夢って
醒めてしまうから
面白い
どこまで酔えるか?
酔わせられるか?
面白い
醒めても
冷めないか?
面白い
醒めたら
愛憎は逆転するか?
面白い
心はいつで ....
考えてみるともうずっと
生活はあなたの色に染まっていて
以前がどうだったかなんて
少しも思い出せそうにない
だからと言って
あなたとの距離が近いかと言えば
残念ながらそんなことはな ....
疲れた体を
冷たいベッドに横たえて
昨日の夢の続きを再生しましょ
夢みたいな夢
現実よりもはるかに現実
どっちでも大して変わらないね
あら
どういう風の吹き回しかし ....
カーテンの隙間 零れだす光の粒
もう少しゆっくり世界が周ればいいのに
この感情に名前を付けるのは辞めよう
この{ルビ空間=そら}は 確かに生温く心地良い
此処が楽園だというのなら
今 ....
無言にて薔薇一枚を差出され
祈りの如きさまに受け取る
抱え持つ洗濯物の子のズボン
ポケットに鳴るは はだか銭らし
かきつばた あやめか しょうぶと論じつつ
床几に寄りて賑はふ ....
白いあじさいは天使の繭
喜びのうちに生まれるので
雨を涙だとは思わない
ちいさな雨粒は
神様のみ言葉
一人ぼっちだ
花々の中で
麦畑を風が渡って
そこに点在するポピーは
そのひとつひとつが
恋で
黄色と赤の美しい翼を持った小鳥が
巡礼道の真ん中で風に吹 ....
美しい旋律
力強い低音
心が洗れる
神聖なる音
楽しく毎日
全てが順調だ
何も心配する事はない
話はそれだけかい?
全ては気持ちの持ち方
全ては同じ1日
全ては笑顔
全て ....
幼稚園生の頃
憧れの若い保母さんと
いっしょに風呂に入った
夢を見た
20年ぶりに
同窓会で訪れた幼稚園の庭
不思議なほどに
あの頃よりも
狭かった
....
終電前のファミレスで
熱く語っていたきみが
うっかりテーブルに忘れた
空のペットボトルを
ぼくは自分のリュックに入れた
きみのゴミを拾うことで
自分を少し削れたような
....
古い日記の頁を{ルビ捲=めく}ると
遠い昨日へ
葬られた{ルビ女=ひと}の名前
( 霞の向こうに立つ、その人影 )
左手首に巻いていた
あの日の腕時計は
いつのまに、{ ....
揺れる電灯を
膝立ちのままで、消す
扇風機からの人工が
生々しく
私の頬を通り過ぎる
茶色い光の下
飛び交う光がある
テレビを消してみた
全く
見えなくなって、しまった
....
あの日。
あなたと出会った日。
頑張っているあなたの姿を見てときめいたのは、
だだの迷いだったのかな。
あの時。
あなたに声かけた時。
どうしても「お疲れ様」言いたくて引き止めたのは、 ....
生成のサウンドを折りたたんでゆく
たそがれが訪れると
にぶくなったひかりのなか
夕刊を斜め読みする紙音だけが囁く
....
前髪の白きに毛染吹きつけて
女身愛しと笑われもする
蓑虫を二つぶらさげ鉢植の
さつきは強き夕立を受く
草の実を体に着けし犬と吾れは
川辺歩めり秋風の中
雑踏の中のマキシ ....
私たちは
雨の絵を描いたり
バケツに水をくんだり
シャワーから水を出してみたり
思いつく限りのことをしてみたけれど
先生はそうじゃないと言って
青空のはしっこをつかんで
そっとめくってみ ....
ハイ松の低く自生する
ゴロタ石の 登坂道
岩に付着した わずかな土を糧に
可憐に咲く 薄ピンクの高山植物
見上げれば
万年雪の雪渓
緑の絨毯と白い雪は
自らの領土を主張し
....
白い光でスキャンされ
忘れていた癌がズキンとする
お母さんの両手から
ポオンと青空に放り投げられた開放感と孤独感
夕暮れの罪悪感
ランドセルの手触り
時が止まったせいで
古い記憶がジワリ ....
翼が折れてしまった 天使は
それでもなお 天を舞うことを諦めない
もう一度 あの空を
友と{ルビ一緒=とも}に
もしも
人間の背に翼があった ....
きみは激しく泣いていた
初めて背負う肉体の重さと、
もう止まることのない時間の速さに怯えて
予想もしていなかった祝福と、
手荒い歓迎の痛みに驚いて
きみは激しく泣きながら産まれてきた
....
人は吐血しながら
走れたりするのかな
どれくらい際限なく走れるのかな
あなたのためにと断定して走ってられるかな
たくさんのものを大切に失くしたんだね
明日じゃ間に合わなくなるなんて大した ....
扁桃腺腫らして臥せる吾が側に
苺食みつつ子等は饒舌
もの煮ゆる音も親しき独り居の
夜は気ままに猫の相手す
鄙びたる里を吹く風 豌豆の
からめる蔓をゆさぶりて過ぐ
くせのある ....
ちいさな ちいさな
そらを見つけたのは
近所の公園で遊んでいた
三歳くらいのおんなのこの
瞳の中
よちよち
浮かんでいるようでした
おおきな おおきな
うみを見たのは
田舎の天文 ....
欠陥だらけの地球の上で あたしたちは暮らしてる
我が儘通せない あなたのそばじゃ 息が詰まって苦しいの
あたしは独りでも生きていけるから
ごめんね いっし ....
下をみて小さな幸せ探してる
三つ葉だ 四つ葉だって一生懸命に
でも人はたった一つの
三つ葉や四つ葉じゃ足りないくらい
大きな幸せ心に描く
前をみて
空をみて
明日をみて
そうして一つずつ確実 ....
詩を書く人は
ほとんど男に多いのだが
自分を重要人物だと思い込みすぎている
音楽はそうでもない
映像や漫画はもっとそうでもない
演劇だと少しそうでもある
ネット詩人というか
いい年こ ....
唾を飲む。
ごくり、と耳に響いてく。
目を閉じる。
あの日の空が見えてくる。
聞こえてる。
君の歌声今もなお。
声をだす。
浮かんだ言葉をひたすらに。
泣いてみる。 ....
いつか僕は死ぬ
目を閉じても何も変わらない
いつの日か僕は死ぬ
眠いとき寒いとき
弱いとき暗いとき
明日は遠く霞んでしまって
あなたの似姿が ....
目のまえがぱあと明るくて足もとのきんいろの草っぱらがどこまでも続いていると思ったら
それはそれはわたしの夢のなかでのできごとで
目をあけるともうお日さまはずいぶん高いところにえっちらと昇っ ....
眠れない
夜をふみこえ
たどりつく
朝という空
風がそよいだ
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