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描かれた無数の黒鉛の跡は
私の知りうる中で
最も綺麗な色へと染まり
それは束となって
脳へと滑り込む
 
シナプスを経由して
緩やかに飲み込まれるのを
私は瞬きをしながら
じっと、見 ....
夕暮れのバス停で
鳥になるの、と
呟いたきみの背には
小さく
ほんの小さく、翼が生えていて
ぼくは思わず
溜め息を吐いてしまった
 
砂時計の砂を飲み込んで
時を止めようとしたことを ....
君は
僕の知らない目をして
その光景を
眺めている
 
髪の毛の焼ける
独特な臭いのあとで
君はただ
真っ赤に見える空を
抱く
 
*
 
今はもう
塩分と水分に分かれ
 ....
きみがもし
にさんかたんそを
はくのなら
ぼくはそれさえ
すうとちかうよ
 
きみがもし
にさんかたんそを
すうのなら
ぼくはそれさえ
あいしていくよ
 
そしてもし
すこし ....
使い古したような
ソファーに沈みながら
ゆっくりと
足をばたつかせる
 
水中散歩でもしようか
その、一言が
恥ずかしくて言えないまま
そっぽを向いている
 
 
君はきっと
 ....
手を引いて
歩く指先は、きっと
温かかったような
そんな気が
している
 
お母さん、と
間違えて呼んだ私の
頭を撫でては
大丈夫と
微笑んでいたから
 
 
髪を結う仕草の ....
爪先からそっと
静寂へと、沈めていく
触れた境界面から
私が溶けていくのは
見て、見ぬふり
 
緩やかに
波紋が広がるさまを
眺めながら、私は
磨り硝子の向こう
手を
伸ばして
 ....
手の内ではじける
しゃぼんだまに似た空に
遠い影を投影しては
また、見上げている
 
影送りだなんて
とうに忘れ去られた遊びを
何度も、何度も
繰り返して
 
 
空を横切る
 ....
目を瞑り
微笑んでいたのは
遠い日の残像に似た
脆い、光
 
壊れないように
そっと、手を触れてみる
優しく息づくそれに
耳をすませた私は
ふと、安らぎを覚えて
 
 
多分そ ....
スカアトを持ち上げたわたくしの
内股を流れおちる、それは
ルビイのやうに光り輝いておりまして
わたくしの声を
ただの吐息としてしまいます
 
生まれでる前に
終はりを迎えたいのちが
恍 ....
空と宇宙の間
光る尾を引いた
星の欠片に、乗る
 
本当は
光ってるんじゃなくて
燃えているということには
知らんぷりをして
 
 
指で作ったカメラで
シャッターをきる
閉じ ....
大丈夫
もう、泣かないよって
叫んだあとの
雨の日
 
寂しがりな僕たちは
分からない雫を
溢す
 
 
隅っこが
好き、なんだよって
笑ったあとの
晴れの日
 
夢を見 ....
そうして君は、と
切り出した言葉の奥で
俯いたままの昨日は
指をくわえて
泣き崩れていたりする
 
引き金を引いた僕と
受動態を貫いた君の
どちらが正しいのかさえ
僕には分からなくて ....
夕暮れの示す赤、に
静かな夜が
そうっと足を
降ろす
 
生まれたばかりの
一筋の淡い青は
瞬間的に広がってゆき
世界を、ふわり
包んでしまう
 
 
ビルの窓に反射する
車 ....
水溜まりに映る
青く、吹き抜けた空の
隅っこで泣いている
雲を見つけた
 
そこだけが
深い灰色に沈んで
しくしくと
雫を落としている
 
 
大丈夫ですか、と
声をかけると
 ....
不意に
日記日和だと感じた日は
ペンを
離さないで過ごす
 
夢で見たことや
その日にあったことを
全て
日記につける
 
 
例えば
夢に出てきた男の子が
かっこよかった、 ....
灰色に染まる
明くる朝の空は
じっと、目を閉じて
眠りを誘っている
 
少し湿ったような
生温い風が、吹くと
慌ただしく舞っていた
木の葉たちまでもが
眠りについてしまった
 
 ....
空に浮かぶ
小さな、輝きたちを
指先でつまんでは
ごくりと飲み下す
 
たくさんの色で
彩られた私は
いつか、同じように
あの空に浮かぶこと
 
夢、見ている
 
 
**
 ....
夜が空を包み
七色に光る
願いの帯たちが
星の間を縫って
空へと羽ばたいていく頃
 
遥か空の上では
一年分の時を越えて
会瀬を交わす者たちが
確かめ合うかのように
抱き合っている ....
夕闇に
小鳥が影を落とす頃
灯りが灯り始める
家々
 
眠たげに瞬いては
輝くその灯りに
吸い込まれるかのように
人々は
家へと足を向ける
 
 
灯りに向かって
話しかけて ....
アマゾンの原住民が
仕掛けたような罠に
捕らわれてしまったのは
随分と、昔の話
 
その2つの目に
見詰められた瞬間
僕は、息をするのも
忘れてしまって
 
一人では
生きていけ ....
説明不足のままで
鳴らしていた警報は
今はもう、空気に溶けて
宇宙へと
気化している
いるから、
 
正論をぶつけたと思っている
君の思考から
ネジをほどよく外して
考えることを
 ....
底の少し剥がれた
スニーカーで、歩く
レンガに反射する光が
私をほんの少し
焼いている
 
とりあえず深呼吸
一回、二回
排気ガスは気にしない
それすらも
世界の一部だと
言って ....
層になった雲が
ゆっくりと、重さを増して
僅かに酸を帯びた
涙を流す頃
 
私は
地に足をつけながら
それを、一粒ずつ
掬いとっている
 
 
指で跳ねる雫に
唇を寄り添わせる ....
静寂が
哭いている、部屋の
隅っこで
うずくまっている
 
返らない電波を
無意識に、待ち望みながら
瞼を引っ張る睡魔と
戦う
 
 
汚れを知らぬ
白い壁に包まれて
私は寝 ....
湖の上
淡く、輝く光が
ちらちらと
飛び交っている、その横で
 
私は息を潜めて
空を
じっと、眺めている
 
 
儚く光る
空の、瞬きと
目の前を飛ぶものが
重なる
 
 ....
いつのまにか
溶け込んでいた、世界と
私との接着面に
体温計をさしてみる
 
ゆっくりと
開いた手のひらと
大気との間
握ることはせず
また、摘まむこともない
 
 
少しずつ ....
雨色の空気が
私の奥をノックする
深く吸い込んで
吐くだけの、仕草
 
名も知らぬ花に
小さく声をかける
雨音はもう
とうに止んで
 
 
水溜まりの上を
わざと歩く
波紋が ....
揺れる電灯を
膝立ちのままで、消す
扇風機からの人工が
生々しく
私の頬を通り過ぎる
 
茶色い光の下
飛び交う光がある
テレビを消してみた
全く
見えなくなって、しまった
 
 ....
指先だけで、そっと
窓を開いてみる
隔てていた向こう側には
空の海があり
 
紙飛行機を飛ばす
誰宛てとかではなく
紙飛行機を飛ばす
そこに、意味なんてない
 
 
ここは海だろ ....
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