少女たち暗黒舞踏を踊る夜旧市街へと駆ける少年
少年が少女の着替えを待っている土の器をふたつ並べて
蜜だらけベッドの上で酔い潰れ蛇足過剰の花をむさぼる
張り詰める音楽室の黒 ....
結局僕らは、手を繋ぐことも恐れていたから、きっと、人間なんて外枠は、どうでもよかったんだね。感覚で繋がる、思いは繋がっている。「繋がる」なんて言葉の嘘を、僕らはとうに見破っていた。不器 ....
「メリーゴーラウンド」 15
ぼくは
散髪屋さんなんて行きたくない
って拒絶していた自分がおかしい
喉にタオルを巻こうとして
気管切開のカ ....
笑顔の底
瞳の夢
想う都
あの子が摘んだ紅葉
彼女の子供が摘んだ紅葉
どこまでも続く
想う都
そう想えばの夕暮れに
風は鈴の 音の 色を
....
オリエンタルリリーに
オリエンタルユリって札をつけるのはやめて
ポインセチアをポインって略すのも論外
プリムラ・オブコニカは
オブコじゃないし
プリムラ・メラコイデスも
メラコじゃ ....
むかし、むかし、ずーっと、ずーっと大昔のことでした。
森にかこまれた小さな湖のほとりの岩山に、ひとりの絶対者が住んでおりました。
えっ、絶対者って?
まあまあ、そうあわてずに。静かに聴い ....
地下水脈が耳の下でゴウゴウと鳴り響く夜明け
なんか起こりそうで
境界線に住む「鳥居」さんは
背中がムズムズと 引き裂かれそうに熱くなるのを感じ
家の窓を全部開 ....
触覚の先端ではもう無くしたての繊細な産毛
幾千とおりの声が転回を始めている
その閃光は深く深く脳を焦がし
僕の両手から溢れるハチミツを虹色に染め
やわらかく着地 ....
1
散天したナンテンを摘む球体関節の
長足が天圃を揺らすモールス-テンポ
もう留守になった巣箱のサテンの毛布に
告発者の独白がchillを喪して震えている
朝靄の満ちる未知の一縷は揮発性
....
テストです。すぐ削除します。
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たったったっ と少年が
往来を小走りに行く
戦争が はじまるかもしれない ので
外国人が 多い
声をかければ 靴を磨かせてくれる
稼ぎ時だ
記者だという男などは しきり ....
っていうか、
っていうか、
毛布をいっぱい持ってきて
うずくまる
息ができないくらいに
一体なんだ、何なんだ、これは
タバコの煙
頭の中は
オレンジ色だ
じっと見る
見つづ ....
イエーイ! 家
俺らのため息というため息 体毛という体毛 のすべて
には窓が取り付けられている 家
窓という窓には俺らの手形
という手形にも窓
ところどころは出窓として取り繕っておりま ....
たなかさんちに
ようじがあるとかで
おばあちゃんについていった
すごくおおきないえで
おばあちゃんとたなかさんのはなしが
いつまでたってもおわらないので
ろうかをたんけんするうち
す ....
絵の具が描きたかったのは 校庭のブランコの横の大きな一本の木だった。
一枚 一枚、 葉っぱさん達は 気持ちよさそうに 揺れていた。
「はじめまして・・ 」と お話しをされてきたのは、少し右寄りの ....
いくつもの雫が
髪の毛にぶらさがる
忘れてるのか 思い出せないのか
じれったい重み
麻薬のように
ピッシリと整えられたシーツは
刺激し続ける
ストッキングを脱いで
....
封鎖して
外出禁止
誰でも
拘束する権限を持ち
そんなことをされて
生き延びる人がいるのか
ごはんはどうやって食べるのか
誰が手当てをするのか
これから会社に行 ....
泥のようなものが
頬にぷつり一粒とんでくる
湿っているようで
頬からじわじわと痒みを吐きだしてくる
ニールは白く光っているというのに
一秒と一秒の間を通って
私の頬に張付いた ....
それはもうやわらかさの
空気の眠い部屋が体積を主張し
捏造した自信がゆるりと溶解する夢の直前に
膨大に散乱するやわらかい洋服の
それはもうやわらかさの
叫べど数学的に整頓される時間で
おも ....
暖色の山の合間の分岐点開花未遂で冬がはじまる
先輩と呼ばれし秋の公園の噴水近くのベンチにも冬
少年が少女に呼ばれ午前二時 雪の黒さを確かめている
ひとひらの雪を蛍とたとえ ....
熱に浮かされた瓶が漂流している
東南アジア
フィリピン マレーシアから
ポリネシア ミクロネシアと
かつて舟で移動した人たち
星だけを便りに ....
隅々までほこりを吐いてこの部屋は呼吸も忘れた屍である
恐ろしき世界のごとき牙かくし小さな鳥を演じる小鳥
天体にばらまくひとみ瞬く間消えゆく星が消えゆく速さ
投げつけた夕暮 ....
「メリーゴーラウンド」 14
雲の形
きりーつ れーい
間延びした声で
教室のスイッチが切りかわる
先生が告げた教科書のページを開いてみて ....
いいのである
しょせん言葉ならば
たれながしても
永遠やヒストリーに
殉ずることこそ
権威主義のア・ラ・カルト
そんなことを
半世紀 いや
もっと前の
詩人たちも言っていたと
信 ....
丘しかない街の周りをてんねんと呼ばれるきみの自転車がゆく
「本当は円かもしれない」そう言って虹の半円探しだすきみ
ていねいに折り目をつけてあれはシャツ飛んでゆくのはアイロンですね
....
閉じ込めて鍵を閉め忘れたがゆえに青空今日もひろがってをり
低地へと雨がながれてゆくはるか彼方の名も知らぬやま
生活のにおいを捨てて枯れすすき遠くに見ゆる鬼と目が合う
彼方 ....
留学生のアントワーヌは
フランス人だけど英語も話す
でもわたしはどっちもあやふやで
アントワーヌの言おうとしていることが
いまいちよくわからない
アントワーヌはおしゃれで
見慣れない色 ....
きもちは こつん こつん ぶつかって
ときには ほろほろ
ときには ゆるゆる
しゃくしゃく せまって
からから まぜっかえす
ときおり はしって つむじかぜ
りょうてで つつんでいる ....
悪い事をしてはいけません 悪い事をしてはいけませんよ
と 風が運ぶ 風が運ぶ
あなたは 朝8時に 長い坂道を転がって行ってしまう
隣の人も その隣の人も 意を決 ....
山の上から川が流れてくるよ
さらさらと静かな音が響く
見上げれば白く輝く月
その光を浴びて川面はきらきら
わたしは水の上を溯ってゆく
白い小さな花が川の両岸で咲き乱れ
その香りが辺りを覆う ....
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