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雲無しの高い青空に
ひりひりと胸の底が焦がれ
季節外れの山藤は
頭の痛くなるほど
甘い香りを振り撒いて
どこまでも高い蒼穹を見上げて
わたしの存在は拡散してゆく
伸ばした指先はほら
....
海のように
大きくて命の源たる水は
わたしには重すぎて大きすぎる
湖のように
優しくてたくさんの命を抱えた水は
わたしには重すぎて大きすぎる
河のように
涼やかで柔 ....
優しい気持ちを交し合って
寂しさを一つずつ埋め合って
想いを丁寧に紡ぎ合って
彼方から伸ばした合った手が
触れ合って握り締め合えたなら
それをきっと幸せと呼ぶのでしょう
....
どこまでも晴れ渡った空を見上げて
あの頃のわたしたちを思った
何をしても楽しくておかしくて
些細なことで涙を流して笑いあって
寂しさも嬉しさもみんなで共有して
いろいろな新しい ....
わたしは深海に漂う水の泡
孤独に苛まれ紺碧の檻の中
どこまでも寂しく漂うのみ
天から射し込む幽かな光に
引き寄せられて誘われて
虹色に輝きを変えても
決してどの色にも染まれ ....
虹色の透明なシャボン玉は
きらきらと太陽を反射して
青空に高く高く舞いあがり
初夏の爽やかな風に乗って
一番高い杉の木の真上まで
わたしたちの祈りと願いを
....
部屋にかかったカレンダーは
どれもあの夏でとまったまま
色あせて端が少しめくれて
蛍光ペンで記された丸印が
日に焼けてかすかに残りそれも
何の記しなのかはもう不明で
思 ....
世界が急速に色褪せて
景色はぼんやりと滲んで
過去と現実の境界は曖昧で
夢と現は混濁する
浮かび上がる記憶の断片だけが
鮮やかに色付いて
現れる ....