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五時限目の
けだるい
プールサイド
微熱の
水飛沫と
君の呼吸が
うまく
混ざったら
わたし泳いでも
いいよ

反射していく夏
十七歳のまま
立ち止まって
しまえたら
ど ....
フラットしたまま
夕暮れていく
音楽室からは
いつも
音のない
演奏会

放課後に
わたしたちは
どうしようも
ないほどに
透明で
同時に
不器用な
温度で
つま弾いてい ....
たまに
思い出す
ふと
きみのゆびさきの
深爪のやさしさ

買い物帰りの
坂道や線路沿い
二番目の
小さな交差点
そんな場所に
沸き立つ
やさしさ

ひらがなを
好むきみ ....
シマウマの
背中のたてがみは
かっこいいね
乾いた大地で
凛とした立ち姿
整然と並ぶ縞模様は
ガゼルたちの土煙にも
動じない強さ
地平線の奥に
夕日
道路沿いに
閉園後の動物園で ....
たとえば
水銀の
体温計の
危うさだよ
それは

けだるさの
端っこで
かすかに
午後の授業

先生
砂時計が
ぜんぶ
落ちたら
眠ります

少し
似ている
前髪 ....
ずっと
遠くに
行ってしまった
くじらの
足音

どこに
ずっと
北の方に

どうせなら
満天の夜が
いいね
少しずつ
舵をとりながら

長い旅だね
くじら
しっぽ ....
おっこちた
うちゅうのてがみ

昨日の夜は
ずいぶんと
きれいな
星空

それよりも
もっと
ずっと前
おかあさん
うちゅうろけっとで
ぼくは行った

おっこちた
うち ....
おとといの
夕暮れかけた空
君は
夏の底に
沈殿していったきり
西の夕焼けが
音をたてて色あせていく
手のひらの温度を確かめたくて
軽く握ってみても
汗ばんだ夏の終わり
いつだって ....
凪いだ空に
鳥の群れが
海の方角に向かって
泳いでいく、朝

朝ごはんの残りのパン屑を
ほんの少し撒くだけで
海鳥ではない鳥が集まる
手のひらが
くすぐったい

高台の家から望む ....
隣の席のゆういち君と
昨日から廃屋係をすることになったことに
泣いていたら「弱虫」だと怒られた
だって私は女の子なのだ

毎日友だちとお喋りしながら帰った
スクールバスにもさよならしなけれ ....
花かんむり
シロツメクサの匂い

透明色
ソーダ水の水面の波紋

むせ返る夏を
不器用に泳いで
よろめいた夕暮れ時に涙

びーだま、の

陽炎のアスファルトで
かなしい音を立 ....
午後の教室
一番後ろの席で
眠りとの間に揺れていると
ずっと遠くの方に喧騒が消えていく
穏やかに舞う埃が
知らない間に袖に張り付いて
一緒になって光合成していた
金曜の午後

ノート ....
{引用=木の芽を幾つ数えた頃に
木の芽を幾つ摘んだ日に

想い晴れないこの空で
幾度の晩を越したのか

ひとつ小さな結びの手
時には木漏れ日うたたね木

姿変われど弓張り月の
野原 ....
先生、誰も来ない放課後です

理科室は薬品の匂い
閉められた
暗幕の心地良い温度

埃が泳いでいきます
気だるい午後です、先生

魚になるにはどうしたらいいですか

答えの出ない ....
夜になりきれない
うすむらさきの空

段々模様の
やさしい音色

坂道を
駆け足でころがる夕日

向かいには海
やがて落ちると
明日のために蒸発していく

町外れの工場から沸 ....
眠れない夜に
レモネード
窓辺にため息
ひとりとひとりが
薄くかすんで
やがて消えた
雲がかる夜

冬の星座が見れたら素敵だね

ひらけた
草原に寝転んで
空を見上げれば
今 ....
粉挽きの風車の家
屋根裏で
ほこりまみれの古い本を読んで
知らない国の知らない言葉を見つけては
お父さんに読み方を教えてもらう少女
小さな窓から覗く世界は
どこまでも草原で
ためしに口笛 ....
新宿
の高層ビル群に挟まる
日曜どこに行くあてもないまま
無気力な形で歩いていたら
信号機に拒絶されたので
小さな「あ」を呟くように口を開けていると
機械化されたすきま風ばかり流れ込んで
 ....
終電が過ぎて真夜中
ひとりきり家路を辿れば
無音ばかりがこだましてやるせない

呼吸をするたびに白い息は空に溶けていくのに
うまく言葉にできない気持ちは
もやがかかったまま解けてはくれない ....
車窓から眺める景色は
ゆっくりとスピードをあげながら
めまぐるしく通り過ぎていく
あの夏が加速するのと同じように

