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行く手を遮る人のように
不安の影がたちこめる
追い払うために
小川のほとりに立つ

苔が敷き詰められた庭の清流
岩の向うに竹林の藪
たたずめば
火に群れる虫のように
影たちがどこから ....
隅田川より低い千住の街を
駆けていく幼い日のぼくの
こころの隙間に
川風がはいりこむ

湿気を含んだ重い風は
低い街並みをよぎり
川辺から離れた神社に
ぼくを連れていく

友だちは ....
ピンで留めたように
肩に力がはいっていると
指摘された

意識して
力を抜くと
肩がわずかに下がる
同時に
手も
いつもの位置より
下にいく

気づかないまま
常に
力 ....
繁みの間から語りかけてくる友だち

幼いころに拾い集めたら
食べるとどもりになるよ
あの子はきっと
食べたんだよ
という子がいた

友だちの中にひとり
どもる子がいた

きみはド ....
名前とこのからだを
引き受けたときから
ぼくは舞台の主役になった

科白は自分で決めているようで
多くの出演者に
気配りしながら
作りあげていく

嫌われたくなくて
意見を言わない ....
公園の散歩道で
不意に
蝉の合唱に包まれる

ぼんやり
考えていて
身体にバリアーができて
今まで蝉たちの声を遮っていたのか

木々を見上げる
どの枝で鳴いているのか
蝉は見つか ....
なんとなくせかされる気持を
落ち着かせようと
傘を開くように
立ち上がる

肩から力を抜き
仙骨を立て
腹から息を出し
前を視ると
スクリーンが
ワイドになる

混雑する電車を ....
時刻表通りに来るはずの
予定という列車を待つ

今日は宴会で
ぼくが進行役だ
何もかも遅れがち
ぼくはイライラする
十分おくれで
皆をのせて出発する
宴会がはじまる
打合せで
飲 ....
公園の
並木道で
かすかに
聴こえる音
の精をさがす

淡い
色すらない
音の精の
羽が
ひらひら舞うのに
輪郭が
ぼんやりしてきた
こころが
よりそう

ためきれない ....
街路にいるぼくが
語りかけるとき
胸の塔の
小さな窓があき
風がはいって
搭の中に眠っていた
もうひとりのぼくが
街路をのぞく

去っていくときに
長い髪をゆすって
一度だけ
 ....
合気道の稽古で
左目を傷つけた
痛風の発作が
右の親指の付け根に出た
車庫入れのときに
自動車を壁でこすってしまった
黒皮の財布を失くした

それでもぼくは
幸せであると唱える
 ....
不意にこころに訪れる黒い種

夜道で
声をかけられる
ぼくの横隔膜が振るえ
喉まであがってきた声がつぶれる

職場で
背後から近づいてきて
落ち度を探る視線の先が
サンダルを履いて ....
挨拶したのに
ぼくを見て
顔を横にして
何もいわない人の
その一瞬が
ぼくのこころに
小さな傷を作る

返さない人の
こころのうちは
苦しくはないのだろうか

その人のことを
 ....
ぼくが朝に来るたびに
遠景にある像がわずかに
動く気配
それをモアイ像となづけて
毎朝
位置を確認する
いつかぼくと一体になるために
近づいてくるのだ

事故のときには
重い像が空 ....
朝起きたときに
眼の前に浮いている
小さくて透明な玉に
息をふきこむ

ふくらんでいく玉の
縁をなでると
中に
今日が観えてくる

三つのことをしよう
妻と買物にいって
郵便を ....
色紙を折って
六角形の船をつくる
水が入らないように
縁を高く折る
かわいいお雛様を折るときに
見えない不安を
そっとつつみこむ

これから
どうなっていくかわからないのに
想えば ....
朝の心の空に
温暖前線がやってきて
晴れて
温かくなった
さっきまで雨が降っていたのに
雲も遠くへいってしまった
公園に散歩に行って
寒椿の花をながめる

