陽は風に流されて

雲は地平線に沈み

月は天の川を渡り

湖は海へとそそぐ


最後のひとつに手を触れたとき

掛け違えた釦に気づく


こぼれ落ちた時間を

取り戻 ....
一、 某月某日 冬

凍る雨を浴びつづけて、一年を跨ぎ、
わたしの頬は、青ざめて、
虚ろな病棟の、白い壁に残る、
黄ばんだ古いシミに親しむ。
難い過去を追走する暗路を、
エタノールの流れ ....
自ら檻の中に入って

ビクビクしながら水道から

水滴の落ちる音を数えていた

定規で正確に書いたはずの

直線は曲がって一個の円になった

目から流れる涙には

 ....
{ルビ夜嵐=よあらし}に{ルビ旱蓮木=かんれんぼく}や{ルビ破=や}れ尽きぬ夢食ふ人も恋ぞ捨つらむ 指先が離れた瞬間

とてつもなく押し寄せる切なさ

夢のような時間は
切断されるように終わり

また僕は単体になってしまう
わたしの中に棲む猫は
夜の闇のように黒い
{ルビ天鵞絨=ビロード}の艶やかな毛皮をもっている
そして
悩ましい緑の目をしている
人に媚びたりしない
いつも物陰から{ルビ窺=うかが}うように ....
ぼくらは話し合う

”しあわせとはなんですか”
”わかっていたら考えたりしません”

”あちらにはなにがみえますか”
”とおいとおいあのころの記憶です”

”あなたには夢がありますか” ....
大好きって
それは響きだ
大好きだなんて
叫ばなきゃ良かった

声に出さずに
叫ばなきゃ良かった
声に出して
叫んでいたら

きっと俺は
ここにはいないし ....
プラスティックケースの上に 
並んでる、ふたつのせっけん 

小さいほうが、お婆さん 
大きいほうが、息子さん 


「 生まれた時は逆だったのに 
  わたしに向かってハイハイしてた ....
告げるとも言わず
告げぬとも言わず
立ち尽くす老木は
潮風に白くやかれて
ただ待っているかのようです

運命とは渡り鳥でしょうか
暗い海のとぎれるもっと遠くから
糸車を回す母の手のよう ....
苦しみも
喜びも
悲しみも
楽しみも
涙も
笑顔も
逃げるも
負けるも
勝つも

前にしかないんだよ
可愛いやつと一羽のレース鳩を胸に抱いた
彼の眼差しは恐ろしいほどに優しかった
自分の弱いところを見ているようで
彼と一緒にいるのが嫌だった
彼と友だちだと誰にも思われたくなかった
それでも誘 ....
もし

海の中でも

ずっと呼吸できるっていうなら

どこかの澄んだ海の上に

大の字で寝そべって

そして

そのまま

澄んだ底に沈んで

 ....
雨が降る日に鎌倉の寺に行き 
賽銭箱に小銭を投げて 
ぱんぱんと手を合わせ 
厳粛な顔つきで 
びにーる傘をさしながら 
帰りの細道を歩いていたら 
濡れた路面につるんとすべって尻餅ついた ....
竹筒の側面の穴に生けた
{ルビ秋明菊=しゅうめいぎく}の白い花々 
境内に奏でられる{ルビ雨唄=あまうた}に耳をすまし 
そっと{ルビ頭=こうべ}を垂れている 

{ルビ些細=ささい}なこと ....
久しぶりに訪れた{ルビ報國寺=ほうこくじ}は 
雨が降っていた 

壁の無い 
木造りの茶屋の中 
長椅子に腰かけ 
柱の上から照らす明かりの下 
竹筒に生けた{ルビ秋明菊=しゅうめいぎ ....
君は気ままだ そして自由だ
屋根から屋根へ渡り歩くとき
魚を盗んで逃げるとき
君の瞳に映るのはいったい何だろう

夜 月を見ながら屋根の上
にゃごにゃごやってるときもある
縁側にひとりち ....
外は雨
暗闇を縛り付ける
窓を閉めて
鍵をかけて
眼鏡をかけて
解放
生き物の真似
目玉効果

ノルマは10匹
かわいそうな自分を助ける
話を作る
ゲームオーバー
理解する
 ....
青と白
混ざり合わない
空の色
切なさ隠れ
季節を彩る
 涼しげな風に吹かれて冬の到来を予感させる
 いつも僕はここにかえってくる
 道端に転がってる滑稽で憎めない話
 拾いあげて化粧をほどこす

 通りがかった公園では
 紙パックの焼酎を ....
 

大きな肉の塊をくすねてきて
食べ飽き まだ半分以上も残つてゐるとき
犬なら 空地へ引きずつて行つて
埋めておくが


猫は そこに放り出しておくだらう
無関心かといふと さうで ....
ああ また白馬が

やってきたんだね

まだぜんぜん食べてないのに

そんな目をして

いつも俺が

しんけんに作った

晩ごはんをふたくちぐらい

ゆっく ....
うなだれる白い首筋なぞる指乱れた髪を櫛で掻き揚げ 金木犀の
金木犀の
花の陰が
心にはらり、落ちてゆく
この道は
この道は
いつに辿ってきたのでしょう

金木犀の
金木犀の
花の香は
昔にかよう
消えかけた
面影一つ ....
豪雨の中

傘を持った私がいる


まるで鉛を
持たされたように



内側まで濡れた傘

アスファルトに削られる天辺


落下する雨粒

白ぼける視界

染み込 ....
 こんなゴミだらけの街にいても
 きみの瞳は穢れない

 穢れきったぼくを
 やさしく叱ってくれる

 きみの見上げる空には
 罪なんてない

 いつも重い荷物を運ぶきみは
  ....
僕は生きている
その事自体が罪なのか
道造は二十四歳で逝った
中也は三十歳で逝った
祐三も同い歳で逝ってしまったよ
だのに
僕は未だに生きている
罪の上塗り
恥の掻き捨て
僕が愛し損 ....
流星 流星
おまえのしっぽを
わたしの窓辺にたらしておくれ

そうして
わたしを月までつれてって

ロケットやUFOより
おまえのしっぽがお気に入り

蒼い 蒼い
おまえのしっぽ ....
私は殺人鬼だ

自分で自分を殺そうとする

どうしてか分からない



ふとした衝動が私を襲う

ナイフでその手を切れと



私はその指令に抗おうとする

だが時 ....
壊れた機械は修理すれば元通り

きちんと正確に働いてくれる



じゃあ壊れてしまった人間は

どの部品を変えれば治るの?

どう修理すれば人間として正常に機能するの?

 ....
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