二〇〇〇年隠居元年一月一日。墓参。
東京都立多磨霊園二四側四九。
おふくろとおやじとおとうとに「無職」報告。

おそい午前のひざしはおだやかで風もない。
よどんだ時のながれのなかに六九歳 ....
あら、困ったわ
が口癖の君が困った様子なんて
今まで見たことがない
あら、困ったわ
なんて言いながらも
トントントンッとまな板の上で大根を切ったり
ザッピングをし続けた挙句の果ては ....
月の灯かりが舞い降りた
この街で今夜は
どんな夢を並べよう

涙が出そうなこの刹那達が
私を人形に変えていく

みぞれの私に
どんな色つけて振舞えばいい?

星さえ見えない夜に漂っ ....
音も無い
そんな雨に出会って

そんな中に
佇んで
包まれて

張り付いた前髪から跳ねる雫も
もう遠くの出来事のようで


霞んでいく風景に
この道はどこへ行くのかと
この私 ....
唐突な痛みを引き上げてからパンを食べた。

摘まれる、踏まれている麦のムカツキ加減が判った気がして

ちゅうちょなく目の前の海に飛び込むのだ。

童話の世界でなら助かったかもしれない亀を見 ....
面白くない

塵と
輪郭の無い日光
ダラダラの酸素
寝起きの二酸化炭素

怒鳴り声で揺れた

自由を欲しがればいいんですよね
なんか権力とかに跳ね飛ばされながら


 ....
君の笑顔は椅子に似ていて
笑うと誰もが顔に座りたがる

散歩途中のお年寄りや
旅に疲れた旅人
アイスキャンディーを持っている人
ただ夕日を見ているだけの人

誰かが座ると嬉しそうにする ....
あぐらをかいた男の人の
その太腿のあいだにあるその
小さな三角にすっぽりおさまるような女
でいたいのよ
あたしは人間


あたしは人間なのよ!
掴みたいもの掴んではなさない指だって ....
常にあかく
トマトを塗る
あついあつい日々が続き

想い出ゼリーが
ひんやり揺れる
縁側の空気は
うとうとと流れる

小さな匙ですくうと
淡い成分が口の
中で優しいのに

迷 ....
 裏庭の裏に
 アルプスがあって
 頂上で山根さんが
 大漁旗を横に置いて
 しじみの味噌汁を食べてる
 ガッツはないが
 しじみの実を前歯でこそげ取るように食べるのは
 うまい ....
A case of Noble Dry Disease in our hospital


【緒 言】
稀な疾患である貴腐死病(NDD: Noble Dry Disease)の一例を経験したの ....
おつきさんのえだが
するするおりて
わたしのかみを
もてあそぶ

おつきさんのこえは
ほつほつしてて
わすれたころに
きこえてくる

おつきさんのはっぱ
やわっこくって
 ....
この町の
坂を登り切った
いつもの場所へ

僕と君が一緒の週末も
この町を眼下に
何回めだろう

夜になると微かに靄が漂う
簡素で静かな町
僕達はこの町の中身を飲み
そして町の中 ....
君は僕無しでも生きられるかもしんない。
僕も君無しでも生きられるかもしんない。
でもね
君は君無しでは生きられないし
僕も僕無しではいきられない。
君の君には、僕がいた時間が含まれていて
 ....
みんなに嫌われた日は
母の やきそばにくるまって
少し テレビを見る

母は やきそばをもうつくらないので
15年前の
とり肉入り のかけら

やきそばに とり肉は合わないと
ずっと ....
プールサイドに、咲く
チューリップの花びら
清潔な横顔からこぼれ
水色の迷路を流れてゆく
僕たちの、しずく
人工レモン
人工レモン


デンプン質の知性から
いちごの香りが、する? ....
いつもそこに見えている すぐ目の前にだ
共同幻想でもあるぞ 南無阿弥陀仏
現実の世間でも至極あたりまえの
他動説 信じて生きてきた果報者

石の上にも三年 その三年間
近づくと逃げてゆ ....
たとえば悔いることも
不意に 喜ぶことも
時とともに 偶然にとけてゆきます


午後4時半
Tシャツの上に羽織るこのニットを
褒められたのは 初めてです
それはなんて 心躍るできごとで ....
隙あらば寂しいと言おうとするこの口を
誰か縫いつけて下さい

