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何度目かの夏が来て
また僕はさよならをしなきゃならない
こんにちはもしなきゃならない
どこかから来た夏に
どこかへ行ってしまう夏に

僕たちは
誰かの終わりから始まった
ということは続 ....
だったら少しは信じてみてと
そう思うならと
遠くで声がするんだ
僕を呼ぶ声がするんだ

「ここにいるよ」
声を張り上げて
孤独を引き合う力で、君を呼んで
明日を、呼んで
そうやって今 ....
たったひとつの言葉を抱えて
俺たちは生まれてきたんだ
でも最初にリンゴをかじった日から
あんまり月日が流れていって
別れ別れになって俺たちは、忘れていった

それからどれだけ俺たちは独りで ....
あぁ、マリー
君は覚えているだろうか
あの丘で、あの木の下で、僕は
白い、{ルビ花冠=はなかんむり}を

あぁ、マリー 君は
少し頬を、赤く染めて
そのリンゴを、僕は
優しく、ついばん ....
覚えているか、あれは
そう四月のことだ
この街へ来た、電車で来た
覚えているか、それは

都市を走りぬけ
トンネルを抜け、春の中で
ありがちなおぼろげな夢の中で
あぁ、覚えていないこと ....
何にもない、何にもないってよ俺たち
肩を寄せ合って
それで夢ばかり詰め込んで
どんどん広がって、どこまでも広がってさ

まみれた両腕で
濡れ手で粟、そうやって集めたモンが
ひゅうと、そよ ....
初めに知ったのは母親の体温だった
温かな羊水に浮かんでいた記憶はないけれど
むすんで、ひらいて、して
あれからいくつの温度が僕を通り過ぎたのだろう

居心地の良い夢を見て
蝶々を追いかけて ....
ひとくくりの名で
呼び習わされた私たちという存在
名前ごと踏み潰されて
それでも再び季節は巡って

そう、思えば芽生えから危機
タイミングよく行事が狙う
競争とは名ばかりで
それでも私 ....
真綿で体中を縛られて
それで私たちは生きている
あえいで あえいで
そう酸素だって 私たちにとって毒になりうるのだ

それが無ければ無いで
私たちは絶えてしまう
世界と私たちの境界は常に ....
わけもない始まりが毎日にありふれて
同じような存在が今日も街を歩く
私も あなたも
他の何十億と、何の違いがあって

だけどつまりは、どこまで行っても
私は私、
あなたはあなたで、
違 ....
始まりは何処からか
喩えれば欠けたパズルのピース
風に飛ばされて
均衡が、なかったことになる

そんなある日が訪れることを
支配者は知らない振りをする
砂上の楼閣は初めから
そう、あっ ....
{ルビ私=わたくし}は一日の終わりに
あるいは毎食後に
または休日の安らぎに、人待ち時に
いつかどこかで、あなたに出会うだろう

砂糖も入れていいよ
ミルクだってお手の物さ
閉じ込められ ....
幸せは、
と書きはじめようとして
私はそこで言葉に詰まって開き直る
敢えて語るほどのこともない 私は幸せである

自分の心が決める
とは誰が言った言葉だったか
それはなんだか
壁にかか ....
目の前にするとき
まるで舞台上で スポットライトで
照らされているように 私たちは
鍵なんて探して ポケットをまさぐって

見上げれば月が明るくって
まるで孤独で 砂漠のただ中にいるみたい ....
鮮やかな原色が
夜の暗闇に明るく浮かんで
いざない続ける営みの明るさが
原始の本能を、ふと思い出させて

{ルビ集=つど}っている
人はその下へ
夜に生きる種族は
愛を、切り売りしてで ....
深い谷に橋を架けよう
向こう側へ行く 旅人のため
大きな川に橋を架けよう
渡し守が 今以上傷付かないように

こちら側と向こう側があって
渡るための橋が架かる
どこにも属さないそこは
 ....
近づいてくるその時を
気付けど、なぜか 見ないふり
逃げ回るのは、心だけ
追い詰められた、その時に

