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死んでしまった
わたしは
ゾンビのぬけがらを探している
腐っても腐っても
失いたくない何かを
無くしたがっている

母の抱いた夢を
娘は黙って飲み込んだ
いいも悪いも ....
幻影に怯え現実に目をつむる
そんな大人になってしまいました
あたしは{ルビ二十歳=はたち}を過ぎたモラトリアム

あんなに幸せを感じた日々もあったのに
持続できないあたしは罪人のよう ....
公衆浴場のぼんやり広がる湯気の中
いろんな裸がごろごろしている
あたしだって そう
ひとつの肉の塊に過ぎない
すべる足元にご注意を――――
それにしてもここの照明は明るすぎます
 ....
わたしはちっとも朽ちない
咲いているあの赤い花のように
なぜわたしはいつまでたっても
朽ちていかないのだろう

食パンに生えたカビをまとっても
古くなるだけ
わたしは朽ちない ....
  死ぬのが怖いなんて錯覚だ
  誰かに死なれることの方が
  よっぽど怖いじゃない

ブランコに腰をおろした
背もたれのない背によりかかり
ブランコはあたしごとひっくり返る
 ....
青空から真っ白い
雪が落ちてくる
所在なきものたちが
幸福を連れて
地上にやってきた

見えないところで定着
成長する細胞のはじまり
子宮でお遊戯会が催される
喘ぎ声 ....
 一

退屈と虚無が蓄積された日々
人生という大それた響きが
重くのしかかるから
あたしはかしいでいく

日々が圧縮されて
密度を濃くして体積を狭めていく
その重みは保っ ....
淡い甘い夢を、黒猫が食べました。
消化しきれなかった夢が黒猫の胃袋で肥大します。
限界で弾けた夢があたしの枕元を散らかします。
朝方、浅い眠りの中であたしは夢を見ます。
それはやはり淡 ....
髪を撫でた
わたしはあなたを支配する
やさしさを武器にねじ伏せる

ひとたび体を差し出して
されるがままにされてしまえば
ほんの少しの自由が得られる
けれども
代償を払い続けるのに
 ....
遊び明かした夜も終わり
よそよそしい朝の光が
地上を照らしている
空気はまだひんやりと
あたしの火照った心を冷ましていく
刹那、
解散という空虚が胸をよぎる
そんな夜明けを嘆いた

 ....
ある真昼、
水色の雨が降ってきた
空は色を失くして灰色だった

色のついた雨はあたしに降り注ぎ
あたしの心の
色のない部分を染めていく

孤独は色を持たない
だから染まる
穴ぼこを ....
いつもより ちょっぴり
おしゃれして スマイル
そっぽ向いた横顔よそゆきね

星降る夜に幕は上がる
すべてのはじまりが 今ここに
眠れない君 寄っておいで
共に明かそう 赤裸々に

 ....
乱雑な思考回路
見えない絆と契約に
踊らされていた雨の夜

頼まれれば「はい」と言う
素直さなんかじゃない何か
ドロドロで汚い何か
舌打ちする自分を脳に描き
唯一のはけぐちにする

 ....
教室、
ずんと構えた黒板に見張られた僕ら
先生はちっぽけで
虚勢を張っているがチョーク持つ手は小刻みに
震えているのが見えたから
僕らはくすくす
意地悪な空気が教室を包んだ

ねえ、先 ....
背負った夕陽の大きさは
この目に見えぬが
その重さは しっかりと
この身が感じて受け止める
大切なのは
目に見えるものだけじゃないんだって
心が気づいた瞬間に
黄金の光があたしを包みこむ ....
くるくる剥いた林檎の皮が
包丁持つ手にぐるぐる巻きついて
気分はまるで蛇使い
蛇の色の鮮やかさに恍惚
とする自分にエクスタシー

赤い風船 くもり空に飛ばして
太陽みたいだね、って
指 ....
atsuchan69さんの百瀬朝子さんおすすめリスト(16)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
初夢- 百瀬朝子自由詩6*10-1-3
二十歳を過ぎたモラトリアム- 百瀬朝子自由詩7*09-7-7
パブリック・バス- 百瀬朝子自由詩7*09-6-22
不朽の私- 百瀬朝子自由詩9*09-6-16
Night- 百瀬朝子自由詩10*09-4-24
空虚を越えて- 百瀬朝子自由詩8*09-4-16
Days- 百瀬朝子自由詩6*09-4-14
淡い甘い夢の行方- 百瀬朝子自由詩2*09-4-7
計算的な衝動- 百瀬朝子自由詩4*09-3-29
朝帰り- 百瀬朝子自由詩7*09-3-21
水色の雨- 百瀬朝子自由詩2*09-1-26
お披露目- 百瀬朝子自由詩3*08-12-23
冬の雨夜- 百瀬朝子自由詩1*08-12-8
教室にて- 百瀬朝子自由詩3+*08-11-29
._ポジ- 百瀬朝子自由詩4*08-11-22
林檎の皮と赤い風船- 百瀬朝子自由詩20*08-11-17

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