私が言うことで傷つく人がいるだけで
何も生み出さない

この言葉を

誰か縫い付けて下さい

一人眠る冷たい布団
ど ....
金髪の中年
若い未亡人
ぎこちない青年

3人はうどんの出る喫茶店で
食事を共にしていた

丸テーブルの真ん中に
輪菓子(ドーナツ)が置かれていた

スポンジの空洞の上で
3人は ....
檸檬は今にも飛んでいきそうな色と

形をしているけれど

決して空を飛ぶことはない

朝、テーブルの滑走路で
街灯がちかちかと合図を送ったので
家へ帰ることにした

これといって何もない一日の
夕暮れの空はやっぱり綺麗で

一昨日 昨日 今日 明日 明後日
一直線に繋がっていく
ただ それだけ ....
もしも私に貴方好みのしっぽがあれば
私を愛してくれたかしら

ふんわりふわふわのしっぽがあれば
独りの寂しさ無くなるし

あたたかふんわりで
貴方を包んであげれるのに

怒った時はぴ ....
そこにプールがあって曙と泳げる。
肥満体おどらせて水飛沫をあげる。

可愛くてたまらないまるで嘘のような
滑らかな褐色の肌をしたオンナ。

残された人間の時間感じながら
オトコの命の ....
まあるいね
こんもりと
きいろいね
くっきりと

わらってる
うたってる
さぼてんの
はちのすみ

はるですよ
はるですよ
ここにいま
いきてるよ
貯金箱のサルには
わからなかった
食っては出し
出しては食っても
狼色のコインばかり消化不猟で
胆のうにヒシヒシと溜まっては
廊下に流れてゆく
遠くそびえる針の穴にまつわって
おじ ....
あの日
僕の夜空は燃えた

僕は君を許せず
君も僕を許せず

裏切りと涙の
炎が燃え立った

僕は酒も飲むし煙草も吸うけれど

憎悪に近い炎を
一杯の酒で流せるはずはないよ
 ....
僕の欲しかった
犬のぬいぐるみ

お母さんが
買ってくれたんじゃだめなんだ

お父さんに買って欲しかったんだ

僕は
お父さんを写真でしか知らない
天にいるのか
地にいるのか
 ....
ここではないどこかへ飛んで行きたいのだ
ずうっとそう思いながら生きてきたのだ
プールの中で仰向けに空をみあげて
おおきく息を吸いこんで溜息ついて

からだにまといつくなめらかな水の揺れ
 ....
もう
行過ぎてしまったのでしょうか
継ぎ接ぎを当てながら乗り継いで
ここまで歩いてきたけれど


風の叩く音に急かされて
窓を開けて覗き込めば
色と色とが混ざり合った空が
時間の流れ ....
ふるるさんのおすすめリスト(5744)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
隠居元年- 狸亭自由詩1204-3-27
あら、困ったわ- たもつ自由詩5004-3-26
月に願いを- 純太自由詩7*04-3-22
煙雨- 霜天自由詩704-3-20
感謝してやる- 示唆ウゲ ...自由詩3*04-3-20
素面- 喫煙変拍 ...自由詩3*04-3-19
似顔絵- たもつ自由詩18*04-3-19
芋虫でいたいのよ- 自由詩404-3-19
蚕食の図- よつやと ...自由詩304-3-19
凄腕の。- カンチェ ...自由詩4*04-3-18
当院における貴腐死病の一例- たかぼ自由詩1404-3-18
月の枝- 湾鶴自由詩804-3-18
環流の町- 純太自由詩604-3-17
さよならだけど- さち自由詩6*04-3-17
やきそば遅い- 山内緋呂 ...自由詩15*04-3-16
『チューリップ・レモン』- 川村 透自由詩5*04-3-16
逃げ水- 狸亭自由詩604-3-15
肌寒い格好で出てきてしまったこと- nm6自由詩904-3-14
縫い物- 暗闇れも ...自由詩4*04-3-14
ゆびあと- 服部 剛自由詩8*04-3-12
静物の地平- たもつ自由詩1504-3-12
曲り角から- 霜天自由詩404-3-11
しっぽ- 暗闇れも ...自由詩4*04-3-11
もう一つの理由 - 狸亭自由詩604-3-11
たんぽぽ- さち自由詩904-3-10
サル- 湾鶴自由詩204-3-10
★39_ボクノヨゾラ- 貴水 水 ...自由詩9*04-3-10
★38_ボクノ…コト- 貴水 水 ...自由詩404-3-10
ここではないどこかへ- 狸亭自由詩704-3-9
東雲- 霜天自由詩304-3-9

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