空にたくさんの綻びができて
あとからあとから雪が落ちてくるので
裁縫上手な婆さんに
縫ってくれ とお願いした

ひさしぶりの大仕事に
婆さんは大喜びで
せっせと針を動かして
つ ....
日溜まりが好きなこの手の願いはただひとつ

あなたの笑顔を見ることだった
ガラスの窓に近づける
湯上り 頬が 体が
滴の残る 洗い髪が
外気をひろい
火照ったのを
冷ましてゆく

くもったガラスに
呼べない名 を記して

人差し指は
その名を容易く
 ....
夜が好き

塗り重ねた紺碧が
恥ずかしい輪郭を
消してくれるから
たやすく嘘がつける
夜が好き

冬が好き

穢れのない雪は
{ルビ男=ひと}を疑う心黒さを
隠してくれるか ....
青い表紙アルバムの
厚さの分の年月と
重さの分の思い出が
一頁めくるごとに
セピアの匂い
胸にあふれる

微笑み手を振る
写真の中のその顔は
ふくよかな紅色の頬も
まるく黒い瞳の色 ....
喪中はがきのイラストに
スズランの写真をのせてみる
あの人は 花が好きだった
だから もう
それでいいよと親がいう

何十年払い続けた
「年金」を
あともう少しで受け取れるというときに ....
ゆきはひらひらと 人を寒がらせ 
しとやかな霜の柱 身の丈が伸びるあの成長期の痛みが
ひりり
ぎぎぃ
ひぃぃぃぃぃぃ、と夜通し泣き叫んでいた

男のいなくなった朝
皮膚も血も 凍り付いた ....
あなたが恋しい 
わすれら
れない
忘れ
やし

い 
あなたを食べずに 
どうして
生きて
行け




細胞は主人に逆らえ
ないって
いうの
は嘘
 ....
おもいおもいの

願いを

高く



初春の空は

あわく波たつ
冷たい手
温もる場所をさぐる

しんしん
しんしん

時計の針を
止めないままで
布地に残る
甘い匂いを手繰り寄せ
指先をからめる

しんしん
しんしん

時計の針の
 ....
冬枯れの老木に
花を咲かせてやりたかった

とびきりの六花をこしらえて
枝という枝に舞い降りたのに

老木は身をふるわせて
あぁ、寒い
ゾクゾクするよ と呟いた

初恋に破 ....
現代詩フォーラムの皆様
あけましておめでとうございます。
今年も管理人様はじめ会員の皆様の
御健康と御健筆をお祈り申し上げます。
ついでにアタシのご飯も
グレードアップしますように
お祈りしちゃいます ....
氷の風が吹く夜は
星の瞬き蒼蒼と
淡く浮かんだ
あなたの表情を
交す言葉の
間に間に見つけ
愁い喜び泣き笑い
腕を伸ばして
頬に指さす

柔肌温み
伏せた睫毛に星あかり
鼓動の ....
あんなにも
街中が躍っていたのに
クリスマスは、もう
両方の視界を跨いで
遠退いていったね

‥貴方と私

色あせたイルミネーション
雪の花が咲くのを待つ

‥雪の降らないこの町 ....
こころの奥底の

いつかの花畑に

あの日の花が

咲いている


さして綺麗でもなかったのだけれど

さして鮮やかでもなかったのだけれど

さして時もまたがぬうちに

 ....
五十八の石段を
数え終わる頃には
湿気を帯た冷気が
まとわりつく

空が
見え隠れする木立は
小さな欲望が
うごめきを見せるよに
さわさわ
ざわざわと
社の片隅
秘密の場所にも ....
大好きだよって言ってくれたのは
ただその瞬間を繋ぎとめるためにで

逢いたいって言ってくれたのは
欲しいものだけを手に入れるため

始まりも終わりも知ってしまったから

今はもう
勘 ....
はためいてシーツに薄い陽光が 子どもの声に混ざり合う午後

その染みは一夜限りの葡萄酒の 漂白剤も消せぬ痛みよ

おしゃれ着かどうかわからぬ衣取り 迷えば君はいつもエマール

格安で引 ....
やせ細る少女を思い涙する
骨折は思いのほか傷を残し
温度差に涙して
闘争する心に触手を伸ばせず
仮想の砦に
立ち尽くすのみ
廊下のタイルの光目に痛く

