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午前の陽が
空間に満ち満ちて
こぼれそう
木々の緑に
この陽光は 留まり
深い瞑想の光合成が
効率よく 静かに浸透して
一葉は重く 沈む
地球の裏側で
ラプラタ川のほとりで ....
いったい この世界は
どうなっているのだろう
この世界は どこへ向かっているのだろう
いまだ 戦火やまず
気候変動は どうなって
そして地震の襲来におびえて
確固とした 己の心も定 ....
巡り来る また 夏
六十年の時
英霊と戦争で亡くなった
全ての人々へ
鎮魂の思いにとらわれ
この 暑い日々に
あなた方を 偲ぶ
神風が吹くと信じて
現人神の帰依に
恋人 ....
今 朝日を額に受け
まぶたの裏には
暖かな血流を感じ
息を整え始めた
鳥の声 高く昇り
青空がイメージされる
白い雲と
背中に負った 過去が流れ出す
(悔いるべき愚行) ....
透ける 青空
高き 雲
夏の太陽
留めたる
秋の収穫
ぶどう狩り
ぶどう棚から
こぼれ来る
木漏れ日 キラリ
ぶどう房
輝く ルビーか
ぶどう房
一粒 口で弾けては
....
まだ 明けぬ
朝間の空に
日の使者は
濡れ羽色した
大烏
烏 鳴く 鳴け
朝焼けを
呼び込む 力
漲って
今 日は昇る
いつもの リズム
乾いた灰を
ふるい積もらす
都市の息吹
鋼鉄とガラスの高層ビルの輝き
ターミナル駅の喧騒も
ジーゼルエンジンから吐き出される
車酔いの成分も
灰として積もる
夜の煌びやかな ....
この 曇天のはるか上方
頂が雲の上に突き刺さる
巨大な山体は その裾野を引き
見上げるべき万年雪の銀嶺が
来光とともに不動の姿を現す
薄ピンクに染まる白の世界は
輝きが横たわり
....
何もかも 漆黒に 塗り上げて
夜 果てぬ 輝き
紅蓮の焔
暗い 情念 めりめりと
都市の曇天を染め上げ
ほら 暗く 唸る 獣のよう
君と僕
蛍光灯の涼しげな
小さな部屋で
....
今日もまた この店に来る
昔から栄えていた 商店街の一角
日が沈むと
怪しげな ネオンが点滅して
どこからともなく もれる
男女の笑い声 娼婦のささやき
この店は 不思議
深い ....
雨 そして静かな脱力
歩道は しみじみと 打たれ
灰のあでやかな 輝きが増す
商家 商家のイルミネーションが
反射し 歩道を潤し
曇天の薄ピンクに 街は灰
唸る都市は 午後へと突入 ....
大系化された知識
たとえばヘーゲルの国家
シュタイナーのファンタジー宇宙論
たとえばテレビゲーム
巨大な大系は荘厳された城
法則 ルールを知っていれば
いつまででも 泳げる
囲われた ....
あなたと 命を分かち合う 夏だ
二人で出そうとした 文芸誌
この夏の熱気に溶けてしまった
文化祭のため夏休みを燃焼させた 八ミリ映画
これが あなたの遺影
あなたのスナップ写真
こ ....
けだるく 深く
大気はうねり
緩い曲線を描く
高曇りの靄に
太陽は弛緩して
街路樹 空をくねらす
小鳥の声 空の波紋
雲は雫で出来ている
まさに夏 夏の昼下がりに
木々 ....
地球の半分を勢力下に置いてしまった
巨大なハリケーン
天空を翔る
黒龍の赤々と輝く画竜点睛
歴史の営みのという織物に
鮮やかに織り出された
謎を問う図柄
潜在的な電圧を保った ....
樹木の陰が
けだるく映る
細い暖かな湧水が
濁りの池へ静かな型を決めて流れ込む
表面張力の曲線を孕み
丸あるい葉は
水面を押し分けて浮かぶ
黎明からひと時すぎた
小鳥のさえ ....
ハイ松の低く自生する
ゴロタ石の 登坂道
岩に付着した わずかな土を糧に
可憐に咲く 薄ピンクの高山植物
見上げれば
万年雪の雪渓
緑の絨毯と白い雪は
自らの領土を主張し
....
端座し
呼吸を整え
息を数える 一 二 三・・・・
不動の座禅 鳥の声
意識は研ぎ澄まされ
一呼吸するごとに
『魔境』というイメージの嵐に犯されている
意識の特異点 ざわ ....
朝日の当たる
マンションのベランダで
昨日の祈りで
天界へと返した霊たちに
伽羅の焼香をする
ミネラル水とミルク入りコーヒーを添えて
また 暑い夏がやってきます
あの日のよう ....
朝日を浴びた
午前のビルは眠る
ホワイトカラーは忙しく
陽のすがすがしい建物を行きかう
日々新しい計画をその通りに実行する
神経情報が生き生きと色彩豊かに
インターフェイスに表示さ ....
夕間暮れて 路地 細い道
地階への階段の踊り場にある
表現主義のポスターの裏に
アンダーグラウンドへの入り口はある
古びたポスターのすき間から
白くて軟らかな光は
水がはうように流 ....
垂れ込めた 雨雲の下
その街は 午後を迎える
あの路地を
右へ折れると尻手黒川線
左側は商店街
猫の通う 細い道
衣料を商う 廉価店や
まだ 人のまばらな飲み屋街
気の早い ....
この身 一つ
つぶやきは
虫がすだくように
土に溶ける
空を見ていた 真夏の
いくつもの巡り
また やって来る
胸の入道や
夕刻の驟雨が
どこかで
タブラーがうね ....
夜を巡り
たどり着く
君の皮膚と薄皮一枚の距離
この夜を巡って
法華経を読経する
自死した 君や
見ず知らずの 霊に
夜の底で 親しく
妙に明るい 死者の森を
読経しなが ....
渓流の音を引きながら
潅木の尾根へ向かう
苔むした倒木
ぬめり しめり
厳しく鳴く 色とりどりの小鳥
影 押し寄せる
山の霊気
汗 額を伝い
心拍はあがる
狂気のよう ....
臆病な渓流の魚
生息の影 秘密めき
見上げる
木々の陰影
木漏れ日のわずかな流れ
遡行する 記憶の面影
二千五百年前 仏陀と
七百五十年前 日蓮と
この滝の巻き道をあが ....
扉から 漏れる 白熱電灯
白檀の香 しめやかに 香り
私は この仏間に
この世のありとあらゆる
悲惨を出現させる
戦争 飢餓 病気
怒り 憎しみ 嫉妬
唱題しながら
どす ....
浸りゆく
この黄昏に
街は慈愛の潮 満ちて
海から遠く 離れて
唸る 街に
古代の虫 発光し
アスファルトのタールは
原油のにかわ 舗装する
道をまっすぐに!
密 ....
それは 一つの信仰
アルカイックの微笑み
明るい部屋で 本は読まれ
神々の祝福と 共生が
静かな 泉から湧き上がる
一人の人間の為した事
偉業は やがて
万人の日常となる
....
沼に霧 立ち込める
そのように
寂しげな 繁華街の一角は
その 二階まで湿った汚泥
感情のむせび泣く 湿潤に覆われ
時は初夏
汚泥の沼に白蓮
救世の観音
その華に座す
....
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