午後
嫌なことを思いだし ....
汲みあげる
言葉になる前の想いが
溶けている井戸水から

丸い壁の井戸の底の水面には
手がとどかない
のぞきこむと
そこには何十年もつきあってきた
おれに似た顔がいる

顔はつぶや ....
頂上から
山の斜面にある
噴火口のくぼみまで
火山岩の砂利を踏んでくだる
植物のない荒涼たる大地

坂の途中で
凹んでいるところは
地球のえくぼだ
そこからあがったところは瞑った目
 ....
日々の不安に花が咲く

小針の形をしていて
胸に痛い不安の種を
心の庭にまく

その姿が見えないように
土をかぶせて
言葉の水をまく

新しい種が
胸をチクリと刺す
それも ....
おれの家にはカミサマがいる
毎朝公園を散歩する
おれがよりそって歩くので
怪しげな影は近づかない
近所で揉め事だ
カミサマを守っておれが出ていく番だ
言葉に気合を入れる
四十年近くも会社 ....
走りながら汗をかく電車の車窓から
おれは膨らみきった雲と真向いになる

なんでそんなに大きいんだ
思いを小便のようにためこんで 
我慢しているのか
まわりの雲は白いのに
おまえだけ灰色で ....
目覚めても
夢が続くのか
岩穴に
風が吸いこまれていく

のぞく眼に
洞窟の奥でうつむく子どもが映る
近づけば
幼いままのぼくだ

小さいからだを
剃刀の風が
音を立てて
通 ....
家族でテレビを観ているときに
死んだらどうなるかという考えに
急に抱きつかれて
子どものぼくは立ちあがった

狭い家の中を
歩きまわる檻の中の熊
家族は画面に気をとられて
徘徊に気づか ....
雨の朝
小学校に向かう道
長靴で水たまりに入って
退屈をけとばす

一瞬
水滴が空にむかって
飛んだのを見た
気がした

一緒に何かが
地上の繋ぎを解かれた
風船のように
ぼ ....
思わぬ方角から飛んでくる
ボールのように
不幸は突然
ぼくに当たる

視界が狭くなり
周りが暗くなって
倒れるときに
歪んでいくぼくの顔が見える

しばらくしてもうひとりのぼくが
 ....
朝焼彩茜色さんの殿岡秀秋さんおすすめリスト(26)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
胸のせせらぎ- 殿岡秀秋自由詩514-11-2
風の問いかけ__- 殿岡秀秋自由詩714-10-15
肩から力を抜く- 殿岡秀秋自由詩514-8-15
ドングリ- 殿岡秀秋自由詩914-8-1
嫌われてもいい- 殿岡秀秋自由詩514-7-15
気づく- 殿岡秀秋自由詩514-7-1
落ち着く- 殿岡秀秋自由詩614-6-15
予定- 殿岡秀秋自由詩314-6-1
微かな音- 殿岡秀秋自由詩514-5-15
胸にチクリ- 殿岡秀秋自由詩10+14-5-1
ぼくは幸せである- 殿岡秀秋自由詩914-4-1
不安は詩の母である- 殿岡秀秋自由詩614-3-17
無視されたら- 殿岡秀秋自由詩814-2-15
死のモアイ像- 殿岡秀秋自由詩1013-12-1
シャボン玉- 殿岡秀秋自由詩513-11-15
流し雛- 殿岡秀秋自由詩713-10-15
閉塞前線- 殿岡秀秋自由詩813-10-1
心の井戸- 殿岡秀秋自由詩913-9-15
地球の顔を踏む- 殿岡秀秋自由詩713-9-1
日々の不安に- 殿岡秀秋自由詩713-8-15
おれは番犬だ- 殿岡秀秋自由詩813-8-1
雲よなぜ- 殿岡秀秋自由詩713-7-1
膜の中での変身- 殿岡秀秋自由詩913-6-1
彼岸の日に- 殿岡秀秋自由詩413-4-1
水たまり- 殿岡秀秋自由詩512-11-1
朝の街路樹- 殿岡秀秋自由詩612-6-3

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