麦朝夫さんという詩人のひとを
ぼくは知らなくて
知り合いのうちで読んで見つけて
なんだか
寂しく静かな思いがした。
それは、平日の昼間
なにもすることがなくて
近所の図書館に走り
空を ....
まだ色素の薄い 素の唇に触れて・・・



          おまえの可愛いおでこにキスする
          おまえの二重まぶたに静かにキスする
          おまえの鼻筋に沿 ....
立ち並ぶビル群の幽霊
ビル風が吹き抜けると
敷かれゆく風の線路の上
滑らかに空中列車は行き交う

乗客は皆視線を落とし
日常に見つからぬ出口を
携帯電話の画面に封じ込める

 「 ....
目が覚めたら
隣の布団は空だった
一階の天井と二階の畳
布団と枕
の むこうから
聴こえてる今日
ああ
私がいなくても
今日は勝手に始まっている
このまますうっと消えてしまったら
 ....
ひとつだけ
たくさん
あげるから



ひとつだけ
たくさん
たべてね



おねがいね。
雨が垂直に
突きささったまま
凍りついた
野の どこかに

愛のひとは
ふしあわせだ
与えるばかりで
奪われない

そんな物語の
かいてある石版が
埋まっている
らしい
しっとりと重いスポンジの中で
ただただ黙り込む
水色のことば

遠い時間の証言者
優しさの代わりに膨らんだ
水色の記憶


どんなことにも限界はあるのでしょう
今夜スポンジをしぼろ ....
ふき消して 

かんづめの
まるいぎざぎざ に
暗闇 うつす

切り続け やめた場所
ぱくりと 走り去った
鈍い 刃

なんだって
かまわない
元気かときかれれば
元気だ ....
ほれ、みえこみてみ、ちっこくてめんこいおててだ

祖母は私を母の名で呼んだ
どんなに人を忘れても
季節の意味は憶えている

拾いあげようとするその手も
祖母も
小さくて可愛い
紅葉で ....
昨日は
ライオンに
食われた

一昨日は
ウサギに

肉団子にされ
ハチの幼虫に
食われたことも
あった

ニンゲン様は
俺を汚く食い散らし
ご馳走様
まで
言 ....
楕円の踊る 炎の中へ
熱くない驚きよりも
息のできない
もどかしさで満ちる

なつかしいオレンジ色

ちろちろと
溶けだして
 ....
手のひらの中に 石がある
握りこぶしに 隠れちゃったよ

指の隙間から飛び出しそう
なので
ぎゅっ て
したら

胸の中 なんだか 苦しいよって


これも 愛かな?
駅のホームに
オクラがひとつ
おはなしは
あなたが考えて

(夜勤前に愛野駅にて)
台風去って 青空に見惚れる


白い犬が

着メロにあわせて唄う

わお〜ん わおぉ〜〜ん


林檎を食べていると

傍に来てお座りする

一片あげると

シャリシャリ ....
一時間に一本だけの電車の中で居眠りをしてみると
回想の中で自分の自分に逢えるので
もう一度と思ってみても
一時間に一本なものだから
すごく困ってしまう


ぼくらは、たまに
どうしよう ....
ちょうどいい
ぐらいの悲しみをちょうだい
とんがりすぎてない
痛みをちょうだい

そしたら
きっと 幸せだから

笑ってばかりは 哀しいし
泣いてばかりも 可笑しいでしょう?

 ....
ひとはみな
愛の途上でおわる
どうせいつか 
消える身なので
大差ないが
若い死にふれると
おめおめ
夭折もせずに生きのびて
うしろめたい石である
わたしの
古傷がしめやかに疼く
 ....
夜更けに
タンタンとタイヤを鳴らし
鉄の階段を降りて
僕の自転車が
外へと出掛けて行きます
(ほんとうは僕の自転車ではない
 きみから借りたままのもの)

マウンテンバイクだから
 ....
三番線に十両編成の
パフェが到着した
中から降りてくる人たちはみな
クリームまみれ

母親に手を引かれた幼い男の子が
頭にフルーツをのっけて
昨日からだよね、昨日からだよね、と
 ....
電車に駆け込む、37℃の平熱
昨日の夜食は暴力のオブラート包み揚げ、
鼻つまんだら食べられるけど、おいしくない。

電車の中はオンザステージ、ヒットパレード
ファンクにきめる少女たちを讃えろ ....
ー いとしの ―


あいしてください
もっと
愛してください

それは
愛ではありません

愛しい
こそ 揺るがない
存在

もっと もっと 愛してください

そして ....
愛と
つぶやいてみる
それから
でたらめに
石と

愛の石
ではない
石の愛でも
ない

愛のような石
石のごとき愛

なんか
ちがう

てゆうか
なにやってるんだ ....
八月、蝉が鳴く。
斜面の高いところで、
楠がこんもりと枝を張って
身をゆする。
むいたばかりの
ゆで卵みたいな青空の表面へ、
陽射しをはじきかえしている。
降りそそぐ、
眩しい小さなつ ....
ひめや こはく
ゆう まつ ひ

あらがう ねね
つらつつ おく

とかそ やえせ
ちさら まろの
歩行者は夜9時を過ぎていく
ぼくの身勝手でやさしさを決め込んだ算数が
ドライな公園でひたすら石を数えるように
きみは月を見た

マイクに空気を
あたたかく篭ったノイズが閉じては枯れ
なぜ ....
こそこそと
チャットに入る
そこに
見知った名前があるから

こんにちわ

私は言う
あのう、あの作品
よかったですね
好きです

ほんと?
ありがとう!

私が
伝 ....
バス停で君を待ってる手の平に人とゆう字を千回書いて


鉄棒に逆上がりして校庭を空へと落とすサッカー部員


難解な数の定理を飛び越えてブッダのように眠ってるきみ


教科書の隅に落 ....
ススキ野 原が 北に向かって揺れている
渇水した南風 けだるい西日
東から 懇願の声が聞こえる

私もそこに加わろう
この手に 白い穂を付けて

太陽の光りがいつまでも照らし続ける体(茎 ....
わたしは川を下り
骨だけの草
骨だけの景を組み立てる
雲を集める
息を集める
ひらひらとする



羽のつけ根にひろがる国
赤く透きとおるまなざしの国
からだのすべてに生 ....
ウェーブしたものをつくりたいと思ったことはあるか。わたしは、ある。それはまず滑らかでなくてはならないだろう。日差し例えば、うたたねをする準備ぐらいあってもいいだろう例えば、枕ぐらいあってもいいだろう。 ....
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