今年最後の夕陽が沈んだ
いつもなら静かになるこの町も
夜になるにつれて盛りを増してくる
私は炬燵で紅白を見ながら
年越しそばを食べている
もうすぐ除夜の鐘が鳴る
今年の ....
信頼を損ねぬように
しなくては
ならないと思いました。
ごめんなさい。
苦しかったのです。
不安で不安で
心配で心配で
許して下さい。
私が悪いのです。
もっともっと
愛し ....
久しぶりにこの地に雪が降った
雪の降る朝の空は冷たい味がする
日の光が淡い空の向こうから染み込んでくる
沢山着込んでしまいたくなくて
わざと足を冷やしながら
そろそろと雪をまとう
....
規則正しく等間隔に
連なる車
まるで
親子のように
親戚のように
連なっている
本当は
どこかの一族みたいに
見えるけれど
車の中の人々は
お互いを ....
今日は、今年最後の日
1年という単位で区切ると、本当にいろんなことがあった
笑って、怒って、泣いて
そうだった、あの時はこうだった、なんて
忘れないと思 ....
静かに
指をあてた
静かとは
ゆらぎ
静かとは
雨
静かに
そう言う
あなたが
薄暗くて
もう
見えない
━例年大晦日の朝刊に掲載の墓碑銘を見て━
つつじが丘のもがりぶえにおののきながら
マリンパークの潮騒にうなされながら
....
感情が
溢れるように
思考回路を、
意識を満たしていく。
存在しないはずの
出来事が
存在する 自分 を
侵して いく。
消えないで
行かないで
泣かないで
置いていかな ....
同じ干支が二度繰り返され
私は何人の顔と
すれ違っただろう
美しい顔
怒った顔
そして何より
醜い顔に
話すことなく
息を交わすことなく
ただ
すれ違っ ....
哀しみのあなたに
なす術をもたない
わたしもまた
その非力さゆえ
自らの存在に
哀しみをおぼえる
星の瞬きの
ひとつひとつが
人の願いというならば
わたしのそれは
確かな理由を ....
最近どうもこころの具合が悪いので
独協医科大学越谷病院で診てもらったら
末期症状の悪性腫瘍だと診断された
インターン上がりの小生意気なやつから
あなたのこころはあと数日の寿命でしょう
なんて ....
止まれと言われても
蜜柑色の空が
呼んでるからね
右から左から
甲高い機械音
ああもう
うるさいな
もう
白線は踏まないように
進むからさ
慎重に
次の世界へ
届けられた手紙には
何と記されていたのだろう
やわらかく細い筆で
控えめに書かれた宛名が
真っ白い封筒に浮き立つ
切られた封の中から
かさかさと
枯れ葉を取り出すような
仕草で広げ ....
朝、
雪が降っている
まっしろな空を見上げると
うそが
落ちてきたよ
つむじの風といっしょになって
転がって
そうして
通りゆく人びとのコートをかすめ
ふらっと
ぼくの背中を
貫 ....
仕事納めの年末に
1月から他部署に移動するAさんと
老人ホームの風呂場を{ルビ掃除=そうじ}した
「 わたし家では掃除なんか
ろくにしないんですよ〜 」
とにっこりほほ ....
ナンセンスな民放テレビの娯楽番組に操られ
傾きかけた「時」のなかを
薄っぺらのシューズで散策している
お主のシルエットは酔客そっくりだなぁ
しかも脳血管に ....
みずへらしのお仕事は
毎日毎日水を減らすこと
とにかくいろんなところを回りながら
どんな水も減らしてしまう
あの子が悲しくならないように
涙の粒を吸い取って
ごくりごくりと ....
12月30日。
今年一年を振り返る。
毎年、繰り返される頭脳の働きおさめだ。
もちろん、1月1日の0時には、働き始めるので、頭脳に休みは許されないのだけれど。
毎年、毎年、この働き ....
とても恥ずかしいことなのだけれど
最新機種に慣れない私です
メールボックスの
「なかよし機能」なんてものに
今更ですが気づきました
嫌でも感じる初雪の冷たさに
「誰かさんは風邪 ....
突然、
人間なんてららーらーららららーらー♪
と
フォーラムの
みんなが歌いだしたもんだから
あたまの中の空気は凍りつき
ザクザクと行進する
軍靴の音が響いてきた
かけがえのない
愛 ....
気象予報士があすは初雪がちらつくでしょう という
案の定 夜になって狂いはじめた もがりぶえ
(野良猫の気配か)
近所の飼い犬が吠えたて ....
影がくっきりと濃くなる度に
触れられるんじゃないかと思ってしまう
あなたは街に帰るよ きっと5分もすれば
このもどかしさが
あなたを美しさへ歪ませているのだとしても
....
部屋のど真ん中
椅子の上に突っ立って
震えている
それは
外に雪が降っている
からでもなく
あなたが帰ってこない事に怯えている
からでもなく
この後の修羅場への期待でもない
すぐ ....
ご用納めの日
いつものように
あなたのいる病院に行く。
いつものように
ねじまがったスプーンを
ふたりで使い
あなたの口に
夢を届ける。
あのね
今日、ご用納め
な〜ん ....
画面から
音楽が聞こえると
文字のコビトが
囁いて
画面に文字と書き込んで
そんなことないよと
笑われて
苦笑してから
画面の下を覗いたら
ピアノのコビトが佇んで
今か今かとタクト ....
窓ガラスにくちづけを
吐息がこぼれたら
やさしいあのひとの時間
ミルク色の月に
紅茶をこぼして
頬を寄せて眠るひざまくら
好きといって
嫌いといって
憎むといって
どうか
静かに燃えている胸の炎
雪の舞い散る冷えた空気にも
消えないで燃え続けている
このままあなたに会えないで
一人きりせつなさにとらわれて
涙の河で溺れてしまうなら
胸の奥の埋み火消してしまお ....
昨晩から一年ぶりに実家に帰ったが
田舎のはずの実家も次第にひらけていて
もう田舎とは言えない環境に成っていた
料理は得意だがおふくろの味の料理は
また格別でとても美 ....
静脈ラインの上を歩いた
道は、疲れ果てていた
厄介なものたちを引き受けさせられた上に
運営するエネルギーもない
ただ、あの場所へと帰ること
静かに、帰ること
立ち止まりたくなるときもあるが ....
詩人のさだめとして
生きることは
茨の道
自分の苦痛をフィルターにかけて
美しく輝くものに変えねばならない
世間の不条理
我が身にも降りかかる
ある時は
腐臭ただ ....
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