男は簡単だった
周りの人はみな
おまえは簡単だ、と言い
いたって普通だった男の両親は
なぜ普通の自分たちから簡単な子供が生まれたのか
死ぬまで不思議がった
時間があると男は海を見に ....
影は何回も東の方向へ、ぼくとさよならをしたかったはずなんだ。
地面に転がったいくつものものたち、ごみばこ、人間、薄紅色の携帯電話、
全てが…なんか、倒錯している世界、素晴らしい世界。は、
フ ....
 
   水に映る自分を
   かきまぜてもかきまぜても
   自分にもどる
道の途中
その曲り角の 節目ごとに
石を埋める
浅く
また深く
土を掘って
掘り出されることを予期せずに
宝石のように
ただの石を地に埋める

その上に霜が降りる
あるいは雨が降 ....
そんなに強くしないでと、
君はいう。

構わず痕を付ける。強く。
あいつの知らない場所に、おれの痕を付ける。

おれを愛した唇で、
あいつを愛撫して、
おれが愛 ....
 



二つの言葉の義眼をはずし

二つの穴にたまった雨水に

羽根が沈んでゆくのを見る
三人泣かせ帰ってきた、清く正しい朝帰り。
麦茶が妙に空っぽい。

虚しくて空しい。
遠い。
遠いんだよ。
俺は、




以下、呟ぼやきます。

罵詈 ....
よちよちとあどけなき手に握られた小菊の束はあさつゆに濡れ


街かどに伽羅のかほりの漂ひて白き日傘に蝉時雨のふる


いま何処におはしますやら彼の人の辿るゆくへは菩薩か修羅か



 ....
詳しいことは受付でお聞きください
そう言われて男はあたりを見回すが
どこにも受付などない
大切な用件なのだ
思い余って
受付はどこにあるのですか
と再び聞いてみた
あなたが受付です
胸 ....
どのくらいの広さで降っている雨なのか
心は探りに行く
夜に出てゆく

けれど心は気持ちでしかないので
体の外のことは何も感じられない


雨の立てる匂いの遠さと近さ
水の滞空時間
 ....
たおれるって 
あきらめることでは なくて
おきあがれない こと

かよわなくなった こころ
暗く 憎しみばかりつのる時

灯は しずかに 病みを照らして

今は 夜
ただ ....
それぞれの空があり
それぞれの海があるように

それぞれが少しずつ違うからこそ
世界と呼ばれるものがある
ぼくらは

お互いを知るために
生まれてきたわけではないけれど
傷つ ....
 


けだものの心に近づいてはいけない
けだものに喰われてしまうから
けだものの心を知ってはいけない
けだものになってしまうから

けだものの心は
晴れわたる心

恣(ほしいま ....
   思い出せない言葉のかわりに
   鳥を葬り
   砕けていく雲を見つめる


   質問と答えを
   同時に失うとき
   翼を求める気持ちをおさえられない


 ....
もともと性に合わないんだ

優しくされるのも
穏やかになるのも
まんざらではなかったけれど

もともと性に合わないんだ


じっと見つめてごらん
鉄塔のもっと上

じっと聞 ....
たとえば少年の溜息を
たとえば少女の独白を
空は拾いあげるでしょう

空にはみんなの星がある


たとえば背広の焼酎を
たとえば情婦の香水を
空は拾いあげるでしょう

空には ....
    火のなかに失ったもの
    火のなかに忘れたもの
    火のなかに入り
    置いてきたもの

    
    三つのものの区別がつかなくなった今でも
    お ....
 平均台の上を歩くみたいに、生きてる


 両の手を横にのばして、バランスをとる
 あせってはだめ
 はしるなんて、なおさら


 足もとばかり、見ている
 けど、前を向いたほうがキ ....
男のズボンの右ポケットは
いつの間にか上着の胸ポケットに繋がっていた
えいっ、と腕を突っ込めば
指先が胸ポケットからにょきりと出る
それが生きていくうえで何の役に立つというのか
試し ....
いま、ここでできること
わたしのなかの
もう忘れた 日々のなかの
灰の底で まだ暖かなものを
はだかの ゆびで つまみ
てのひらのなかで
そっと 吹きかけていくこと

