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太陽の抜殻が
うすく影をのばし
速度を落としていく

過ぎゆくものはみな
風の一部となり
思いとともに
彼方へとはこばれた

恋人がいま
海のまんなかで
夏の手紙を書いている
 ....
想うことでしか
満たされることのない
言葉のすき間を
こっそりと埋めている
夜のからすが
忘れられた唄を
鼻で奏でる無意味

夜明けの海が
静かに沸騰するころ
意味という名の
鳩 ....
眠るまでの少しのあいだ
自分から発せられる
においを嗅ぎながら
内側から人間の
かたちをなぞってみる
それから
夢の世界にたどりつく

夢の世界に浮かぶ雲
彼もまた
眠るまでの少し ....
天井から
雨が降る
からっぽの家よ
さようなら

涙の足音
思い出ばかり
見つけてしまう
わたしたちは
家族です

翌日
家は消えました

さみしさに
耐えられず
海で ....
今日わたしは
はじめて
自分の声を
発したようである

意味はまだない
欠陥である

血管が
血が流れる管
だとしたら
そこがふさがったら
たいへんである

詩どころか
 ....
格子縞の海を
旅してる
あなたの自転車が
さみしい弧を
描いているのだろう

音がする
鉄柵のむこうから
声のようにかすれては
消えゆくものの

西へ向かう空
魂に似た囁きの
 ....
もうひとりの
あなたが
もうひとりの
わたしと
会っているとき
あなたは
電話で
会いたいね
という

もうひとりの
あなたが
もうひとりの
わたしと
けんかしてるとき
 ....
スイッチを入れて
ゆっくりとまわり出す
瞬間が恋だとしたら
スイッチを切るまで止まらない
換気扇はいったい
どれだけのため息を
換気しなければならないだろう
と、扇風機が
首をふりなが ....
私たちは
雨の絵を描いたり
バケツに水をくんだり
シャワーから水を出してみたり
思いつく限りのことをしてみたけれど
先生はそうじゃないと言って
青空のはしっこをつかんで
そっとめくってみ ....
黒揚羽が横断歩道を渡る
触覚から送信された
メッセージをつかまえて
少しばかりのやりとりをした
それが最初で最後
横断歩道はもうない
黒揚羽が暮らす部屋の匂いも
知ることはなかった
母の筏に乗る子供を
クロールで追いかける
ときどき中州に立って
子供と手のひらを見せあう
中州を指差すと母は
あれはお父さんよとおしえている
また手のひらを見せあって二人笑う
筏が中州か ....
小さな海で泳ぐ
大きなこびとが
小さなやかんで湧く
大きな沸騰が
小さな水道から流れる
大きな水圧が
小さな寝息で見る
大きな夢が
眠りながらこの今も
見た目に小さく
ひそやかに大 ....
瓦屋根白黒雨粒てんてんてん

夕立のみぞおち満たす涙かな

右折してまた右折右折片思い

山消ゆる入梅とともに君までも

紫陽花の涙雨に浮かぶ薄紫

窓ガラス雨だれ落ちては指で追い
 人がだめになっていく様は美しい。悲劇のヒーロー、ヒロインには涙し、身近の悲劇には鈍感な仕合せ者の、ものごとの真理を見抜けない盲目に、わたしは辟易する。現実の退廃には目を伏し、幻影の希望だけを見つめ、 .... 誰かを見つめることが
好きなひとは
その誰かを失うと
失った誰かと
おなじ背中をさがす

誰かに見つめられることが
好きなひとは
その誰かを失うと
失った誰かと
おなじ眼差しをさが ....
捨てられた公園の
捨てられたベンチに座っている
捨てられたひと

捨てられた思い出の
捨てられた世界に生きている
捨てられたひと

かくれんぼの時
最後の最後までみつからなくて
つ ....
ぽえむ君さんの小川 葉さんおすすめリスト(16)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
秋の海辺- 小川 葉自由詩407-9-3
鳩の幸せ- 小川 葉自由詩307-9-1
変化する- 小川 葉自由詩207-8-31
からっぽの家- 小川 葉自由詩207-8-30
けっかん- 小川 葉未詩・独白307-8-29
染まる- 小川 葉自由詩207-8-29
話し中- 小川 葉自由詩407-7-13
ため息- 小川 葉自由詩5*07-6-27
先生- 小川 葉自由詩607-6-24
横断- 小川 葉自由詩5*07-6-13
日曜日- 小川 葉自由詩607-6-5
こどもの寝顔- 小川 葉自由詩407-5-22
涙雨- 小川 葉俳句3*07-5-19
真実- 小川 葉未詩・独白3*07-5-7
ループ- 小川 葉自由詩6*07-5-7
捨てられたひと- 小川 葉自由詩507-4-30

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