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母と{ルビ娘=こ}の
思い出まぜて
ちらし寿司
仕上げにかける
古雛の謎
子供の頃、飾っていた雛人形の指が折れてしまい、結局誰が折ったのかは今もわから ....
――{注三千世界の烏を殺し主と朝寝がしてみたい=高杉晋作が作った都々逸}――
寝物語の睦言に
誰がうとたか{ルビ漫歌=そぞろうた}
熊野の{ルビ牛王=ごおう}を裏返し
....
{ルビ翠=すい}の{ルビ竹生=たかふ}に月夜影
稲穂に似たる紫は 二目と見れぬ稀有な花
最期の時を飾らんと 今を盛りと咲き満つる
風も無き夜に{ルビ竹葉=たかは}が騒ぎ 月花に浮 ....
{ルビ熟=う}んだ柘榴を ひと齧り
愛しいあの子の味がする
{ルビ魄=たま}に根付いた夜叉の念
如来に帰依せど 忘らりょか
ぷつりと潰れた舌触り
あの子の目玉と瓜二つ ....
朔
暗い闇夜に 星は降り
褪めた吐息を ひと抱え
{ルビ虚舟=うつおぶね}に 腰掛けて
平らな川面を 往来せん
二日月
茜の空に 銀の糸
透ける光が 胸を射し
{ ....
時の{ルビ端尾=はつお}を握り締め
いまだ名もなき{ルビ形=なり}を孕み
音なき音に耳を{ルビ欹=そばだ}て
真空妙有の{ルビ現=うつ}に凪ぐ
深遠に{ルビ籠=こ}む白い背 ....
{ルビ畦=あぜ}に腰掛け{ルビ見和=みな}ぎし先の
{ルビ揺振=ゆたぶ}る木立は
神のやすんば
紅い雀が{ルビ舞風=まいかぜ}の中
命の際まで飛び翔ける
漏れる ....
{ルビ朝凍=あさじみ}の
利休鼠に
朱を刷いて
きと{ルビ誘=おび}かるる
垣の山茶花
暗香に
袂を引かれ
仰ぎ見つ
名残の雪に
....
菜の花畑で見る夢の
差しくる日影も目映くて
菜の花畑で見る夢の
{ルビ解=は}つる思い出 風を追う
青陽の影
かげろうの刻
薫り合う間に
{ルビ翔鳥=か ....