遅刻すれすれの電車に駆け込み
腰を下ろしてほっと一息
気がつくと
握りしめた手のひらにささる
いつの間に伸びた爪
ふいに
携帯電話を取り出し
日付を見る
( ....
朝目覚めた瞬間より疲れている
カーテン越しの空が青いほどに煩わしい
早朝からテンションの高いニュースキャスター
辛過ぎてつけた瞬間に消してしまった
起きてから30分で ....
また一つ
また一つ
祈りました。
そして叶いました。
しかし満足を知りません。
次々と願い事ができます。
得ると有り難味を忘れます。
そして悲しみができます。
今私の心には大き ....
電話の音
また仕事の依頼
耳鳴りがする
引き受ける
お客様に
仕事を依頼され
会社に相談して下さい
と返事をする。
話しの輪ができる
皆が寄って来る
でも逃げ出したい
皆 ....
コダマする自然
目を閉じたら
そこは楽園
息づかい
心づかい
命の雫が
落ちる
又落ちる
芽を出す
又芽を出す。
何もない世界
鼓動を打ち
葉に包まれる
{ルビ陽=ひ ....
やさしいひとはすぐに
かなしくなる
やさしいから
かかえこんでしまって
もっともっともっと
かなしくなるのに
だれかのことばかり
おんなじこころに
しまってしま ....
ちょっと長めの旅行を終えて
ベランダに出てみると
大切な鉢植えのミカンの葉が
全部無くなって
大きなさなぎがぶら下がっていたのです
街ではもう、見かけることも少なくなった
アゲハチョウ ....
空 そ ら
雲 く も
風 か ぜ
雨 あ め
柔らかい心もちで呟けば
優しく響き
美しい思いで見上げれば
ああ
こんなにも
こんなにも
土 つ ち
水 み ....
青くかわいた微笑が枯れている
丸められた角を
階段とする
素数が熱せられながら
現象をのぼっていく
さようならは一度きりであって
すがすがしい光ならば
いつであろうともやわらかく待っ ....
なにがあろうと
時間はすぎてゆきます。
けれど
私はいまでも青年、少女
夜空の星をみあげるとき
風にゆれる花をかぐとき
山の小川で口をすすぎ
鳥の声に耳をすますとき。
そのとき、
こ ....
紀伊国屋書店にいって、ぼへらーって立ち読み。現代詩手帖。詩学。詩と思想。MY詩集は、パス(笑)。
きれい。
きれいだけれど、プラスティック。
たとえば。選定された野菜のように。
きれい ....
刹那に嘆き
刹那に笑い
刹那に涙し
刹那に恋する
使い終わった
ガラクタの言葉を集めて
ジグゾーパズル
時のトンネル越えて
ここまで来ました
明日へ向う ....
さわやかな風吹くこの丘で君と巡り会えた
ざわめく都会を抜けて飛び乗ろうぜ俺のトレインに
僕がいつでも傍にいるよ
君が笑ってる時でも
君が悲しみにくれている時でも
....
三秒だけ、思った
私は私をやめたいと
三秒だけ
きっと初めて考えた
ひとりでは誰一人抑えられなくて
ひとりでは誰一人助けられない
また人を頼ったから、
その人たちを困らせたか ....
私が君に会い
君を知り
二人こうして静かに時を過ごす事を
谷間の水音は知っていたというのか。
....
あなたの理想は
わたしの苦痛
あなたはそれを判ろうとはしない
(寝化粧なんて誰がする
腰に手を当て拳を振り上げて
いつから偉くなったのか
わたしには苦痛そのものなのに
(朝は誰だって眠い ....
押入に夕闇はつと隠れてる
「もういいかい」と「まあだだよ」とで
庭先にブランコだけがゆれていて
昼のサイレン明日はとおく
陽のひかり障子にさせば心痛み
....
君の街に雪が降ったとニュースで聞いた
君はどうしているだろう
僕の街にはまだ雪の便りはないけど
日に日に冷たくなる風の冷たさに
雪の気配を感じているよ
君が学校を辞めたと風の便りで聞いた ....
煙草の煙柔らかい朝
煙草拾ってうれしい
煙草高くなった腹の立つ
スーパー安売りでうれしい
スーパー閉まってて帰る
炊飯器にこびりついた米かたい
佐々木君得がたき友だ
佐々木 ....
1
寒さが沸騰する河岸に、沿って、あなたの病棟は佇む。
粉々に砕けた硝子で、鏤めている実像が、
剃刀のような冷たい乳房のうえに置かれる、
吊るされた楽園。
顔のない太陽は ....
浜に打ち上げられたクジラは
良く見えなくて
そこだけ先に行けなくて
みんなよけて行く
サクリファイスは悲しい響き
どうしてその意味が
犠牲なのか
犠牲
儀式
教会の古い扉 ....
僕はまるで夜光虫、夜になったら動き出す
決して飛べなくなった夜光虫
羽は折れ、地面を這いずる夜光虫
傷ついた羽を休めたくても
休める場所さえない夜光虫
アルコ ....
秋の終わりを告げる、
冷たい雨。
冬の時間、とばかりに、
白い息。
一人で淋しくて、
冬。
到来。
あなたの電話に繋いだら
あなたが出る
そんな当たり前のことを
確かめたいと思った夜に、いま
窓を開けて出逢いました
複雑な涙ほど
単純な味がして
離れてゆくほど
迫って ....
格好が良いと人に好かれるが
女はメイクとファッションとヘアースタイル
男はファッションとヘアースタイルで
外見はいくらでも格好良く出来る
ファッションも自分の感性の ....
石と罵声が飛び交うなか
彼女はそっとギロチン台へと足をかける
嵐のような時代を駆け抜け
今は不思議と心は静かだ
ふと
あるメロディが聞こえた気がした
幼い頃の
小さなモーツァルト ....
忘れさられた涙は
どこに流れていくのだろう
きっと大海原まで降りて行き
太陽の日差しに誘われて
多くの仲間を引き連れて
天空に昇り
悲しい調べを奏でつつ
俺達の住ん ....
声に出して言えば
欲しいとか 欲しいとか
そんなんばっかりになってしまうから
どうしたって
君の事 深く
切ってみたくなるだろうから
嘘ばっかりでいい
音楽とか
洋服とか
そうい ....
今日は丸い椅子には
座りたくなかった
道を失いそうなときには
肘掛けはついてなくて
それ以上はないというくらい
角張った椅子がいい
座るという緊張感が
癒されてはいけない
立っ ....
今夜この街の二十万のベッドの何割かの上で
愛が倦み、愛が生まれ、愛が壊れる。
ベッドは一つの水準である。
ある部屋のあるベッドに潜り込もうと
住民たちは昼間、さまざまに図り
汗を垂らし、涙を ....
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