ああ 雨が窓を打 ....
その花は
涙をあつめた
毬のようで

降りつづく
雨の重さに
身を委ねて

香りもせず
散りもせず
ただうつむき

けれど私は
その毬から零れた
微かなうたごえを
た ....
次に私が拾った獏は
これはもう生まれついての
野良獏だったから
やっぱり夢は食べなくて

好んで食べたのは・・・嘘

あぁ 私はどうしたらいいのかしら
せっかくイイヒトで通してきたのに ....
マリアンヌあなたが眠る七月にあなたが強く響くのを聴く



マリアンヌ七月の原をふりかえり星の海を見つめつづける



マリアンヌ石壁を越えあなたへと滴のような声がしたたる ....
    思いもよらない場所に
    手が くちびるが
    触れてゆく
    思いもよらない場所に


    いるはずのないひとの
    手が くちびるが
    ....
 


    すべての星をつないで  ひとつの星座を作りたい


    火でできた椿の  輪を作りたい


    空に映る地の原に  咲く花を見たい


    海に落ち ....
男は十数年ぶりに平均台の上を歩いた
平均台はジャングルにかかる丸太の橋で
その下には凶暴なワニが口を開けて待っている
そんな子供のころの一人遊びを思い出しながら
晩、男はトンカツを食べ ....
この世界には もう
ひとつも乾いた場所など無い と
そんな風に思うほど
360度 水浸しの溢れ出る水槽です。



窓を開けると 外は白い縦線で埋まる巨大な水鏡で
映った私の全身から  ....
    蝶のための海岸
    岩に潜るもの
    砂粒を喰むもの


    夜のにおいの枯れ庭に立ち
    ふいに風を振りかえるとき


    ヴィンセント
 ....
男は冷蔵庫の中で傘を飼育している
夜の方が良く育つときいたので
朝になるとわくわくしながら傘に定規をあてるのだが
傘の長さが変わっていることはなく
その度にがっかりする
けれど男は知 ....
目を 吐き
草を 食べ
今生の 別れに今 抗うものがあれば


砂糖で できた林檎を
黒風呂敷で 包み
きびすを返そう

つかんだ者は やがて堕ち
つかまぬ者は 行ってさ ....
ふるるさんのおすすめリスト(5756)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
七人の男(簡単な男)- たもつ自由詩1105-7-11
遠、- ピッピ自由詩505-7-11
ノート(35Y・12.3)- 木立 悟未詩・独白405-7-11
石を埋める- 岡部淳太 ...自由詩10*05-7-10
「_残酷に。_」- PULL.自由詩6*05-7-10
ノート(35Y・10.25)- 木立 悟未詩・独白205-7-10
「_空っぽ朝帰り。_」- PULL.散文(批評 ...5*05-7-10
盂蘭盆- 落合朱美短歌8*05-7-10
七人の男(探す男)- たもつ自由詩1105-7-10
雨の日のアメリア- 小池房枝自由詩2205-7-10
- 砂木自由詩20*05-7-10
60億分の1- ベンジャ ...未詩・独白6*05-7-10
ノート(35Y・12.8)- 木立 悟未詩・独白205-7-9
ノート(35Y・9.4)_- 木立 悟未詩・独白205-7-9
紙飛行機になる- 千波 一 ...自由詩13*05-7-9
お空は少し広すぎるので- 千波 一 ...自由詩11*05-7-9
ノート(35Y.6.16)- 木立 悟未詩・独白505-7-9
バランス- 望月 ゆ ...自由詩17*05-7-9
七人の男(ハトを捕まえる男)- たもつ自由詩1205-7-9
こころみ_2- るか自由詩1705-7-9
紫陽花- 落合朱美自由詩11*05-7-8
偏食_二- 落合朱美自由詩11*05-7-8
ノート(マリアンヌ)- 木立 悟短歌605-7-8
ノート(35Y・6.30)- 木立 悟未詩・独白305-7-8
ノート(34Y・3.3)- 木立 悟未詩・独白705-7-8
七人の男(平均台を歩く男)- たもつ自由詩1005-7-8
2005・7_雨の終わりの日記- 千月 話 ...自由詩17*05-7-7
ノート(31Y・9.10、27,28)- 木立 悟未詩・独白205-7-7
七人の男(傘を育てる男)- たもつ自由詩4705-7-7
棲む- 山内緋呂 ...自由詩905-7-7

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