私が歩く
貴方が歩く
私がとまる
貴方がとまる
どうしてかしら
同じ行動
涙を流して叫んでみても
届かないと思っていたのに
どうして貴方が悲しそうに
川を見ては佇 ....
目を閉じると
ざわざわとした瞼の光がある
生き死にとは関わりのない所で
夜に終わっている
大変な引力で
言葉が土に還っていく
無音とはそういったもので
雪でも降ったりするんだろうか
....
窓硝子を挟んで
浅い春は霧雨に点在し
わたしに少しずつ朝が流れ込む
昨夜見た夢を
思い出そうと
胸を凝らしたら
微かに風景が揺れた
なかば迷子の眼で
周りを見渡 ....
北の国を目指し飛び続ける本州鹿の群れ
先頭近くを飛ぶ小林と岡田が先程からしきりに話をしている
小林が言う
今飛んでいる方向は
西に0.000000000000000203度ずれ ....
山の中の坂道に出来た町のなかで一人だった
夜
五年も前
五年も経ってない夜
秋
マスターがアブラムシと言い張る茶羽ゴキブリだらけの木造りの飲み屋
別名だとはわかるけ ....
色んな石を見つけても、
その石がみな輝いていたとしても
其れが宝物になるとは限らない。
だからこそ人は
迷い そして選び 何かを認めるんだろう
真っ青な空が好きでも ....
どっちが優れている? そんな話より
君は僕にないモノを持っていて 僕は
君にないモノを持っている そうやって
互いのタシカナモノに 近づいていこうよ
そりゃいいことばかりじゃないよ
でも ....
{引用=
かれこれ十五年くらい、俺は土を掘るだけの仕事をしている。
はっきり言ってしまえば、何も楽しいことはないし、あるのは日々蓄積する肉体の疲労感だけだ。憂さ晴らしのためにある給 ....
俺は墓標を背負って歩いていて
いつもそうだから当たり前だと思うかもしれないが
背負うってのはそう簡単なことじゃない
例えば仕事だ
この仕事の成功は俺の肩にかかってると言うが
それはつまり ....
大好きなお店で
おいしいご飯
1人だけれど
1人じゃない
君はアネモネ?
よろしくね
僕らはただの同級生
それ以上でもそれ以下でもない
あと3回チャイムが鳴ったら
きっともう二度と会う事は無い
サッカー部に入ったきっかけは
君がマネージャーをやっていたから
....
朝鳥とともに
目覚め
朝目覚ましとともに
ゴミを出す。
快晴だ
白い富士が際立つ
今日はコピーの仕事が
待っている
おばちゃんの虐めに会う
ぐっと堪え
お客様の笑顔を思い描 ....
白髪を掻いて
新聞を読んでいる
あなたは
岩だ
猫を
下手くそに撫でる
次郎丸は
僕が名づけた
うちで生まれた猫たち 三匹
母親にとって
あんなに大切だった ....
こぼれる陽の光に
ぼくらは、似てみたかった
つたい落ちる月の光に
ぼくらは、似てみたかった
つないだ手が、ぎこちないのは
歩いてきたからなんだよ。
あの頃より無器用な ....
木に囲まれた公園にロケットの形をした遊具があって
それはいろんな色の鉄棒と鉄板で出来てて
張りぼてで
螺旋の滑り台になってて
同僚と会社をサボって俺んちで短パンに着替えて去年の夏
Yシャツと ....
雨粒
ぱく り
うんと高いビルの一番上のレストランなんかより
うんと美味しいって知ってる?
食べつくせ
食べつくせ
七色が
ごちそうさまの合図
食べつくせ
食べつ ....
東へ行けば犬が跳ね
雨が降り
子供は傘をささずに
自転車で走り抜け
車は水しぶきをあげて
一瞬で通り過ぎる
西へ行けば
オヤジは傘で私の頭を刺し
自転車の親子連れは
右に曲がって ....
この星から遠く離れていても
君を忘れない
詩に深みが出るように
ハチミツのような心に愛情をどっぷりと浸からせるよ
君の魂の故郷に
僕の想いはしゃぼん玉のように飛んでいくよ
も ....
花を
花を摘みます
何度経ても
懐かしいと思う
春先
まだ小雪がちらつく
今
柔らかい
萌黄をすり潰した指先を
ほんの少しだけ
口に入れ
ほろ苦い
顔を
思い出しまし ....
図書館前のCDショップで 貴女の姿を見つけました
貴女が あまりにも眩しかったので
つい 逃げ出してしまいました
....
光って闇に落ちるガラスの中で
ゆっくりやさしくながれるメロディの
音符との闘い
君を捜しにいったホワイトキャッスルで
君がうすく消えかかる自然現象
僕は胸のうず ....
さがしてみても
しっぽは見つからない
まるで
気泡のような午後だから、
いつの窓にも
ふたりは
求めて
やわらかな、視線
だれにも始まる
デッサンの
....
木漏れ日の降り注ぐ駅前の並木道で
信号待ちをしている君を見かけた
髪型と服装以外何も変わっていない君
懐かしい気持ちが風に乗って蘇る
今なら気兼ねなく話せると思い
君の元へ駆け ....
ねえ もう桜
見上げた空には
花びら
去年とは違う君
去年とは違う僕
川面の色
遊覧船
舞い散る花びらも
さみしくない
こわくない
たとえどこに落ちようと
変わ ....
何にもない、何にもないってよ俺たち
肩を寄せ合って
それで夢ばかり詰め込んで
どんどん広がって、どこまでも広がってさ
まみれた両腕で
濡れ手で粟、そうやって集めたモンが
ひゅうと、そよ ....
懐かしいノートを 取り出した
短い詩と ともに 行ったり来たりする心が
眠っていた
そうだね そんなこともあったね
1つも忘れてなんかいないと思ってた あの時からの出来事も
いつしか ....
青くなった春のまぼろしを
赤くなった夏のかげろうを
白くなった秋のおもいでを
黒くなった冬のトルソーを
はつはるの霊気をはらんだ
....
だうな〜で
仕事さぼった翌日に
こころの{ルビ垢=あか}・{ルビ錆=さび}ふりはらい
いつものバス停に向かう
歩道の
前を歩く女子高生
突然ふりむき
( すかーと ふわ ....
嫌になるときだってあるよ
そう言うと
友だちは笑顔でうなづく
さほど広く無い部屋に
ふたつ机を並べ
四十六時中
お互いの気配に触れ合って過ごす
それでも机と机を隔てる
背の低い ....
雨ばかり降るこの町では
カーテンはいらない
孤独に悩んだら
さっさと一人で太ってゆけ
緑のソファーは
お尻の形にくぼんでいる
テーブルクロス
は少女のペチコートだったものだ
....
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