灰色の聳え立つそれが黒に沈む
飲み込まれてゆく感情
溶け出してゆく夢想
終わりの始まりに手を触れて
したり顔で肯く
足元を転がりゆく塵に成り果てた新聞紙の
見出し ....
あなたに感じないもの
それはリアル
あなたが
人形みたいに硬くするから
それは
慎むことだとわかってしまう
入り組んだ住宅の細い路地を
あてもなく曲がって
ここがどこだかわから ....
深夜の浜辺で
青白い顔をした青年は
{ルビ焚=た}き火の前で{ルビ膝=ひざ}を抱えている
肩を並べていた親しい友は
すでに家路に着いた
胸の内に引き裂かれた恋心
誰の手に ....
風を見たことが無い。だけど風が吹き木の葉が揺れ季節の変わりを教えてくれる。
髪がなびき 季節の香りがする。
風が透き通って行く度に桜の花びらが旅立っていく。
行きかう人々が 花びらの ....
怒る怒る怒る怒り狂ったボールが大爆発炎症
爆発爆裂莫逆非道の大殺戮が瀰漫する日曜日
殺せ殺せ殺せと子守歌の輪唱竜胆胴田貫正国
がらんどうの地下道に待避せよ神経衰弱の蛙
がらんどうの脳味 ....
繋いでいた手が離されて
ぼくは一人になっていたよ
孤独がこんなにせつないものだと
君を無くして初めて知ったよ
ずうっとずうっと一緒にいると
勘違いしてたのは僕だけ
....
遠く過ぎ去った日々ょ
おまえはリグレットの走馬灯なのか
いまや「生」が手ごたえもなく戯れている
にびいろの「風」と「光」にむかって
近くに迫って ....
散る散る ちるらん
花びらの
風に任せた行く先は
夏の匂いの西方か
揺り揺る ゆるらん
水面に降りて
さざめく海に恋がるるか
思えば君に逢うた日の
宵は海辺に砂嵐
さらさ ....
好きで好きで
たまらないのにさ
恥ずかしさとか
色んなもんが頭をよぎって
言葉になんないんだ
好きだよ
そんな一言すら言えなくてさ
一緒に歩いていて
君の手を握りかかった手 ....
桜の下には
死者が眠るという
桜を求め
通いし春は
いっときの
戯れにも似て
ああ
私が見たのは
この桜ではなく
あの桜でもなく
解せぬまま
散り急ぐ花弁に
幾 ....
大理石の{ルビ初心=うぶ}な冷たさに
灰色の空のもと青い花が咲いている
わたしは、
結果の過程であります
いま見ている景色
いま聞いている音色
いま今は
すくなくともわたし、
うた ....
どんよりとした鉛色の雨が、わたしの空洞の胸を
突き刺して、滔々と流れてゆく冷たさが、
大きなみずたまりを溢れさせている。
みずたまりには、弱々しい街灯の温もりによって、
歪んだ姿のわたしの言葉 ....
足跡は
続いていく交差点の
その先に落ちている
踏締めるには少しだけ、遠い景色
よくありそうな一日を
(転がるように)
*
無駄なことだと、言葉にしたものと
無駄 ....
わかったこと
人は皆 わかりやすいことが大好きだってこと
人間は 境界線を探し続ける生き物だから
人と人の境界線は
きっとすべて一本に
しっかり寄り添っているのだろう
その線の上を ....
目に見えない0と1が
私と私でないものを繋いでいる
まるで未成熟のか細い{ルビ蔦=つた}で
例えば、それがなくなってしまえば
事切れてしまう危うい命綱
そんなもので繋がっている
人の影を慕 ....
反日気分が国中に瀰漫して
日本製品のイメージの低下
製品の競争力を増やそうと
日本企業は打開策を探す
ぶんぶく茶釜で湯を沸かし
ウーロン茶
ジャスミン茶
プーアル茶に孫悟空
キ ....
春に降る雨で
体のかたすみが
ざりざりです
暗闇に体を置いて
ぬくもりだけに委ねれば
心の対流で
とりもどす
ほんとうのすがたで
触れようと指を伸ばすと ....
水たまり ゆらゆら 白くのぼり 消ゆる
あたたまって 心 雲になるは ゆらゆら
申し送りの 風とともに 消ゆる
季節といえば それだけで 過ぎてゆく
はるかな る ゆらゆら
夢のつづきを上映なさる、
あめ色に半透明な
翅のスクリーンに
隙もなく並べられた円卓が。
潤む瞳、
凸レンズ式の
灰皿におとした視線に煙り
鉛の筆跡で笑えず。
夕べは、霧の森で ....
夜と朝の境目を
あたまにもんやり思い描いて
その境目に垂直に
新しい線をひとつ引く
こんな簡単な線なのに
名前も何もないのは
きっと必要がないからだけど
わたしはソレに
ポピー ....
かくしたの。
たまごかくして、
おいたの。
とんがり帽子に、
かくしたの。
帽子の中には、
にわとりさんがいて、
たまご暖めて、
いるの。 ....
突然オレンジの閃光がぼくを照らした
光りのなか
僕は立ちつくすんで
身動きがとれない
日々重なる重圧
生きることを諦めたくもなる
希望の咏をねじり込んで
頭にイン ....
その破天荒な男は
ある晩、僕等の目の前に現れた
目に映るあらゆるものに逆らい
虚空に拳を殴りつけ
いつも目に見えない何者かの影に怯えながら
心の弱さと戦う彼は
一体何を求めてい ....
髪をゆるやかに洗う春
花たちを促し
か細くささやく夜
はらはらとお話
本は開いたままに
ゆらり眠り
ホルンの音が耳に
夢に妖精が踊り
そっと見ていて
あの歌
空と大地に触れ ....
あなたを
所有することも
捨て去ることも
できずに
ただ
他愛無いメールを打って
返事が来れば
それで
幸せ
めざましテレビの占いが
なんとなく気になるように
今日 ....
おばあちゃんがすばやく縫ったのは
転がったネコ
むっつりしたサラリーマンに
走るランドセル
白く光る空気の中の
まるい栗畑の景色
白い雲の手袋をしたおばあちゃんが
渡してくれたそ ....
春の日のベンチに腰かけ
ひらひらと舞い落ちる
桜の花びらを見ていた
肩越しに吹き抜ける風が
「 誰かの為に身を捨てる時
そこに天はあらわれる 」
と囁いていった
....
春のスウィッチはさくら色
澱んでしまった想いもほどかれる
咲いた咲いた春が咲いた
萌黄いろのそよ風に乗って
ほんのりと街が色づいていく
ふらふらと漂い気分浮上中
山からの冷 ....
今年最後の花びらが
君の髪に 舞い落ちたとき
僕は 始めて
恋の 儚さを 知った
君は
僕の 愛した
艶やかな 黒髪を
別れの後に
切ってくれるのだろうか・・・
....
幸せの向こう側にいる
あたしもあなたも手を繋いで笑っている
人はきっとおかしく思うだろう
ほら
歩くおばちゃんが怪訝な顔してる
わかってることだ
今更何を悔やむのか
ぼんやりと輪郭を ....
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