ほとんどのことは
なんてことないんだよって
どうにかなってくんだって
教わったのは
病院の、ロビーで泣きじゃくるわたしに。
無言で母はわたしが立ち上がるのを待ってくれたね
何時間も
 ....
ボクは湯船に使って 視線を下に
そして下から上へ 観察日記の対象植物ように
少しだけ下腹部の贅肉が落ちた気がする 気持ち少しだけ
気持ちが大事 念仏のように刻み込むことが

視線を移すと ....
かたく凍った夢を砕いて
画用紙に宇宙を描いて暴れだす
果てのない星々の海は瞬き、
チビけた鉛筆が一本
煌く銀河を縦横無断に奔る


つめたく凍った言葉を融かして
原稿用紙に文字を紡いで ....
なんでこんな晴れた日に
なんでこんなときなのだろう.

ぶつかりたいし 名前を言いたいし
みつけてほしい
みつけて
みつめ



その指にあまがみをして
サンプリングをして残した ....
たなごころに
すとんと収まるその笛は
尊い土の重さと
ほのかな内空の軽さを
同時に伝える

私は
澄んだ森の気配に
肺胞を湿らせ
惹きつけられるように
ほっこりとしたぬくもりに
 ....
 
 
父のベッドのところまで
凪いだ海がきている
今日は蒸し暑い、と言って
父はむくんだ足を
海に浸して涼んでいる

僕は波打ち際で遊ぶ
水をばしゃばしゃとやって
必死になって遊 ....
旅するひとよ、空は
くるくる重低音を行き来して
雨の匂いさえも はなうたの
材料にしながら

「これからの僕を分けよう」
粒は汚れのない アリスの涙
少女は聞きわけよく
旅するひとに付 ....
白い壁に掛けられた 
金の額縁には 
名も知らぬ画家の描いた 
淡い水彩画の少女 

朝の光に透けながら 
すきま風に膨らむ
カーテンの窓辺に佇む
黒い瞳の少女 

日々多くの人と ....
小さなまどから
両手を広げたら
境も {ルビ閊=つか}える枠もなかった

風は湿り気
きょうもいくつもの紙ふうせん
昇ってゆく
まだ、両手広げたまま 吸って 吐いて


十字架のか ....
 
 
バス停が鳴いている
訪れることのない朝のために

昨日、私はミシンの音を聞きながら
水道管の裏にたくさんの
傷をつけたのだった

手をあわせれば
祈りのように見えるけれど
 ....
                090611




○を書きなさいと言われて
ちびた鉛筆を取り上げる
年老いた今は
ダンガーバルブのように
安定した放電が望めない
ではなくて ....
ギリシャという国の
ある島では
女が 女を
いつくしんでいたという

緑ひしめく小さな島よ
木々が父で
砂浜が母ならば
そんな愛をゆるしてくれるのだろう

いいえ ゆるされない愛な ....
扉が
壁になった
観音開きの合わせ目には一ミリの窪みもなく
錠前も、蝶番もなく
光も、ざわめきも、向こう側の気配はなく
ひた駆けてきたあなたの
汗と、一千万秒が
消散した その静寂で
 ....
苦手ってわけじゃないんだけど
それでもやっぱし
う〜ん
苦手ってことなのかな


毎年この時期に行われるんだよね
以前は建物の裏口に横付けされた検診車のなかで行われていたんだけど
この ....
 朝の庭は

 淡い彩り

甘い匂いを

ほのかな空に

夢見る花は

 微風に揺れ

ふわり

ゆらり

 羽ばたいて

蝶よ
 ....
2005年にウエノポエトリカンジャム3という
野外で8時間ぶっ続けで約80組が出演し
詩の朗読をするというイベントの
実行委員会の代表をやらせていただいた。
3というのだからそれ以前に2001 ....
いろんな
ガシガシに組みあわさった
知恵のわが
眼のまえにあるけど
なげだすわけじゃなくて
くぐると
自分を打ちつけないで
すむよ

