おはようとダルメシアンが言う
おはようと答えてから
なぜダルメシアンなんだろうといぶかってみたが
すぐにそんなことはどうでもよくなった
二度寝をしたくて抱き寄せて見ると
それはダルメシアンで ....
○△月□×日 くもり
きょうぼくはうちゅうをたびしました
というか、うちゅうをつくりました!
ぼくはかみさまかもしれないです
(冬の寒い日に僕は宇宙を作った
そして旅をした
ハ ....
紺碧の輝きの海に
許されぬ恋が眠っている
静かにそっと おののきながら
それは波間に漂う白い貝
だけど 今日は
海へ漕ぎ出した
その想いを摘みとるために
真珠とり
真珠とり
....
世界中のさざ波が
私に寄せてくる
さみしいです
さみしいです
と
私は
この場所からも動けずに
結局
生きることは
さざ波なのだ、と
私は思う
かなしいことも
....
刹那に咲いて散っていく
それは人が作り出した奇跡だ。
一瞬しか生きれないならせめて、消えてしまうまで…
強く… 高く… 大きく… 輝きたい…
その光は人々を包み込み、勇気や希望 ....
短夜や障子に当たる虫の音
五月雨に降り籠めらるる小鴨かな
雨音も消ゆるやうなり花菖蒲
あぢさゐの花の重さや長き雨
梅雨の野を濡れて行きたし泣きながら
我は泣く汝は血を吐け ....
そういえば今日
小雨のなかで
男の子と
お母さんが
散歩を
していた。
ゅうくんはじゃぼんすぅの
そういって
じゃぼんしたら
お母さんに
ぱしゃん
ゅうくんが
ごめんな ....
今日電車のホームで君を見たよ。
君は向かいの電車でつまらなそうに
流れる線路を見ていた。
どうしたんだろうと
メールしようかと思ったけど
なんて書いていいのか
分からなくて
閉じ ....
左の胸に手をあててみる
脈々と鼓動する心臓
生まれたときから一度も
絶えることなく続いている
僕のリズム
異国に発ったときも
死にそうなほどなやんだときも
ずっと僕の ....
夜は綻び
朝が死角からやって来る
陽射しが強くなれば
それだけ濃い影は出来て
ありふれた若さのなかに取り残したわたしと
残り時間を失ってゆくわたしが
背中合わせする毎日に
日 ....
電機信号のパレード
飛び交う人たちの間を
蜘蛛の巣をくぐるように通る
光輝くこの街はもう
モノクロの美しさに気が付くはずがない
砂埃舞う神社の階段で
浮き足でゆっく ....
わたしとしては早く終わって欲しいのに
あなたはまるで厳粛な儀式に望む
いんちきくさい司祭のような面持ちで
わたしのかたちを確めてみたり
わたしの知らないかたちで動こうとする
ふだんと違う表情 ....
海鳴りは遥か遠くでさざめいて
波間に浮かぶ言霊たちは
いちばん美しい響きを求めて
たがいに手を伸ばしあう
砂浜に打ち上げられた巻き貝は
もはや亡骸となり果てて
右の耳に ....
時の船に揺られ
昼と夜を行き来する
神は女に出産の苦しみを
男に労働の苦しみをお与えになった
苦しむために生まれてきたのか
生きていることが苦しいのか
人の作っ ....
手のひらに乗るように小さな赤ちゃん
まだまだ立って歩けましぇん
まだまだオムツをはずせましぇん
まだまだお口がきけましぇん
そうです
あなたは生まれてきたばかり
....
詩を何かに例える人がいます。
それは、人によって異なります。
当たり前ですが、何も例えない人もいます。
そんな中のある二人の対談です。
詩を料理とするの人の心構えはこうです。
「単語は料 ....
サンボマスターの山口隆は、『そのぬくもりに用がある』のMCで、「言葉にならないからギターを弾くわけですよ!」と叫ぶ。この叫びを突きつけられたとき、思わず立ち竦んでしまった。そして、立ち竦んでしまった ....
お前が 一人だったら 俺は 誰もいなくなってやる
完全なる 孤独 いや? 孤独を 越えた その先の
奥深き 0になってやる
自分も消してやる
だが
死なないぜ? 孤独も仲間に囲まれていて ....
立ち位置を、探している。
いつまでも見つからない、
足の踏み場を。
もしくは、
消えてしまった君の幻を
抱きしめる、
世界の中心を。
人波の川が流れゆく
この街の中で、
....
湾曲している水平線上にて、
しめって酸化しそうな金属の肌が
垂れこめた雲に灰色の腐蝕を放っていて
見あげても星は降る気配
海の月の揺らぎ
飽和した幻影の瞬く電子
この神経を流れ去ることのな ....
三部作長きに渡る戦いの果てに何見た「ヘンリー六世」
一卵性双生児なら別の名をつけて下さい「間違い続き」
王国を馬一頭と引き替える悪の美学は「リチャード三世」
パイを食べ「タイタス・ア ....
今まで増やしてきたのは
少しずつ自分を押さえ込むように
キリストの手のひらの穴のように
自分の罪を示すように
昨日はずしたピアスは少しかゆい
自分の体が素直すぎて
なんだかやる ....
空の水がみな注ぐ
水無月ならばこそ
ガクアジサイのぼんぼりに
青色 むらさき
灯りを点けて
こころの内を絵に描いてみる
哀しみ惑う雨模様は
霧雨に溶いた絵の具で
ぼんやり滲んで ....
見捨てられ
見守られている
みなしごのはだしの歩みで
ちろちろ歩く
ああ僕らは本当に
時代の縁を歩いてきたんだな
そして時代という言葉が
うすっぺらくなった時代を知っている
人 ....
深い眼差しを、
赤く朝焼けした巨木におよがして、
動きだすふたりの直きせせらぎが、
ふくよかな森の奥行きを高めて。
始まりは、乾いた無音を燻らせる、
茫々とした朝霧を追い越して、
あさ ....
冷凍室に閉じ込めて
そっと 耳を寄せたりはしない
腹を裂き眼球を抉り
死なない形を創り上げて
寂しさを 裏側に貼り付ける
夜中の静けさが
硝子玉した眼に暗い光を燈すと
怯えた幼児 ....
雨が止みはじめた頃に、
傘を差しはじめてみた。
びしょ濡れになって傘の下、
僕は何かに守られていると強く感じる。
道の向こう側から、
少年が歩いてくる。
あの懐かしい長靴の黄色が、
僕の ....
吼えたくなるような夜
神経がギラギラ研ぎ澄まされて
目が光る
癒しの静かな夜
絆は曖昧で
不確かな明日に怯える
弱肉強食の人生の迷い道
時折訪れる温度の下がる
....
タバコを買いに玄関を開けると
雨蛙が雨宿りをしていた
物珍しいので
横にしゃがみこんで
雨あめ降れふれを歯笛で吹いた
ケリリッと一声鳴いて
雨蛙はぴょんこぴょんこと
行ってしまっ ....
あおくひろがる海
きんいろの空の境
ひかる波も白雲も
遠くて浜
ふたりで歩いて浜
ただ この一時だけでも
私とおなじく想ってくれれば
仰いではみおろす
―(わた ....
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