はけ が とどいて
ぬられる めと て
ほおばる いろいし
つめたい みみたぶ
ひ に すか され
ひ に こげ つき
そら の くに よ
ほほ さらわせ て
空からたくさんの手紙をわたされ
緑のなかへ入り
迷ううちに手紙を失くし
戻ってきたときにはいつも
お礼の手紙が積まれている
迷うために迷うのではなく
たしかにどこかへ ....
セーターの首をつまみます
えりが首を小さく噛むためかゆいのです
ふわふわの小さな猫をつまむ指
もう悪さはするんじゃないよと離します
石炭を掘りし祖父らの手のひらにひとすじ青き川の流るる
コーヒー店ここにあるぞと言う父の初恋よぎる遺伝子の夢
をさなごと眠る畳に健やかな妻うつくしき秋の遊具も
弟は真夜中銀 ....
いつからだろうマフラーがすっかり
魚だ
巻くと冷たい鱗がささり
しかも時々鋭い歯でかみつく
工場からの帰り
俺の手は油と煤だらけだが
首のあたりからは
腐った泥の臭いしかしない
明 ....
て ぶくろう
ほけちょ
たるんだ
ゆめ み
あしあと ついばんでる
って ふく ろ
あ ほう
空 に 見 つ け た
君 の 羽 根
さしこむ月明かりに
浮かび上がる
窓枠におかれた青白い手
古びたホログラムのような
その手の
輪郭が、ぶれ
はしる、ノイズ
握られたナイフの
かるい重み
ナイフは澄んだ鏡
凪い ....
その頃
ぼくらといえば
美しい霜のうえを
自転車で完璧な曲線を
描きながら
ふるえる独奏者としての
ふるえるりんごの夕陽のことばを
所有してました
複雑なぼくらのようなわたしたちの
....
地面を打つ雨の音
ぽつぽつと ぽつぽつと
惜しむように奏でられる水上の音楽
とつとつと とつとつと
長雨の予感 ほわんと浮かび去る吐息
硝子の向こう まどかに映える懐かしい ....
これは1618年にロバート・フラッドという名の錬金術師が発明した永久機関です。さしずめ「アルキメデスの螺旋」の応用といったところでしょうか。この螺旋の管が水車の力でまわると水は上方へ運ばれそこにある枡 ....
まりこから
またメールが来た
まりこはバカだから
「こんにちは」を「こんにちわ」と書く
まりこはバカだから
「一応」を「いちよう」と書く
まりこはバカだから
おれの名前の漢字 ....
綺想を詩文に纏わせる概念の一つとして、今回は「当て字」を見てみようと思う。
例えば「満月」の満を万として「万月」とする。
例えば「太陽」の太を帯として「帯陽」とする。
例えば「陽光」の陽を羊 ....
ある時
うさぎは
森の中を
大声で叫びながら
走っていた
「たいへんだ
たいへんだ
ぼくはおおきなゆううつに
おしつぶされて
しにそうだ」
動物たちには
「ゆうう ....
雪の 蝉は
冬に 生まれて
お日様に 溶けて
ぽとりと 落ちる
ほら
とんでいく
ぷうわり、ぷん
ぷうわり、ぷん
君はシャボン玉のことをこう呼ぶ
膨らんで飛んでゆくさまが
ぷうわり で
弾けて消えるさまが
ぷん なのだろう
ぷうわり、ぷん
ぷうわり、ぷん
....
連立する高層住宅の緑は孤独
メタリックな金魚は
雨の日に口を開けて上昇するんだ
施錠された鍵は傷ついている
何度も何度も何度も
屋上に取り付けられたばかりに
また傷ついている
無 ....
山 眠 る 父 の 書 斎 の 鍵 ひ と つ
蝋 燭 や 息 を 止 め れ ば 火 も き え る
支 え あ う 者 ら 夕 ぐ れ 泳 ぎ く る
爆 ....
■宮澤賢治
さて、先日図書館で宮沢賢治を借りてきたのです。ネットで詩をはじめた自分にとってあんまし本てのは食指が動かんかったわけです!!!!(ダメすぎ)面白いくらい詩を読んでないわけなのですが ....
このひとと
子供を
授かりたいと
思った女性がいた
別れた
昼寝のあと
毛布のくらやみに
想像の
子供の影を
写す
おさない私の中の
泡ダチは
つよくはじけ
夢見 ....
「ぼくたち」
「わたしたち」
「この巣立ちを新たな出発として」
「新しい場所で頑張っていくことを」
「誓います!」
「ちーかーいーまーす!!」
その場で号泣していたいじめっこの近藤さん ....
今夜も 僕はほんの少しだけ世界を忘れる
飛び上がって
ひと思いに刺すことが出来ずに
沈みながら
血迷った逆流に身を躍らせる
時計は残された時を静かに刻み
やせおとろえた夜の下で
僕は僕の ....
ロゼッタ
ごめんよ、約束を破る
こんなに風が強い日は
恵まれた二人のセレモニー
出会う前から恋になる
噂に胸をときめかせていた
気の遠くなるよな
熱に煽られ
初めて出会 ....
野茂投手が
大きく腰をひねり
ボールを投げるのを
見ていると
カッコイイ
僕と同じ大阪で育ち
朝が弱いので
朝の練習はとても
嫌いだったらしい
米の、放送局のインタビュアーに ....
遠くに咲く
桜の写真
浮かべて 流れて
さらに さらに 霞みゆく
Gが高めの空気
追いかけていきそうになる沈黙へ
花びらが散る
クリスマス、雪に見立てた紙吹雪。 ....
マジか ネタかって なんだろ
本気か 遊びかって ことかな
それは でも
いったん 言葉にした時から
すでに 詩にした時から
言の葉 の 受け継ぎの中に 展開されて
ひとり ....
夜の空気は光を磨くので
光も鳴るように笑います
心臓は崖へとつながっている
推定二百メートル
くらいでしょうか
そこから下を覗きこむのも可ですが
寧ろ僕は
ヤッホー
の魅力にとりつかれいつまでも
ヤッホー
ヤッホー
と繰り ....
ごくどうの
ぼうけんかが
ふゆのさんみゃく
こおりのあらし
そうなんちゅう
さむくてさむくて
うんこけんきゅうかになったら
あったたかった
ひげはこおりつきそうだけど
うん ....
なんか官公庁みたい。
えーと、大学のゼミとかでよくつかわれる脅しの言葉「君〜は読んだかね?」この攻撃なんどもくらいました。泣かされました。泣く泣く読みました。追いつかなくて睡眠時間を削りました。確か ....
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