海のように
大きくて命の源たる水は
わたしには重すぎて大きすぎる

湖のように
優しくてたくさんの命を抱えた水は
わたしには重すぎて大きすぎる

河のように
涼やかで柔 ....
どんよりと どんよりと曇ってきました

雨を降らせたくとも降らせず じっと耐える雲
空は重く重くなっていきます

このまま滴を落とすことなく 暗い空が続いたら
喉が渇いてしまいますね
                07/07/26


じとじとして
鬱陶しくて蒸し暑い
長すぎる梅雨が明けると
今度はまっ白な太陽が照りつけて
まだ乾かない大地からは
じくじくと水 ....
夕闇のなか
あのひとを恋しく想う気持ちまで
まぎれてしまった

夜のなかに
人込みに紛れ 
駅構内の階段を下りていると 
背後に 
「 だいじょぶですか 」 
という声が聞こえ 
思わず振り返る 

車輪の付いた 
買い物かごの取っ手を 
細腕で握り 
「 ....
誰も知らないその庭に咲く薔薇
朝一番の雨に濡れた赤い薔薇を求めて
僕はたどり着いた 足をひきずりながら
かぐわしいその香りを嗅げば幸せになると
ただひとつの愛を得られるとずっと信じていた

 ....
人の描きしものをおもう

哀しみは空を翔ぶ











この雑踏を歩いてゆく

そんな、すれちがう街の空気までもが
ただ、きみを切り刻んでゆく


道 ....
太陽から地球まで
宇宙天気は穏やかな状態が続いています

太陽風は次第に速度を下げ320km/秒の低速
磁場強度も2〜3nTと弱めです

昨日上昇していた太陽風の密度は
最大で10個/c ....
「じゃあね」と言って
手を振った あの日


あれからどれだけの日々を
過ごしてきただろうか


あのときの約束は
果たされぬまま



ただただ
時間だけが


( ....
きみがもし
にさんかたんそを
はくのなら
ぼくはそれさえ
すうとちかうよ
 
きみがもし
にさんかたんそを
すうのなら
ぼくはそれさえ
あいしていくよ
 
そしてもし
すこし ....
この草のにおいを意識し始めたのは、
いつからだろうか。
翳る当為が、こおりのように漂い、
透きとおる幻視画のような混濁のなかで、
きみどりいろに塗された、切りたつ海岸線が浮ぶ。

冬の呼吸 ....
あれ??いまここで悲しみが生まれたような

気がしてきましたけど

ここには貴方しかいないのですね

では貴方がその悲しみの持ち主ですね??

まだ泣き続けますか

泣く ....
今 朝日を額に受け
まぶたの裏には
暖かな血流を感じ

息を整え始めた

鳥の声 高く昇り
青空がイメージされる
白い雲と

背中に負った 過去が流れ出す

(悔いるべき愚行) ....
山の端に今昇りくる太陽に
向いて鳶は羽ばたきにけり
現代短歌は現代短歌で良いと思う。
けれど、現代の短歌は難しい。

昔の短歌は、だれが読んでもわかるものばかりだった。
いまの短歌は学のある人が、学のある人にしかわからないものを作っている ....
目の前の妖しき影にいぶかりしも
あげ羽蝶なり思はず和む

家毀ち空地となりて草萌ゆる
中に蒲公英艶やかに咲く

北山は吹雪と見えて霞みゐる
吾が行く川辺 陽は燦燦と

山茶花の花 ....
雨上がり
庭を覗いてみました

雨の雫で輝く葉
青いな

そう思った自分も
実のところ
充分に青かったのです
夕暮れに
打ち水をした小雨
気が付いたら
夏の涼しさが
玄関に居座っていた

そんなことが
嬉しく思える
わたしは
人に生まれてきて
良かった、と


意味もなく
悶々とし ....
職安で黒人に会った
Interview sheet を
書いてくれと言われた
どうやら履歴書のようだ

黒人は背も高く、体が大きく
力もあり、怖い。
携帯の番号も交換した。
何回か電話 ....
  星を見上げると、祖父を思い出す

  ざんばらな真っ白の髪の毛

  しわが寄った眼や口元

  背は高いから、いつも見上げていた


  子供の頃、夏の夜、並んで歩いた
 ....
使い古したような
ソファーに沈みながら
ゆっくりと
足をばたつかせる
 
水中散歩でもしようか
その、一言が
恥ずかしくて言えないまま
そっぽを向いている
 
 
君はきっと
 ....
私の心の悲しみは
あなたがいないと鳴く小鳥
私の心の悲しみは
いつまでたっても止まぬ雨

私の心の悲しみは
ひとり寂しく見る夕日
私の心の悲しみは
寄せては返す波の音

私の心の悲 ....
標識は海それだけを手がかりにギアはトップで{ルビ夏風疾走=サマーラナウェイ}

かざなぎでアクアスカイに叫ぶとき見えていたんだ白きクラック

無人駅いつから来ない夢列車ココナツの浜 ....
瓦礫の海を躓かないように慎重に歩きながら
君の姿を盗人のような目つきで懸命に探している
廃墟の中 放心しきったストリートミュージシャンの少女がアコースティックギターの虚ろな音を鳴らしている 一円玉 ....
てのひらから
指折り数える時間の粒があふれ出す
指の間からぼろぼろ零れ落ちる速さは増し
掴み取るのが追いつかなくなる
焦って
その姿を子供たちに見られていることに
また焦って
わたしの欲 ....
なぜあなたは 
病の親の世話をして 
毎朝歯を喰いしばり 
家の門を出て来る部下が 
体調崩し仕事を休む 
辛いこころが見えぬのだ 

わたしは今日も ふんふん と 
あなたの腐った愚 ....
               07/07/24


これからは、
哺乳類のように生きていきます
そんなこと言われても
初めからそうなのだと言いたかったが
爬虫類と言い違えたのかも知れない ....
攻撃用メモリーをセットして開始のゴングを待つ間に汗が首筋から噴き出てくるのを意識する。手でセンサーの位置を少しずらして、改めて合図を待つ間に戦意が遠のくのを覚え、敵陣の相手の顔をもう一度睨み付けて、憎 .... チョキチョキと なんでも切るよ チョッキンな
僕の鋏は グーにも勝つよ
      僕を支えてくれる柱
   小鳥が運んできてくれた 一本の枝

あまりにも短すぎた夏 あまりにも短すぎた夜 


     僕らを邪魔した虫達は今 
 小さいけれど美しい羽 ....
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