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ふたりしてつくっていたのは絵ではなくかたちでもなく額縁だった それは 白い、暗い
水のような
(いえ、湖)
奇妙な、安らかな、
欠落で

なめらかに隆起したそれを、
両手でささげ持つようにして、
人びとは
名前をつけた

それが
何だ ....
日が落ちたら
手をつないで出かけよう
この世のきれいなものはみんなだれかのもの
まだだれのものにもなっていない一日を
この世でいちばんさいしょにみて
それを宝物みたいに抱いて別れよう
 ....
あんまりに海がひかっているから、わたしはあなたと恋がしたくなりました。
理由を聞くひとがいたら、猫でも転ばせておきましょうよ。
雨の日わたしは
ひざまずき
コンクリートをのけてうまれる
ほそい草の根を食べた
雨の日のコンクリート

濡れて

高い
高いビルの窓たちは
かたく
光をはじき
ちらして
 ....
昼には昼の顔をして
月など知らない振る舞いを
夜には夜の服を着て
海にさからう泳ぎかた
明日には明日の「今日」が来て
なかったことなど無いように
青々とした朝が降る
なにかの腹いせに
捨てるように蒔いた種が
季節を無視して咲きはじめる

かみなりのなる夜に
濡れながら
裏切るように白く
うすべったい花びらが
いっせいに

いつまでも
あな ....
可愛かった君が
台風になったと聞いて
かなしかった

あんなに可愛かった君が
なに食わぬ顔で
意味や 時間を
張り飛ばしていく

むかし
一緒にうたっていた歌を
はぐれた風に ....
生き過ぎて
置きどころのない身を丸め
世界じゅうの
音を聞いていた

気持ちばかりが散らかってゆき
世界が
どんどん狭くなる

それから、立ち上がって

なにもかも行き届いた ....
みじかい夜がおわって
きょうがはじまると
君のてのひらがすこししめってくる
青いような赤いような
夜あけまえ

だんだんとあかるくなってくる
あれは
かきあつめた命が
燃えるから
 ....
はねが抜けたので
もうとべない

おもったけど
とんだことはなく
おちたこともない

なんとなく
みみずを
愛しいとおもって
飼いはじめた
空が裏返り
わたしたちは輪の中に身をしずめる

心がぜんぶの水を
吸いとってしまって
体は吹き飛んでいった

肥大して
びしょびしょのわたしたちは
輪を抱き
輪に抱かれながら
 ....
胸のあたりに
なつかしいうたが溜まってしまい
病院へいったが
ておくれだった

それ以来
胸のあたりに
うたを一匹
飼っている
ため池に立っていると
女たちがやってきて
きのうまで愛していた男を捨てていく
濡れた靴したをすっかり乾かしてやると
女たちは
ちがう男を釣り上げて
また
立ちこめる現実へ帰っていく
そらが高い日は
目は
あかるく乾いていた

とりかえしのつかない世界で

それは
神様みたいに
あかるく乾いていた
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タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
額縁- はるな短歌313-10-2
- はるな自由詩413-9-5
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雨の日わたしはひざまずき- はるな自由詩313-2-12
repeat_the_same_thing- はるな自由詩613-1-26
いっせいに- はるな自由詩612-10-5
きれいな骨- はるな自由詩712-9-21
ばらのジャムを煮る- はるな自由詩2012-9-10
夜あけ- はるな自由詩2312-6-21
はね- はるな自由詩4+12-6-1
裏返り- はるな自由詩612-5-26
うた- はるな自由詩1012-4-24
ため池- はるな自由詩512-4-23
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