さいきんよく遊んでもらっている猫がいて
その人をみていてわかったのだが
猫ってわらうんですね
で
その表情は
じつにうれしそうというか
なにもできんくせにとくいげと ....
つないだ手を
そっ、と離して
春までの距離を
歩数で測っていた君は
三十一歩でくるり、と振り返って
僕に何かを伝えてきた
如月駅を走り出した始発列車が
僕を追い越して
君を ....
時の{ルビ端尾=はつお}を握り締め
いまだ名もなき{ルビ形=なり}を孕み
音なき音に耳を{ルビ欹=そばだ}て
真空妙有の{ルビ現=うつ}に凪ぐ
深遠に{ルビ籠=こ}む白い背 ....
あの人が縁側で
たばこを吸っていた。
たばこって美味しい?
と、私は聞いた。
うーん。
その人はうなって、
「美味しい」ってわけじゃ、
ないんだけどな。
と言った。
癖になってるよね ....
瞳を閉じた、夜空の下の君
君が、その目を開く、次の瞬間
僕は自分が どうなっているか、この頃 不安なんだ。
君が本当に涙を止めるまで
もし、僕がここに居られないとしたら、 ごめん、あや ....
ふと思い浮かぶ言葉に思い入れは無く
でも考え尽くした言葉より重要であり
思い入れが無いので重要さを忘れがち
今日何を考えて時間が過ぎていたのか
全く記憶にございませんごめんなさい
数 ....
空がね
ほらこんなに 青い
太陽がね
ギラギラで
街を 隅々まで
照らすから 輝くから
小さな 体を
大きく 開いて
胸に 大気を 流し込む
流動の空気は『風』って ....
海の広さを初めて知った
自分の小ささを初めて知った
築き上げてきた世界のイメージが
音を立てて崩れ去った
蛙は風のない浜辺に佇み
この海を越えていこうと決めた
岸から随 ....
たぶんそれはこの世界で
一番愉快な行進曲
普段は寝てばかりのコアラたちも
この時ばかりは飲めや歌えやの大騒ぎ
いつもはおしとやかなあの娘も
イタズラ大好きなやんちゃ坊主も
....
わがまま言っていいよ
僕の事 好きなら
もっと
わがまま言っていいよ
君の事 好きだから
もっともっと
わがまま言っていいよ
....
その少年は無垢なようでいて
染まっているまたは染めあげられている
もうずっと前に
そうだこの子の歯が三十二本あたらしく
生えそろった頃に
俺はあの
沢山の水とほんの少量の油を入れたでか ....
いいやもう
いいやもうって
思います
僕の言葉は
風に呑まれる
だってさあ
だってさあって
いうけれど
風が吹いたら
それでさよなら
いいやもう
いい ....
僕が働く村は 小さな漁村で
大工仲間のゴルカ君と ベンチに座ってお昼ごはんを食べる
ゴルカ君の奥さんのロシェさんはお料理の先生で
ゴルカ君の持ってくるお弁当はいつもキラキラしている
ゴ ....
なんとなく笹身が食べたくなった
馴染みの肉屋を覗いてみる
「おじさん笹身ある?」
「おぉっ!活きのいいのが入ってるよ」
二つ位は食べれそうだ
「じゃあ二本ちょうだい」
g108円の秤が ....
20007/02/15
白い雑巾縫い始めたのが
掃除の始まりで
真っ黒に汚れた足の裏
ぞうきんがけを覚えたのが
小学校の廊下
電車道のようにまっすぐに
競争して ....
あの子はとても臆病
電車に乗ることすら
躊躇してしまう
きっと
知らない世界に行ってしまうに違いないわ、なんて
あの子はとても臆病
食わず嫌いばっかりして
チョコレートは ....
その指にリングがはまっている
これが何を指しているかは
すぐにわかった
大切なつながりができたんだ
やっぱり
ちょっと切ない気持があって
きっと
目にしてしまったときは
....
鼠色の煙が
昔この場所を制していた
今は
その煙を製造していた工場は
取り壊され
この世から姿を消した
人々は期待した
工場と共に
この煙も消え去ると
だけど
それは間違い ....
どうも!
かくれんぼで鬼になったのはいいが。
百数えている間にみんなに家に帰られた事のある。
そんな日の夕焼けが目に沁みて仕方なかった僕がここにいます。
どうも!
当たりつきのアイス ....
猫集会というのは
聞いたことがあるけど
エビ集会というのも
あるのですね
ところで
議題は何でしょう
餌の量の件でしたら
善処します
一足跳びに
街を 駆け抜けて
生暖かい 風
頬に 感じて
猜疑心の 日曜日
冷戦模様の 月曜日
廻 る 火曜に
理 解の 水曜
誤 ....
今が過去になった
今が未来だった
何十億もの刹那を刻み
人は歩き続けている
過去は今だった
過去は未来だった
後悔しても引き返せない
そんな道を人は歩いている
未来が今になる
....
あどけない
君の 瞳
覗き込んだ
闇色の 輝きに
僕は
もう
くら くら
甘い
淡い
ヒトトキを
無残にも
切り離されてしまった私達が
無意識に吐き散らした
ため息の中
そこに燃え残りの灰があり
それは空を覆って
雨となり落ちるのです
だからここに降る雨は
川を汚してしまい ....
鈍色の海をみてた僕に
君がみせてくれたのは
冷たくひびわれた
氷のような心
その澄みきった輝きが哀しかった
僕の胸を満たしてる水は
少し濁っちゃいるけれど
....
母なる海
更なる深海
棲みつく
数多なる妖精たち
数多なる朱儒たち
暗闇の中
故意な主張もせず
透明の四肢六肢八肢
生命を明確に見せつける
体内の消化器官たち
威嚇用のLEDライトのよう ....
悪も善も無い 悪も善も無い 初めから無いからだ 決めつけているからだ 無きものについて 道徳として 人々は一人ずつ ....
着かない
電気
ガス
水道では無く
電話
ガス
電気
そして
水道となる
帰宅する
と
電灯
が燈らない
仕方無く
電話機に手を伸ばすが
電話を停められて ....
届け、私のココロ!
甘くて苦いこの気持ち
こころの底が愛を求める
簡単には 埋まらず
理想の人は変わり
変わってしまった自分を
汚らしく思うこと
愛すれば 報われる
そう信じていた頃に
見落として ....
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