すべてのおすすめ
タンポポの茎をつまむような
頼りない感触で押し出されてゆく空気
うけたまわっております おはよ いる? ブッ
ええ、 えぇ、 メール いた きた みた
おやすみ グットナイト グンナイ ....
針を折るような音が
遠くで響いたり
単調な反響をくりかえし くりかえして
吹雪が去っていく
そして
おしよせる
春がじわり地をはい
足元を湿っぽくさせ
春が舞い
町 ....
夕闇から吹いてくる
嘆きのざわめきが 靴の音で新鮮だ
ふざけたのりで地面を撫でまわす
こうやってできてゆく
グランドキャニオン
幾層にもなって
髪がうんと高く飛ばされ ....
胃のまんなかで
大きな足音がする
革靴に蛍光灯の色を
うつらせながら
足踏/トプトプ
胃のまんなかは
ずっと重くて
ずっと熱い
うんと胃を震わせて
追い出そうとしても
ステッキ ....
背中にふれる髪は
ここまで伸びた
毛先をつまむと3年前の記憶が
染み込んでいそうで
笑える
きいろい花はいっぱい咲いて
まばたきをする
すぅぃと踊らされて
闇をきる
ゆっさゆ ....
そうじきで吸いこまれるのは
手首までが限界だ
スウィッチを入れようが
入れまいが
ふろばにある
換気扇や排水溝が
ほすぅと吸い込まれるのは
抜け毛だけ
しなだれた前髪は
な ....
アイスチャイが作る船の
端に立ってごらんよ
スミレの花の
花弁の奥に顔を背けてしまう
因果とシナモン
刺激が感化する乗ってゆくJR
遠くへ行こうと人波が蠢く改札へと
吸い込まれてゆくキッ ....
サンボール
煌く窓辺
髪が頬にかかり
数本は口元まで寄りかかる
白壁のビルが空と一枚になって
雲は遠慮がちに薄い
揺らぐ陰まで淡く香る
ペチコートカーテン
ひらり
青いスニーカーが似 ....
遠くに咲く
桜の写真
浮かべて 流れて
さらに さらに 霞みゆく
Gが高めの空気
追いかけていきそうになる沈黙へ
花びらが散る
クリスマス、雪に見立てた紙吹雪。 ....
ぼうず頭を撫でる
指を刺す硬い毛と
頭皮から感じる桃源の温度
父と母がここにいる
朝刊を読む父の無精髭
下顎のかげんが、ちょうどよい。
皆おなじ背丈、おなじ艶、おなじ顔。
....
なんと呼ばれる鳥なのだろう
石段の不揃いな傾きに
しっとりと煙る霧の中
コードの巻かれた掃除機は
底辺の視界を黙々と追っている
ガラガタリと小さな車輪を回し
苔を舐めるように登って ....
いくつもの雫が
髪の毛にぶらさがる
忘れてるのか 思い出せないのか
じれったい重み
麻薬のように
ピッシリと整えられたシーツは
刺激し続ける
ストッキングを脱いで
....
泥のようなものが
頬にぷつり一粒とんでくる
湿っているようで
頬からじわじわと痒みを吐きだしてくる
ニールは白く光っているというのに
一秒と一秒の間を通って
私の頬に張付いた ....
頭は、たくさんあってよ。
ちいせぇ笠も、でけぇ笠も。
水すくい上げてよ。
飛び込むのさ、回転さ。
なんべんでん、やるき。
ゴールはあるき。
じゃけんど、 ....
(ア、ア、マイクテス、テス、本日は晴天なり。)
がぁーん チャペルの発声
ほとばしる 薔薇 バラの花びら
ひゅうひゅうと襲われる
トレーシングペーパーで透かしても
バラの雌蕊は包まれて ....
糸のほつれは オークルの頃
所在なく 布地を這う
砂漠の穴を探って
袖をとおしてゆくドレッサー
底から透けて
ダークブルーのストッキング
トレモロの流線
す ....
誘惑してまた漂う欲
消えよう、と。
レコードが内包する闇
うっすらと透けて見えるカーテン
雫から滴るスペル
と、点。
滲まずに 立って
....
太いものはいろいろあるが、
みんなどっしりとしているわけではない。
たとえば、ジャンケンの強い
太一君。
こいつはふぁ〜として、とてもじゃないが
横綱のオーラはなんかはちっともで ....
光沢するチラシの千箇寺
一種類一枚ずつ折り込んで
束ねて舐める唇に ぴとり 貼りつく
拭えない合成洗剤と摩擦熱
指紋と一緒に綴じて
継続。
継続。
虚構が隣に ....
市電のレールは暁に根負けし
夏のそれとは違って
鰈のように臥している
遠くまで伸びる 秋色
同じ窓から、庭先の蘭も
肩を落としているのが見えた。
あぁ、
そんなこと忘れるくらい
片 ....
楕円の踊る 炎の中へ
熱くない驚きよりも
息のできない
もどかしさで満ちる
なつかしいオレンジ色
ちろちろと
溶けだして
....
左、
右、
左目 君 人に見える タバコを吹かしている 暇らしい。
右目 君 眩しく映る 後ろにある夕陽?いや 恋らしい。
右肩 ツボ かなり凝っている。
左肩 ツボ この辺 ....
傘はふらりと咲く
街路樹はそれを見送り
またひとつ あかるくなった
ヨーグルトが発酵する
毛布はその音を包み
またひとつ あかるくなった
玄関のチャイムが鳴る
握手を交わし
....
曇天の午後に
無地のワイシャツが眩しくて
コウモリ傘がひらく
つかめない顔
剥げたマーブルチョコになる
ずろんとした
ペラコート羽織って
くしゃけたブーツ
踏み鳴らし
古寺の階段をやじろべえ歩きしていると
乾いた枝葉 たくさん浮かんできたけど
口遊んだのは
甘茶蔓の花
子狸のかぜ
ミネラルウォーターに沈む電球らで
ボトルの中の水面はゆるい光を着込むと
洛陽に染まる
儚い海で
椅子も防波堤になって追想します
波〜オレンジに騒いで
配線コードも〜鯰〜
....
頭の丸みと髪の流れに沿って
手の平を浮かべる
カメラは遠くで蝉のごとく鳴り続け
レンズは割れんばかりに照らす
足を水桶へひたす
過去にも存在した気のする
記憶をリピートさせるよ ....
前世と来世の間 彼の世にて
無数の吾が私になる前の構想
吾に5本の指がついている場合
オノコになるだろうか
うむ、メノコやも知れぬ
吾はさっそく5本の指だけを拝借して
予行練習 ....
ロックグラスの淵をふさぐ手の平
中身は空っぽに満たされて
そっと僕の息を閉じ込めた
3月 せっかちな不結合のチリは
町の中を撫で歩き
時折、見せてくれる隙間に ....
ちらつきながら水平に下り
疲労の渦を抱いて
硝子瓶の粒輪が昇る
ミネラルの刺激
風鈴でうすまる
ソーダ水
....
1 2