そそろ、そろろ

水分のとんでしなびた
レ ....
森が
あれほどさわがしかったのを
夜はいっしゅんにしてねむらせる
あの懐のひろさ
そよ風のてのひらが降りてきて

いいんだよ
だいじょうぶ だよ

ひとりひとりの木々に
そういって ....
演劇部の先輩のふくらはぎに
さくり、と突きたつ
矢文になりたい

長閑な朝の通学路に
あらっ?と気づかれて
さらさらほどかれたい

演目は
「草原とピアノと少女と」
そんなガラス球 ....
                 090528


明白なことがあって
影が消える

隠れ里に住みたいと願う者が
桃源郷を営んで居るのだと
ほろ酔いの男が
駄洒落た顔を歪め
駅 ....
私は銀座の喫茶店でアルバイトをしていた事がある。

一杯1200円取るような店だがコンスタントに客
が入り、週末は近くにある劇場や、映画館帰りの客
でごった返すときもあった。こんな価格設定でも ....
みえるものは
たとえば、光るに足らない星たち
それは遠く、遠くにいる
だいじなともだちの
からだに巻きつく
スパンコールの糸でんわ

暗がりでもこわくない
ほらね きみがいる


 ....
眠れないまま過ぎてゆく
夜明けとともに
境界線の不在を知る
そのために

昼を住処としたわたしは
眠らない深海のさかな
見えないものは無いわけじゃない
何度もなんども、ただ気付く
深 ....
ただ わたし
いるしかできなかった
ふもとで足が
すくんでたのかなあ
呼ぶこともできなかった
さけぶことも
云うことも
かみ殺すことも

ただ わたし
ここにいるしかできない
こ ....
薔薇を見に行かなければいけないね
薔薇を見に行かなければならない

薔薇なんて柄じゃないなんて言わずに
心と体を
自分の気持ちと五感とを
ひと一人分
薔薇の中に置きに行かなければ

 ....
{引用=草っていうのは
好きなことばのひとつです

あといくつか好きなことばがあるのですが

そこに石があってもいいし土も
あるだろうし水たまりもあるし
雨がふっていてもそれはそれで
 ....
くるぶしを浸した
海の底の
遠ざかる砂に
裏返る
また少し君のこと

舞いあがる
風のゆくえに
どんな不自由をみたの
何もない空に
探してる
君の糸口

いくつかの土くれは
 ....
薔薇をあなたに
五月の薔薇をあなたにあげたくて
私はひとり庭をさまよっている

ハーブの花畑を通って
クレマチスの花園へ
キングサリのアーチをくぐったら
そこはもう薔薇迷宮
色とりどり ....
たくさんの魚が、ほとんどのそれらが虹色で、真夜中の信号機が赤だというのに、ずっと点滅したままの赤だというのに横断している、横目に見ながら、触れそうで触れない手が魚のそばで踊っている手を、高校生とおぼし ....  昨夜は新しい詩集「Familia」の出
版記念の詩の夜であった。何人もの詩の仲間
がこの本を手に取り、休憩時間にメッセージ
と名前を書いて、一人ひとりに手渡せた時、 
僕は詩を書く者の幸せを ....
ふるるさんのおすすめリスト(5756)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
グローイングモーニング- 唐草フウ自由詩9*09-7-3
バスト- もこもこ ...自由詩2*09-6-27
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1639- 唐草フウ自由詩4*09-6-26
土笛の記憶- 佐野権太自由詩15*09-6-23
遠泳- たもつ自由詩1309-6-21
頬に旅- 唐草フウ自由詩6*09-6-19
窓辺の少女_- 服部 剛自由詩16*09-6-17
六月のキイホール- 唐草フウ自由詩8*09-6-15
外出- たもつ自由詩809-6-13
風の谷で青い服を着た少女が桶屋を営む。- あおば自由詩5*09-6-11
自然- 歌川 至 ...自由詩209-6-11
春の終わり- 伊月りさ自由詩16*09-6-9
モモなひと- 恋月 ぴ ...自由詩24*09-6-8
少女- 柊 恵自由詩9*09-6-4
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果実の番号- 歌川 至 ...自由詩509-5-31
先輩フェチ- 佐野権太自由詩22*09-5-29
桃源郷- あおば自由詩3*09-5-28
サブリミナル、暴発- ひとなつ自由詩6*09-5-26
めをとじて- 唐草フウ自由詩6*09-5-25
とりのこされる、せかいで- たりぽん ...自由詩6*09-5-23
ただ- 唐草フウ自由詩3*09-5-22
薔薇のパラグラフ- 小池房枝自由詩609-5-21
どこまでもどこへもどこでもなく- 石川和広自由詩1109-5-20
貝むらさき- 佐野権太自由詩20*09-5-20
ガーデン- 未有花自由詩21*09-5-19
トワイス・アップ(トワイライト)- nm6自由詩509-5-19
詩集「Familia」に込めた想い_〜(もう一つの世界)に尽 ...- 服部 剛散文(批評 ...509-5-19

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