一足
もっぷ

夕方に駅を一つ分歩く
川が二つ並んであってその一つ目の橋の真ん中に
新品ってわかる綺麗な赤いヒールが一足
だんだん辺りが騒がしくなってきて
赤い靴を見てるのは私だけじゃないって 我に返る
それっくらい、ぼーっとなるくらいに綺麗な赤い靴だった
でも 事件 だからすぐに邪魔だよって追い払われて
第一発見者でもなかったらしくて
それは良いことみたいなんだけどでも
私は でも に追いかけられながら
でも を部屋に入れないようにがんばって
逃げ切っていま無事で紅茶を飲んでる
自殺の理由が(言葉は悪いけど、ごめん)陳腐だったのかな
それっきりの出来事に終わり 翌日にまた
夕方に駅を一つ分歩く
川が二つ並んであってその一つ目の橋の真ん中に
新品ってわかる綺麗な赤いヒールが



自由詩 一足 Copyright もっぷ 2016-08-21 17:55:06
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