すべてのおすすめ
グランドの端で滲んだ石灰にあの日の雲の面影を見る
新学期水が抜かれたプールにもやがて積もるか木の葉と思い出
鐘が鳴る吸い込まれていく先はどこ一人で帰る放課後の道
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星島 〜タカラジマ〜
銀の帆の船は拒まぬ「可能性」ムゲンのココロ映せるものは
指で作る望遠鏡に反転のスカイオーシャンさよなら地球
広すぎる世界 ....
「さざなぐ海へ」
Runaku Masaki* Zakuroishi* Fujko*Rin Kazanagi
蒼低く岸辺に寄せる夜想曲(ノクターン)傷みをけして、染める ....
「赤い兵児帯」
Musako * Yui Hasuno * Runaku Masaki* kaz * Issey Azusa * Rin Kazanagi
夏祭り心そ ....
背景に滝を入れて撮られ居り
見知らぬ人との旅の安けさ
惜しみなく冬陽を浴びて青みたる
蓬のつづく海の辺を行く
(和歌山の燈台 日本の最南端)
銀婚の旅と出できし紀州路に
海の景色は ....
小窓から夕映えの空眺めれば心だけでも鳥になりたい
夢一夜 時空を超えて遥かなる無限の宇宙を旅してみたい
「詩人」より「歌人」と名告るほうが より あの娘の心 惹ける気がする
夜を覚めて雨音に肌の潤えり
冬の旱に満ちて心良し
霜などは年中知らぬと紀州路は
オランダ豌豆 冬花盛り
サルビヤの花立ち枯れて残る紅
紀州路を行く旅の実感
それぞれに旗を揚 ....
峡の宿に熱き甘酒すすりつつ
硝子戸ゆすり風移りゆく
屈託のなき表情に寄りてくる
見知らぬ土地に犬の親しもよ
海過ぎて つづらの道にバスは入る
枯れし芒も見る度の味
枯れ落葉 ....
ブルドーザー河川工事に爪上げて
アワダチ草を踏みしだきゆく
谷わたる霧のさざ波見て過ぐる
炎ゆるが程の紅葉なかりし
皮はがれ磨がかれし肌のつややかさ
杉の匂いの立ちこむる里
杉 ....
山の端に今昇りくる太陽に
向いて鳶は羽ばたきにけり
目の前の妖しき影にいぶかりしも
あげ羽蝶なり思はず和む
家毀ち空地となりて草萌ゆる
中に蒲公英艶やかに咲く
北山は吹雪と見えて霞みゐる
吾が行く川辺 陽は燦燦と
山茶花の花 ....
標識は海それだけを手がかりにギアはトップで{ルビ夏風疾走=サマーラナウェイ}
かざなぎでアクアスカイに叫ぶとき見えていたんだ白きクラック
無人駅いつから来ない夢列車ココナツの浜 ....
チョキチョキと なんでも切るよ チョッキンな
僕の鋏は グーにも勝つよ
洗剤より生れしシャボン玉の遊泳を
掬えば窓に にげる虹色
シャボン玉掬はむ姿勢 すかされて
運動神経 鈍る年かと
俄か雨に荷物ぬらして声もなく
ちり紙交換 信号に止まる
....
あれがねぇ
ユーミンですよ
おかあさん
唄っているね
頑張ってるね
「本当に好きな人はいないの?」と真面目な顔して私に聞くな。
「みんな好き。」そう答えてもあなたが満足しないと知っているから。
友愛も恋愛だって愛でしょう?どう違うかは知らないけ ....
草あかり部屋の中までたちてくる盛りゆく
飯も腕も染まれり
(嵯峨花の家)
行きあたる程に飛び交ふ黒き蝶
幻想めきし庭に立ちたり
(嵯峨花の家)
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長雨の晴れておちこち競ふごと干し物
ひらめく冬空の下
おしどりが小さき雨の波紋消し
みどりに染みし池をめぐれる
(苔寺にて)
花冷えの椿の寺はひっそりと五色の ....
立ち止まり
何を待つのか
空見上げ
来ぬ人思い
風舞う果てへ
めまぐるしく排ガスの数字変わるなか
河原町の信号渡る
老い母の如何にと受話器に声を聞く
会いたくなりて声とぎれつつ
赤ちゃんの取り替へ事件見ておりし
背丈伸びし子が眞違を問いぬ
....
今朝ほどの言ひすぎし事悔い乍ら
帰りくる子のおそしとぞ待つ
帰り来し子の淡淡と語りかく
明るき声に救われしなり
屑かごのプラスチックは音たてて
生きもののさまに動きを見する
も ....
草あざみ風はどこへと吹くのやら
一人の道に時は惑いて
くちづけはブーゲンビリアあかあかと
見つめる瞳にしずむ太陽
透きとおる{ルビ項=うなじ}をみせて{ルビ月見 ....
会話なし ずうっと見てる窓の外 地下鉄なのに 地下鉄なのに
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「プロローグ・夏」
風が吹く渚できみと見たものは プロローグ「夏」シャインドリーム
楽園と示す標は傾いて君へとむかう(アイタイキモチ)
駆け抜けろ渚通りは ....
呼吸するすべなど誰も教わらない駆け出す夏はどこまでも海
鍵盤を戸惑うような告白が胸をすみかに未来へ渡る
横顔にかける祈りもつかのまに夢から夢へ原理をつなぐ
....
手の上にカプセルの薬あそばせて
次ぎ編む服の配色と決む
夢に見しことくり返し夫語る子等は
留守にて話題ひとこま
硝子戸に写る雪影大きくて二人の夜が
童話めきくる
首すじ ....
石なげて しばししてより音のする
ダムの高さに心おののく
静かなる師走のダムに労務者の
網引ける声 四方にこだます
つぶらなる茨の赤き実の陰に
するどきトゲが短陽に透く
....
朝焼けに乾く唇噛み締めて君を待つてる息が白ずむ
ごんどらの唄を聞きたし二十八歳の夜更けに乙女に還れり
小指だけ繋ぐ初しさもどかしさつたはるならば今すぐにでも
....
井戸掘の職人たちは泥つけし
顔そのままにしばし仮眠す
階下にて九州土産の風鈴が
台風予報の風に音たつ
名月に逢ふひとときを足らひゐて
たゆたいがちに春間近かなり
【昭和四十八年 ....
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