あたしは一人がいい

その子はぶっきらぼうにそう言った

たしかにその子はひとりぼっちで いつも皆を眺めていた

なんで?

わたしは聞く

一人なら 傷つかなくていいもの

 ....
わたしはあなたを生んだ

でもわたしは あなたを抱けない

わたしの身体は灼熱の炎

あなたが燃え尽きてしまうから

わたしの吐息は害毒の霧

あなたを侵してしまうから

ああ ....
両手のひらに
こっそり書いた「冷」の文字
僕は忘れん坊だから

冷え性対策の頁を見てたから
布団からはみだした足先が
とっても冷たかったから
今日は帰りに
ちょっと入りづらいあの店で
 ....
賢い主婦はスーパーで
手前から古い牛乳を買うのだそうだ

ここにいない死者のために

未来
まだ生まれこぬ子供らは
つまり
まだ死者の国

私たちは循環する
古い牛乳を破棄する ....
       
      1

ゴルゴダの丘の受難が、針のように、
人々の困惑の眼を包んで、
砂塵の闇に、厳かに、消えてから、
すべてを知った空は、
瞬きもせずに、顔色を変えることなく ....
葉っぱが舞う校庭

都心の小学校

少女は
アーバンコートの校庭に
いつも上履きで駆け出し
そして遊んだ

外履きに履き替えるのは
校庭の隅にある「自然園」に入る時だけ

自然 ....
リチャードカールソンは言った
期待を捨てれば
自由になる と

あたしは頷いた
自由になるためなら
何でもする と

けれど彼は言った
自由になれるという希望が
また期待でもある ....
 
今朝 
露にかがやいて
咲いた朝顔が

のこらず 
消えてしまつた

―小鳥が来て 
食べてしまつたわ―

と 
その家の母親は 
呆れ返つたが
 
真実は 
その ....
君は畑の太陽さ
そう ハロウィーンの日にはね
君は一晩中輝いて
不気味な笑みを浮かべてる
ハハハ アハハハ
そんなにおかしいかい?
ちがうよ これは魔女のしわざさ
ハハハ アハハハ
魔 ....
十五に満たない女の子が
いのちを
空に差し出した

私は
彼女にかけることばを知らない

生きていれば
きっといいこともあるんだよ
なんて
そんなこと言えない

誰かが
きっ ....
空は高く遠くなり
世界は広がりを増す
世界の広がった分だけ
切なさが生じる

秋風が冷たくなるにつれ
世間の風の冷たさを
ひしと感じ
孤独を強く感じる

秋の移ろいは
心に隙間風 ....
秋風の中を歩くと
そのひやりとした空気が
私を寂しい気持ちにする

日に日に秋風は冷たくなり
やがて木枯らしとなっていく
落葉の舞うなか
私は混乱する
自分が木枯らしに飛ばされて
消 ....
僕は気がついたら独りぼっちになっていた
お父さんは何処かに行ってしまった
お母さんは病気で亡くなってしまった
引き取ってくれたおばあちゃん
優しかったおばあちゃんも病気で死んじゃった
親戚の ....
エレベーターの扉が 
左右から閉まりかけた 

その時 

ひとりの青年がこちらに 
歩いてきた 


( いってしまおうか・・・ ) 

( いやまて、ひらこう ) 


 ....
 
 時を告げる鐘が鳴るとき
 僕は寝ぼけまなこで君を見つける
 君は空に舞う鳥たちを捕まえようと
 大空に木霊する声を上げる

 君の願いを叶えることの出来ない僕は
 かかしんぼう
 ....
ねぇ、
最近は希望を謳うものが少ないね
それでも 悔やむ必要はなかったんだよ
それだけ世界が広いってことだったのさ

ねぇ、君は
苦しかったのかい?
一度心に入れたものは
決して吐き出 ....
くすんだ星空におやすみを言って

物凄い寝相で寝ているおまえたちにおやすみを言って

まだまだ元気な犬たちにおやすみを言って

たまにはオカンに電話でおやすみを言って

親父によろしく ....
きょうの風は
きみの笑顔の
香りがする

きょうの空は
きみの心そのままに
澄んでいる

そして
きょう
きみは
きみの中の
海にかえる
冷たい風が吹く
誰もいないススキ野原で
遠い音を聞いていた
はるか彼方から聞こえる
俗界からのメッセージは
幼い僕の心をとらえた
 遠くで車が行きかう音
 汽車の行く音
 夕方のチャイ ....
幸せは
仕合わせと
書くのだと
誰かに聞いた