実感さえ
どこかへ置き去りに
現実から
半歩先へと、移ろう心

羽などは生えて ....
思い出す
あの日を、思い出す
遠いあの日を、思い出す
あぁ 今 風に吹かれて

最後に笑った
あの日のことを
最後に道を選んだ
あの日のことを

一瞬に嗅いだ 風の匂いで
心はい ....
その言葉は 曲がり角の向こうで
待ちわびている
貴方が そうやって話す
その 頭か何かの中で

今か 今かと
あの角の向こうから
今 来るかと
その言葉は 焦がれている

腰掛けた ....
息を切らして
汗を流して
漕ぎだす足 右、左
急な坂道、狭い路地裏 朝夕に

駆ける、駆ける
風になって
走る、走る
廃線の 鉄道の{ルビ跡道=あとみち}

青い背中に
いったい ....
温かな 身体溶けて
消えてなくなる この形
その奥の 白いもの
最後に残る 形そのもの

硬ささえ いつか無くして
さらさらな 粉になって
小さな壺に 納まって
時々誰かが 拝みに来る ....
水平線上の街は
曖昧な輪郭線と
いつまでも ぎらぎらと揺らいで
浮かんでいる 何もない所で

水平線から
地平線へと
流れゆく太陽
魂は {ルビ何処=いずこ}より生まれるか?

留 ....
薄い{ルビ翅=はね}
はばたいて
数日の 玉の緒
切れた先に 何が見える

揺らめいて 嗚呼
{ルビ水面=みなも}を舞う だが
{ルビ羽音=はおと}は聞こえない
その かすかな存在のゆ ....
そう 私たちは
日常のドアを開けながら生きる
何事もなき
それでいて それなりに満足な

{ルビ同=おんな}じ時間の
{ルビ同=おんな}じ場所で
毎日毎日 繰り返し
人々は皆 すでに{ ....
今日もまた朝日を浴びて
体のスイッチが 入る
巡ってゆく生命
その先にあるものを求めて

水平線の
地平線の
その向こうから陽は昇る
ただの一度も 途切れることはしないで

あと何 ....
ぽえむ君さんの雨宮 之人さんおすすめリスト(25)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夏風- 雨宮 之 ...自由詩2*07-7-13
ここと、今日と、明日と、君と- 雨宮 之 ...自由詩1*07-6-23
アン_アップル- 雨宮 之 ...自由詩4*07-5-29
96、クローバー_【くろーばー】- 雨宮 之 ...自由詩6*07-4-17
92、いつかどこかで- 雨宮 之 ...自由詩6*07-3-20
89、泡_【あわ】- 雨宮 之 ...自由詩4*07-3-11
88、手探り_【てさぐり】- 雨宮 之 ...自由詩4*07-3-9
80、雑草_【ざっそう】- 雨宮 之 ...自由詩6*07-2-12
77、ストレス_【すとれす】- 雨宮 之 ...自由詩3*07-2-6
73、最後_【さいご】- 雨宮 之 ...自由詩3*07-1-28
72、崩壊_【ほうかい】- 雨宮 之 ...自由詩5*07-1-26
70、コーヒー_【こーひー】- 雨宮 之 ...自由詩9*07-1-22
69、幸せ_【しあわせ】- 雨宮 之 ...自由詩4*07-1-21
67、扉_【とびら】- 雨宮 之 ...自由詩5*07-1-12
65、ネオン_【ねおん】- 雨宮 之 ...自由詩6*07-1-7
64、橋_【はし】- 雨宮 之 ...自由詩8*06-12-28
61、逃げ回る_【にげまわる】- 雨宮 之 ...自由詩3*06-12-4
59、あの日_【あのひ】- 雨宮 之 ...自由詩4*06-11-23
56、待ち伏せ_【まちぶせ】- 雨宮 之 ...自由詩6*06-11-11
55、自転車_【じてんしゃ】- 雨宮 之 ...自由詩9*06-11-8
27、骨__【ほね】- 雨宮 之 ...自由詩3*06-8-31
26、蜃気楼_【しんきろう】- 雨宮 之 ...自由詩1*06-8-30
25、蜻蛉_【かげろう】- 雨宮 之 ...自由詩4*06-8-29
4、鍵_【かぎ】- 雨宮 之 ...自由詩1*06-7-24
1、暁_【あかつき】- 雨宮 之 ...自由詩2*06-7-15

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