラスで

いつもいつ寝たか
分らない毎日だが
毎日充実している
君は ....
混じり気なく、青

淡い空

閉じ込められた真白い下弦の月は
青が滲んで



 あたしとおんなじ



空模様
死ぬわけにはいかない
今死ぬわけにはいかないのだ
例えば爪を一枚一枚剥がされて拷問されようとも
例えばコンクリの地面に突き落とされた後で顔面を踏み潰されようとも
見えているのは手のひらのしわ
 ....
この年で
40度近い熱が出たせいか
またなんか
視力が落ちている

たぶんあれは
月なのだろうと
カメラを向けてかまえた途端
風にあおられる

うっすらと
なんだか生気のない
病みあがりの ....
{注GEKKO=白黒写真印画紙「月光」}に浮かび上がる
曖昧な輝度信号
ほしおり はすぐそこに迫っていた
切り取られた夜空を
暗室の赤い光に積もらせ
あまりにも遠すぎて
おぼえきれない思い ....
     1

うすい意識のなかで、
記憶の繊毛を流れる、
赤く染まる湾曲した河が、
身篭った豊満な魚の群を頬張り、
大らかな流れは、血栓をおこす。
かたわらの言葉を持たない喪服の街は、 ....
薄い太陽の光が、背の低いビル群を淡く照らし、それは平面的なまぼろしとなって私の脳裏に像を結んだ。私は幹線道路をはしる車たちの巻き起こす、いがらっぽい風に顔をしかめながら、長い橋の上で人を待っている。た .... 丘の上の{ルビ叢=くさむら}に身を{ルビ埋=うず}め 
仰向けに寝そべると 
空は、一面の海 

宙を舞う 風 に波立つ 
幾重もの{ルビ小波=さざなみ}を西へ辿れば 
今日も変わらぬ陽は ....
青い空を夢見て 目を閉ざし
僕は ずっと待っていたんだ
春が僕のもとへ やってくるのを

春が来て あたたかな陽と優しい風が辺りに満ちたら
その時 僕は目覚め 大きく花開こうと思って ....
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