すべてのおすすめ
ふ と

見上げると
クジラは空を読んでいた

東には
逃げ遅れたはぐれ雲
クジラはふらんと尾鰭を揺らした

南からは
色と香りをまとった風
クジラはぬわっと口角を上げた

 ....
ほどよく温んだ風が
みみたぶを掠めたら
あなたの好きな
「は」で始まる季節

生垣の横の
赤い自転車が
見当たらない

2ブロック先の十字路が
ふんわりとしたら
あなたの好き ....
人のかたちと
花のかたちが
重なると
やわらかな色が
生まれる

花のかたちと
鳥のかたちが
重なると
にぎやかな色が
生まれる

鳥のかたちと
人のかたちが
重なると ....
何度も捨てようとして
捨てられなかったガラクタを
長々と引き摺りながら
早咲きの桜の下を歩く

まだ冷たさを宿した風に
背中を押されるままに
歩道に散らばった花弁を
踏みにじりなが ....
三寒四温の山と谷を
喘ぎながら

自律神経と前髪を
弄ばれるまま

季節のせめぎ合いを
掻い潜り

遊歩道をふうわり漂うのも
それほど悪くない

視界の端に色を感じて
振り仰 ....
句読点をつけずに
日々を綴る

嘘をトリミングして
真を気取る

可愛い思い込みを
行間に吹き込む

縦に横に伸びていく
この文字列を何て呼んだらいいんですか?

私は
 ....
いまだに風は
冬を吹聴していくが

すでに光は
春を祝福している

押し黙る蕾は
華やかな企みを内に秘め

気象予報士を惑わせながらも
季節は巡ろうとしている

代り映えの ....
悲しみは降ってくる

思いもよらない日に
思いもよらない所に

悲しみは降ってくる

雲ひとつない晴天に
罪ひとつない午後に

悲しみは降ってくる

そういう時に限って
 ....
風が
季節を閉じようとしている
冷たい唇を噛んで
もどかしさを押し止めた

何も語らなかったから
世界は濁った
足跡もつかない
綺麗なコンコースの下では
臭い泥水が蠢いている
 ....
追い詰められた枝先で
黙り込んだまま
幾つかの季節を
背中を丸めて受け流した

独り言を蹴飛ばして歩いた冬と
味のない言葉を噛み続けた春と
溶けた爪先で帰ろうとした夏を越えて
束の ....
あなたの中に
花が灯ると
迷いの森の
出口が見つかる

あなたの中に
花が灯ると
憂いの雲間から
光が射し込む

自分の中に
花が灯ることを
あなたは知らずに
健気に微笑 ....
ピントを甘くして
眉を和らげて
眺める

風ブレを気にしないで
意味を追い駆けないで
眺める

昨日までのわだかまりを
水鳥が曳いていく
明日からの気がかりが
湖畔の欅を越え ....
「0」を探す旅は続く

一昨日も今日も
おそらく明後日も

「0」は見つけづらい上に
なかなか手に入らない

排水溝の鉄格子に引っかかっていたり
街路樹の枝先で揺れていたり
さ ....
atsuchan69さんの夏井椋也さんおすすめリスト(13)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
五月のクジラ- 夏井椋也自由詩524-5-25
「__」- 夏井椋也自由詩6*24-4-4
春のかたち- 夏井椋也自由詩6*24-3-10
ガラクタ- 夏井椋也自由詩7*24-2-27
鳥の春- 夏井椋也自由詩8*24-2-21
今日此頃- 夏井椋也自由詩5*24-2-18
二月十日土曜日- 夏井椋也自由詩8*24-2-10
ポンコツ- 夏井椋也自由詩5*24-1-3
埋火- 夏井椋也自由詩5*23-11-18
渋柿- 夏井椋也自由詩8*23-11-11
花を灯す- 夏井椋也自由詩9*23-10-26
眺める- 夏井椋也自由詩11*23-10-19
「0」を探す- 夏井椋也自由詩6*23-8-5

Home
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する