見舞ったあとに

「大丈夫だ ....
死が怖くて、私は
まだ小さかった夜、泣きじゃくり
死ぬのは遠い 先のことだよと
若かった父になだめられ泣き止んだ。

花が咲き 枯れる道理の
カケラも知らない

いま咲き誇る 花々
 ....
ねえ見てと振り向く空にグラデーション 薄雲染める街の憂鬱

焼きたてのチーズスフレと君の肌 銀のスプーンを舐める気持ちで

ゆるしてるもうゆるしてる新井君ブルースリーになってもいいよ

動 ....
廃墟に近づく夜空け前
駅前広場は声をひそめたまま
ふたたび静寂を抱えはじめた
闇に消えた男を
まだ見つけられない

煙草の煙こころ細く
呼吸は白く立ちのぼっていた
階段のわきにうずくま ....
買出しで子どもに紛れスーパーで 食材よりもツリー見る君  

酒コーナーあとでいいのよ 味付けも肉も魚も決めてないでしょ

シラタキも糸こんにゃくも振って君 「私マロニーじゃないとだめなの」
 ....
みじめなツラの皮を 風が愛撫する
杉木立を大きく揺り動かし
飛び去る風


信じられない、でしょう
昔と違うでしょう
だれも私を私と気づかないほど
年月を重ね
まぶしくなんて 笑えな ....
賭けのために娘ひとりに声をかけたのも
その娘が遊びつかれていて
しかもひどく傷心だったことも

雨がちょうど降ってきたのも
折りたたみ傘を広げて中に入れたことも

アンクレットの些細 ....
聖書という名の 
己の真実を映し出す鏡と向かい合い、
祈りという名の
彫刻等で己の魂の形をととのえつつ
終わりのない日々をおくり

やがて精神に異常をきたし、自分の名前も知らず、
自分が ....
マイク投げ ガッツポーズに 毒舌も ヘアケアポスター 可愛い素顔

二週間経った卵を食べていた 過去事もなげ 人気司会者

芸人の 真似はずしてる 合コンで 笑いで口説く コツほのめかす

 ....
片目をつぶったまま手招いていた
あの手は深い茂みに

罪はきれぎれに悲鳴をあげ
花びらのように降りてきた
見知らぬ吐息
濡れていくはかない枝葉

果実は強く芳醇だった
無防備に口にと ....
鳩のような鳴き声
黙々と低速のまま刻む
くちばしの先 空虚な言葉
予定どおり人々は流れゆく
スローモーション再生
喧騒は未だ破られることなく
しらじらしさ 微光を放つ
吐き気がする

 ....
返すべき メールの数は多かれど 返す言葉は見つからぬまま

赤ちゃんの 乳吐く写真添付して 件名「顔射」 母になりても

アドレスを 女のために 全消去 「あれで友だち減ったんだよな」

 ....
ぽえむ君さんのおすすめリスト(6409)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
奇跡の日- 落合朱美自由詩18*06-1-9
'06_winter- LEO携帯写真+ ...7*06-1-8
月を喰らう夜- LEO自由詩8*06-1-8
雪夜- 落合朱美自由詩20*06-1-7
アルバム_セピア色の匂い- LEO自由詩4*06-1-6
スズラン- 阿麻自由詩20*06-1-6
霜の柱〜しものはしら- 阿麻自由詩2*06-1-5
「ランゲルハンス島」- 阿麻自由詩5*06-1-5
さざなみ- LEO携帯写真+ ...9*06-1-5
布団から出られない朝に- LEO自由詩5*06-1-4
雪花- 落合朱美自由詩20*06-1-3
みつゆびついてごあいさつ- 落合朱美携帯写真+ ...28*06-1-1
星の夜- LEO自由詩8*05-12-30
何にも染まらない黒の- LEO自由詩3*05-12-29
フラワーガーデン- 明日殻笑 ...自由詩3*05-12-28
折り鶴- LEO自由詩7*05-12-23
季節はめぐり- Sky自由詩1*05-12-20
洗う心- ナオ短歌2*05-12-19
見舞ったあとに- ナオ未詩・独白3*05-12-11
死が怖くて- 阿麻自由詩6*05-12-9
空にグラデーション- ナオ短歌2*05-12-8
戻れない夜- ナオ自由詩2*05-12-7
鍋を囲みましょう- ナオ短歌2*05-12-4
夕暮れ時の風- 阿麻自由詩5*05-12-2
偶然でしかない- ナオ自由詩3*05-12-1
獄中の新生- 阿麻自由詩4*05-11-27
笑いについての感傷- ナオ短歌4*05-11-27
- ナオ自由詩6*05-11-25
裏切られたかった- ナオ自由詩3*05-11-24
携帯電話にて- ナオ短歌1*05-11-24

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