自分から努力して手に入れるのが
仕合わせなのだと
言いたいような顔をして
ところてん売りのお兄さんは
鉢巻きをしてバイク ....
 緩やかなカーブ
 暗闇の中
 光る目
 先には本当に
 朝日が待ってくれてるのかな

 疑心 暗鬼を呼ぶ

 ビルとビルの{ルビ間=さざま}で
 忘れ物をしたことに気付くも
 ....
 見上げる夜空はどこまで続く?
 見果てぬ夢は地平線の向こう側

 牢獄に監禁されし脳味噌は
 時代のエスケープに染まっていくし
 便りを一向によこさない女は
 ネオンの街で夜に遊ぶし
 ....
着物を纏い
おしろいをはたき
紅い紅をひく
あとは道を行きかう男どもに
色目を使い やさしく手招きをすればいい
それがあたし達の仕事ってもの

嘆く女もいる
本当に抱かれたい人は一人だ ....
一日の疲れを 
シャワーで洗い流していた 

湯舟には 
二本の髪の毛が組み合わされ 
「人」という字で浮いていた 

水面でゆっくり回って逆さになり 
二本の毛の両端がくっついて 
 ....
     
     苦しかった

     つらかった
  
     我慢してた

     誰かにきいてほしかった

     吐き出してしまいたかった

     ただ、 ....
覚えている?
遠い遠いあの昔
あなたもわたしも 一人残らず
(胸を張っても良いわ) 皆裸のビーナスだった
つんと澄ましたそよ風とお気に召すまま たむろして
竹やぶの中を心は解け 駆けて行った ....
◇コスモス


炭鉱の閉山跡を

コスモスが埋め尽くして


炭鉱夫の青春が還つてきた

背景はあまねく

コスモスと青空



◇金魚


金魚は

いくら ....
煽る役
煽られて
炎が立って
こんにちは
ご機嫌よう
では、では
なんて
曖昧なことを言いながら
ゆらゆらと揺れて
揺れていることも忘れて
下重
なんて言ってみる
シモジュウ
 ....
人は誰かと支えあって
心を通わせて
生きていく

私もその一人だけど
私を支えることの出来る人を知らない

心を完全に通わさず
たまに
わずかにかする
誰かの声

その声に出会 ....
雨は降る
無情の
恵の



日は注ぐ
旱魃の
神の



一本の幹に触れる
真っ直ぐな
曲がりくねった



別れた妻を想う
不肖の息子を想う
置いてきた過去 ....
ぽえむ君さんのおすすめリスト(6409)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ニンゲンずきのヒトぎらい- 朱桜天  ...自由詩306-11-1
太陽の女神- 朱桜天  ...自由詩206-11-1
冷え性対策- 佐野権太自由詩18*06-11-1
今ここにいない死者のために- umineko自由詩13*06-11-1
遠い眺望- 前田ふむ ...自由詩17*06-11-1
上履きの少女- ささやま ...自由詩15*06-10-31
リチャードカールソンは言った- ごまたれ自由詩8*06-10-31
朝顔のゆくへ- 杉菜 晃自由詩10*06-10-31
Jacko'lantern- 未有花自由詩4*06-10-31
コスモス- umineko自由詩11*06-10-31
- ajisai自由詩5*06-10-30
寂しくて- ajisai自由詩5*06-10-30
生きるって何だろう- ajisai自由詩2*06-10-30
ふたつの声_- 服部 剛自由詩13*06-10-30
かかしんぼう- 山崎 風 ...自由詩806-10-30
ねぇ、君は・・・- ごまたれ自由詩2*06-10-30
おやすみをいって- 自由詩10*06-10-30
海に- 草野大悟自由詩7*06-10-30
遠い音- 未有花自由詩18*06-10-30
冬虫夏草- あおば自由詩8*06-10-30
一筋の光- 山崎 風 ...自由詩406-10-30
遠ざかる子供- 山崎 風 ...自由詩306-10-30
花魁- ごまたれ自由詩306-10-29
「人」- 服部 剛自由詩11*06-10-29
誰かにきいてほしかった- 逢坂桜自由詩14*06-10-29
田舎町の女の子- きりえし ...自由詩7*06-10-29
コスモス_金魚__・・・・・- 杉菜 晃自由詩13*06-10-29
小田急電鉄のトフ- あおば自由詩4*06-10-29
通じる- 緋月 衣 ...自由詩3*06-10-28
正誤と言うこと- 恋月 ぴ ...自由詩24*06-10-28

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214