このまま行けば海に出る

何の脈絡もないまま
手ぶらで電車を乗り継い ....
真夜中
のどの乾きに目を覚ましコップの水を飲み干すと
小さな波音が聴こえて不安定になる

部屋の隅で水槽は
溺れそうなほど満水で

薄いガラスを軽く叩くと
魚は眠るのを忘れてため息によ ....
「あ」と声に出そうとして
うまく発音できなかったそんな目覚め
冬はもうすぐ終わるというのに
まだ春は土の中であたたかな夢を見ている
喉が掠れて泣いているみたいだ
裏返って仕方ない。
空はな ....
夕日の丘で
お母さんとお父さんと
それからおんなのこがひとり
小さな家で暮らしている
夜はみんな一緒くたに寝転がる
ほんとに小さな家だったから、
(だけど、お菓子の家みたいにかわいらしい) ....
砂漠を
旅する少女
らくだを一匹連れて
小さな子どもの手を引いて
今日はどのくらい歩いたかしら。
夜になると
小さな子どもは泣き出して
本当は
泣いてしまいたい少女
砂の塗れた短い髪 ....
私の町
海辺の港町
夢うつつに波音で目覚めて
窓を開ければ
かすかな潮の香り
胸いっぱいに深呼吸して
優しい海で満たして
一日が始まる

私の家
高台の一軒家
階段を下りると
 ....
そして
冬将軍がやがて
この森にも流星を連れてきます
今夜は月のない晩なのでとても綺麗に見えるでしょう
私が待ち遠しいのは流星、
じゃなく、やさしさ
愛しい人の名前を呟けば
白い息ととも ....
橙に染まる道
遠くに伸びる影連れて
陽の匂いの二人
また明日と
いつもの約束交わして

あの角を曲がれば
優しい明かりの灯る家
のはずなのに
空になった部屋、で
ひとり泣いた少女の ....
ハニーカム
あなたは先に行って待ってて
甘い桜の薫るあの大きな木の横で

ハニーカム
これは小さな幸せの呪文

擦り減ったスニーカー
石ころを蹴飛ばして明日に辿りつけたらいい

私 ....
私のノートには白い文字で
フラットに似た記号ばかり並んでる

決して声に出してはいけない約束が
一番目に載ってたはずなのに
白すぎるせいで見えない

知らないで言葉にしてしまうと
「ん ....
目が覚めると
必ず何か足りないものがある気がして
一呼吸置いてから窓を開ける
抜け落ちてしまったような
最初からなかったような
秋の始まりに吹く風が
季節に置いてけぼりにされた風鈴を鳴らし ....
ぽえむ君さんの夕凪ここあさんおすすめリスト(54)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
プールサイド- 夕凪ここ ...自由詩707-7-21
メロディッシモ- 夕凪ここ ...自由詩1707-7-20
かなしみをもたない- 夕凪ここ ...自由詩1207-7-19
サバンナ- 夕凪ここ ...自由詩707-3-18
まひるのつき- 夕凪ここ ...自由詩1707-3-17
くじらの足音- 夕凪ここ ...自由詩1107-3-15
うちゅうからのてがみ- 夕凪ここ ...自由詩1307-3-14
蝉時雨- 夕凪ここ ...自由詩1407-3-13
小さな朝- 夕凪ここ ...自由詩6*07-3-10
がらくた屋敷の中で- 夕凪ここ ...自由詩9*07-3-7
微炭酸の夢- 夕凪ここ ...自由詩11*07-3-5
ピアニッシモ- 夕凪ここ ...自由詩11*07-3-5
待ち惚け- 夕凪ここ ...自由詩9*07-3-1
理科準備室で- 夕凪ここ ...自由詩16*07-1-31
飽和する夜- 夕凪ここ ...自由詩9*07-1-30
レモネード- 夕凪ここ ...自由詩8*07-1-28
風車のある風景- 夕凪ここ ...自由詩10*07-1-15
日曜、新宿にて- 夕凪ここ ...自由詩6*07-1-13
春待ち人- 夕凪ここ ...自由詩11*07-1-11
影追い- 夕凪ここ ...自由詩6*07-1-9
さかさなみだ- 夕凪ここ ...自由詩12*07-1-8
散歩道- 夕凪ここ ...自由詩8*07-1-5
夕日の丘の一日- 夕凪ここ ...自由詩9*06-12-24
砂漠の向こう側- 夕凪ここ ...自由詩9*06-11-10
海辺の町の- 夕凪ここ ...自由詩17*06-11-8
夜、明けない森で- 夕凪ここ ...自由詩6*06-10-16
影ふたつ。- 夕凪ここ ...自由詩5*06-10-14
ハニー_カム- 夕凪ここ ...自由詩10*06-9-9
音楽- 夕凪ここ ...自由詩11*06-9-8
ひとたびの眠り- 夕凪ここ ...自由詩8*06-9-5

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