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揺らんでいる暮れが
恋人の宵に口づけを落とし
昼間に日干しした布団へ
滑らかに泳ぐよう沈んだ
暮れが眠りについた頃
隣人の顔が宵色に照らされ
誰?と問えば
無言で言葉が返る
青 ....
過去を知り、受け入れなさい
現在を見渡し、理解しなさい
未来を眺め、望みなさい
そして、死ぬまで、生きなさい
耳の奥が痛いくらいの無音
僕の中の心臓 ドクドク
ふと見上げた夢の中の朝空
僕の目の前に はらはら
ひんやりとした雪の妖精達
張り巡らされる五線譜
舞い降りる沢山の音符
空の音楽はい ....
母なる海
更なる深海
棲みつく
数多なる妖精たち
数多なる朱儒たち
暗闇の中
故意な主張もせず
透明の四肢六肢八肢
生命を明確に見せつける
体内の消化器官たち
威嚇用のLEDライトのよう ....
廃れたこの世界
疲れ果てて
この場より
消える為に
この{ルビ楽器=しんぞう}の
奏で糸に触れて
愛撫して
消滅の明る{ルビ灯=び}
が鎮静に
点滅
薄れゆく記憶
ぺたぺた 氷路歩いて
ぼんやり 空見上げて
天使の輪っか
お月さまを囲んでいました
競争しあうことのない円形
境界の曖昧な空
無口に佇んでいました
太陽さんによって闇の世 ....
つうっと
静かに脚を浸す
目を瞑りながら
とぷん、と膝を抱えて
まるで生まれる前の姿で
さあっと
周りの水温が脳内で渦を巻く
水のなだらかな揺らぎと
体内の血流がユニゾン
ま ....
「空って‥私たちみたいよね」
暖冬と呼ばれた日の朝
僕らはベンチに座ろうと
ほんの僅かに積もったキラキラと瞬く雪をはらう
空はまだ青白く薄い綿菓子のようなもやを浮かせる
お日さまも夢 ....
眼球の瞳孔に厚い膜を張り詰めて
下界から自身を遮断すれば
仄暗い靄に包まれた視界
赤橙色はくすんだ山吹色
些か綺麗な気もするが
疲れたからしゃがみ込んで
誰か待つような背中で
霞んだ ....
影が動いた
はじめまして、と
永遠に動くはずのなかった影が
信じる心など、とうの昔に捨てきった
祈る心など、とうの昔に燃やし去った
頼る心など、とうの昔に腐敗し消えた
哀しむ心 ....
研ぎ澄ませて ききなさい
青の せせらぎ
青の こきゅう
青の ざわめき
青の 鼓 動
研ぎ澄ませて ききなさい
アベルとアリスは仲のよい妖精の双子さん
人間界へおさんぽにゆくのも一緒
こわいこわい人間さんから逃げるときも一緒
おふろにはいるときも一緒
もちろん、眠るときも一緒
そして朝、一緒 ....